みなもときよまろの新規回想感想
待ちに待った清麿の新規回想!!
正直、想定していたものと大幅に違う状況が判明したので、覚書きする。
回想前に想定していたこと
● 源清麿は水心子正秀と比べて史実に根差したデザインである
・「納得出来ないことはすべきじゃない」「酒を飲んで騒いでいる姿を見ると心配になってしまう」「この出来じゃあだめだね/納得できる出来じゃない(刀装失敗3,4回目)」などから、刀工源清麿成分を多量に含んでいる
・逆に回想74『新々刀の系譜』や回想137『新々刀の推し事』で史実や著書と矛盾する言動が目立つ水心子正秀は刀工とのリンクが切断されている
江戸二作はこのような対比だと考えていた。
(結局違ったと判断しているため、詳細は割愛)
何が違った?
● 源清麿は刀工源清麿の人となりをほとんど把握していなかった
回想155で大慶に「山浦環の故郷は信濃」と指摘されても「考えたことなかった」と答え、そのあとに「四谷正宗とも呼ばれるし……」と続けている。若干はぐらかしているようなニュアンスにも取れるが、単純に信濃について言及できるほどの知識が無く、自分のボキャブラリーを使った精一杯の返答だったことが窺われる。
特にひっかかるのが次の一言、「君から山浦環……、刀工源清麿のかつての名前が出てくるなんて」である。山浦環は決して刀工源清麿の「過去の名前」ではない。刀工源清麿の本名であり、基本的に刀工名と並列(あるいは最も大事なもの)である。特に山浦環が清麿銘を用いるのは萩から信濃経由で江戸に戻ってきた後になるが、現在唯一現存する自筆の受領証に山浦環と記している。これを史実に根差した男士源清麿が「かつての名前」と表現するだろうか?恐らく、この前提が違っていて、源清麿は自分の刀工のことをあんまりよく分かっていないと前提を変えた方が通じるのではないか。
続いて、大慶直胤が刀工源清麿を絶賛する段になるが、これにも源清麿は「どうかな」と短く答えている。これが自分が褒められすぎて褒め殺しだった場合のことを考えてみよう。もうちょっと照れてもいいのではないか。声色は極めて冷静、あるいは批判的な響きがある。大慶直胤は気付いていないのかその後も熱の籠った調子で源清麿を絶賛する(あるいは少し自分達の不遇さと比較して卑屈なニュアンスも感じられるか)が、それに対する返事は「よほど君の方が知っているね」。これはド直球に「肝心の僕が分かっていません」に変換するのがいいのではないかと思う。
最後に大慶直胤が質問攻めにしようとするのを遮って「僕は君に嫉妬している……君たちはとてもよく似ているよ」である。恐らくだが、清麿の目には大慶も水心子も刀工の「資質」が受け継がれているように見えていると思う。この「嫉妬」は親友の水心子と大慶が似ていること、そして、大慶と刀工大慶直胤の資質がちゃんとつながっていること、のダブルミーニングではないか。ここから清麿のコンプレックスが「刀工源清麿の資質を受け継いでいないこと」ではないかと仮説立てられる。更にいえば、それにも関わらず大慶のように実際は持ち合わせていない清麿の「天才性」を褒めそやされる環境に置かれ続けていることが清麿のストレスなのだと思う。
コミュニケーション完璧陽キャ民大慶は清麿の様子を見てようやくそれを察したらしい。今度は水心子と大慶が似ている方の意味を取って、「この間はごめんね」と声をかけたのではないかと思っている。恐らく清麿がずっと見守る姿勢を貫いていたのは今の清麿に出来る精一杯なのだと思った?(この辺はまだうまく整理できていない気がする)
「所詮、与えられたものかもしれないけど、俺たちの行動次第で少しは融通が利くみたい……だよね?集めて、丹念に織り込めば、強くて斬れる鋼になる」=今の君がもっている性格や能力はリンク出来た逸話から与えられたものでしかないけど、彼らの行動(=私たちの解釈)次第で少しは(未公開部分の)設定をいじれるみたい。逸話や物語を集めて、丹念に編纂すれば、強靭で攻撃力の高い男士になる。
つまり大慶は「君にまだない部分だって、頑張ってかき集めて綺麗に設定に盛りこめれば強くなれるよ!」ってアドバイスしたんじゃなかろうか。これはクラス1位の奴に「勉強すれば100点取れるよ!」とか、インターハイ出場の人に「走ってれば楽になる、そこまで頑張って」って言われているようなもんである。コンプレックスを避けるどころか滅多刺しである。「だから、君が来るのが嫌だったんだけど」これは残念ながら清麿の本音だろう。
でも実際、やらなきゃいけないのは確か。
「納得できないことはすべきではない、僕はそう思うよ」
この台詞は実は清麿が自分に言い聞かせていたものなのではないか、
と私は疑っている。
「そうか、彼は修行にいったのか」
次に修行見送り台詞。これはどうだろう。今回の一連の回想をみると、
これも「ピンと来ていない」可能性、ないだろうか。ありそう。
さて、大慶に弱いところをつつかれまくって、清麿は恐らく間もなく腹を括ることだろう。いつになるかは知らないが、極の実装も近そうだ。
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