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約20年間、教育の営業に携わった後、内部監査へ。大胆なキャリアチェンジを決断した原動力となった想いとは?
社内公募制度を利用して、2024年4月からヒューマンホールディングス株式会社で内部監査室に勤務する星野公孝さん。内部監査室とはどのような役割の部署なのか、また星野さんはどんな想いで日々の業務に取り組んでいるのか、お話を伺いました。
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――まずは、星野さんの職歴について教えてください。これまでどんなお仕事を経験されてきたのでしょう?
私は2020年にヒューマンアカデミー株式会社に入社し、法人営業や行政営業を担当しましたが、前職でも約15年間、教育会社で個人・法人向けの営業や商品企画に携わっていました。実は、それ以前にもいろいろな仕事を経験しており、家業で自営の建築業に従事したり、派遣社員として働いていた時期もあります。
――星野さんは社内公募制度を活用して、2024年4月からヒューマンホールディングスの内部監査室に転籍されていますね。内部監査とは、どのような業務を行う部署ですか?
私は、内部監査は、会社全体が安全に進むためのブレーキの役目を担っていると捉えています。ブレーキのない車って怖いですよね。車の運転でいうと、事業会社の各部門は、目標達成のためにアクセルを踏み込んで進んでいきます。でも、時にはアクセルをゆるめた方がいい場合や、立ち止まって課題の発見や改善に取り組むべき時もある。組織のブレーキ役として、リスクを避けながら安全に会社が進めるようにサポートするのが、私たち内部監査室の役割です。
具体的な業務内容としては、各拠点の業務フローや帳票関係をチェックし、関連する法律や社内規定がきちんと守られているか、効率的な業務の運用ができているかを調査して、業務状況や組織体制について評価をし、報告と助言を行います。内部監査の対象は、ヒューマンホールディングスの連結会社であるヒューマンアカデミー、ヒューマンリソシア、ヒューマンライフケアが中心で、全国にある拠点を年1回訪問して、実施しています。
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――内部監査室における、星野さんの現在の担当業務について教えてください。
内部監査室には6名のメンバーがおり、その中で私は「内部統制」を担当しています。組織のガバナンスやリスク管理が適切に機能しているかを調査・確認し、業務改善の提案を行う仕事です。他の5名は実際に全国の拠点に赴いて現場を確認しますが、私は各拠点から取り寄せた帳票類のデータをパソコン上で精査して、業務フローが適正か、契約書などが整っているか、社内チェック体制ができているかをチェックします。不備や改善すべき点が見つかれば、その解決策を考えるのも大切な仕事です。
――前職での経験で、今の仕事に活かされていることはありますか?
内部監査の仕事は、グループや組織全体のしくみを深く理解した上で、最適な形を提示していかなければいけません。組織全体のしくみについては理解がまだ浅い部分もありますが、ヒューマンアカデミーで法人営業や行政営業を経験したおかげで、現場の状況や業務フローに関してはある程度把握できているので、自分が内部監査を行う際にも、現場の実態に沿った改善案などを提案できていると思います。
――現在の仕事に就いて、ヒューマングループや仕事に関して気づいたことがあれば、教えてください。
今の部署に移ってから、本社と現場がどのようにつながっているのか、お金の流れを含めて理解する機会が増えました。組織全体をよくするためには、個別の業務だけではなく、会社全体を意識した「全体最適」を考えることが大切だと実感しています。
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――内部監査の仕事のやりがいや魅力は、どんなところにありますか?
