【講演記事】「アスリートサポートの現状と未来(Athlity第1回ウェビナー)」より障がい者スポーツトレーナー①
2022年1月21日金曜日に第1回Athlityウェビナー「アスリートサポートの現状と未来」を開催しました。
その時の内容を、今回は記事として再構成し、公開します。
今回は、障がい者競技のナショナルチームで、トレーナーとして活躍されている古尾谷 香苗さんに、実際にどのようなサポートを行ってきたのかを話していただきました。
障がい者スポーツトレーナーの現状
障がい者スポーツトレーナーの実際ですが、これはトレーナーだけではなくて、コーチなどサポートスタッフ全体に言える事なんですけれども、現在、兼業でサポート活動を行っている方が大半になります。本業の休日を利用して合宿や海外遠征サポートをしたり、体力的にも経済的にもハードになります。
近年は、理解のある職場が増えて、少しずつ兼務しやすい状況とはなってきていますが、依然として専業としてやっていくのは難しいのが現状です。私自身、ロールモデルとなっていけるように頑張らないといけないなという風に思っているところです。
障がい者スポーツトレーナーの仕事
さて、ここからはトレーナーのお仕事の話をしたいと思います。
障がいを持ったアスリートに対して、実際にどのような介入をしているのかお話をしていきます。仕事内容は大きく分けて、4つあります。
コンディショニング
トレーニング
競技用具の調整
生活介助
最初の3つは健常のアスリートサポートと同様の内容だと思いますが、生活介助については、障がい者アスリート特有だと思います。
アスリートサポートで、選手の競技力向上に向けて重要なことは、各選手の障がいや機能レベルにあったアプローチができているかということです。障がいにばかり目が行きがちですけれども、ベースは疾患を見るのではなくて、その人自身を見ることだというのは忘れてはいけないポイントじゃないかなと思います。
生活介助の部分でも、介助動作の中で身体の使い方やその日の体調など選手の状態を把握するヒントが沢山あります。
さて、今回は導入部分のお話でしたが、次回は実際のコンディショニングについてのお話になります。
講演者紹介
古尾谷 香苗(ふるおや かなえ)
日本ボッチャ協会 専任トレーナー
理学療法士
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