会社全体の改善に貢献できることが、やりがいだと思います。まだ1年目なので、正直なところ自分の成果として改善を目に見える形まで実感できるところまではいっていませんが、各拠点や組織の課題を見つけ、解決策の提案を通じて、ヒューマングループの社員の皆さんがより働きやすい環境の実現や、会社の成長を支えるような存在になりたいと思っています。
また、内部監査の業務では、各拠点のさまざまな部署と関わります。幅広い拠点や部署と関わる中で新しい知識や視点を学ぶことができるのは、この仕事の魅力的な点だと思いますね。
――内部監査の仕事には、どのようなスキルが必要なのでしょうか。
上司の仕事ぶりを見ていて感じるのは、事実を正確に把握する力や、分析力がまず必要だということ。ただ、それ以上に大切なのは「自分で考える力」だと思います。なぜなら、監査の場では、時として周囲の意見に流されそうになることもありますが、そこで流されずに、自分の考えを明確に、根拠を持って伝える必要があるからです。
また、監査では各拠点のさまざまな部署に、帳票類の提出など、いろいろなお願いをします。拠点の担当者の皆さんとしっかりコミュニケーションを取り、信頼関係を築いていくスキルも必要でしょう。その上で、現場と馴れ合いになるのではなく、言うべきことはきちんと言う、というバランス感覚も大事です。
――星野さんが業務を行う上で心がけていることや、仕事のモットーがあれば、教えてください。
前職も含め私が仕事で一番に心がけてきたのは「誠実に向き合うこと」です。仕事相手やお客様に誠実に向き合い、信頼関係を育んでいくこと、相手の課題を理解して解決策を提案することを大切にしてきましたが、これは営業職でも内部監査の仕事でも共通して大事なことだと感じています。
加えて、内部監査の仕事で気をつけているのは、なるべく現場の邪魔をしないこと。仕事柄、拠点の担当者に「この帳票を出してください」というお願いや、「これはどういうことですか?」という問い合わせをする機会が多いのですが、なるべく担当者の負担を増やしたくないので、繁忙期を避けて問い合わせをするようにしています。
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――今後の目標や、内部監査の仕事を通じて実現したいことは、どんなことですか?
仕事には、頑張れば頑張るほど自分が苦しくなる側面もあると思います。頑張って成果を上げれば、それ以上の成果を期待され、オーバーワークに陥って心身ともに疲弊してしまう人もいるでしょう。私自身も、過去に大変な思いをして体を壊したことがあります。その経験から「現場をコントロールする役回りも必要ではないか」と考えるようになり、内部監査の仕事に関心を持ったという経緯があります。
今後の目標は、内部統制やリスク管理の知識も含めて専門性をもっと高め、ヒューマングループ全体がよりよい会社になるよう貢献できるようになること。業務改善の提案などを通じて、働く人たちにとっても、より働きやすい職場環境づくりに貢献していきたいと思っています。
――最後に、ヒューマングループで働く皆さんへのメッセージをお願いします。
私自身も以前はそうでしたが、内部監査というと「怖い」というイメージを抱いている人が多いと思います。でも、どうか怖がらないでいただきたいです。場合によっては事前の通知なしに拠点の内部監査に伺うこともありますが、これは現状のありのままを評価させていただくためです。役割は違いますが、「会社をもっとよくしていこう」という意味では、私たちも皆さんと同じ方向を目指しています。内部監査を通じて、よりよい職場環境を実現する手助けをしたいと願っているので、ぜひ一緒に取り組んでいただければ幸いです。
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<星野公孝さんプロフィール>
ヒューマンホールディングス株式会社
内部監査室
教育会社で約15年間、法人営業や商品企画に携わった後、2020年ヒューマンアカデミー株式会社に入社。法人営業部にて社員研修や管理職研修の営業と企画運営を担当し、2021年より行政営業部へ異動。行政案件の営業や企画運営に携わる。社内公募制度を活用し、2024年4月よりヒューマンホールディングス株式会社へ転籍。内部監査室で、内部統制を担当している。
※2024年12月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。
肩書き・部署名等は取材時のものとなります。
<ヒューマンホールディングス株式会社・会社概要>
ヒューマングループは、教育事業を中核に、人材、介護、保育、美容、スポーツ、ITと多岐にわたる事業を展開しています。1985年の創業以来「為世為人(いせいいじん)」を経営理念に掲げ、教育を中心とする各事業を通じて、労働力不足、高齢化社会、待機児童問題など、時代とともに変化するさまざまな社会課題の解決に取り組み、独自のビジネスモデルを展開してきました。
人と社会に向き合い続けてきたヒューマングループは、いま世界全体で達成すべき目標として掲げられたSDGs(持続可能な開発目標)にも積極的に取り組んでいきます。SDGsへの貢献を通じて、「為世為人」の実現を加速させ、より良い社会づくりに貢献していきます。