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パリ五輪マラソンにアメリカ男子は2人しか出られないかも?

パリ五輪の男子マラソンには日本から小山選手(Honda)、赤崎選手(九電工)、大迫選手(Nike)の3人が内定していますが、一方でアメリカ男子はマラソン代表が2人になるかもしれません。
マラソンのパリ五輪出場基準としては、標準記録である2時間8分10秒(2022年11月1日〜2024年4月30日)を突破していることと国内選考を突破すれば出場できますが、それ以外でも、世界陸連のワールドランキング上位者が出場できることになっていました。男子では「標準記録突破者」と「ワールドランキング上位者」で合計80人を上限としていました。期間内の標準記録突破者は70名いました。USのマラソン選考会で1位、2位のコンナー・マントゥ選手とクレイトン・ヤング選手はどちらも既に2時間8分10秒を突破しているため内定しています。

(https://olympics.com/en/news/us-olympic-marathon-trials-2024-results-times-complete-list)

アメリカでは期限内に2時間8分10秒を切った選手が2人だけしかいなかったということは驚きです。ゲーレン・ラップ選手など強いイメージがあったからかもしれません(2023年の日本では21名が標準記録を突破)。
標準記録突破者70名以外として、ワールドランキング上位者としてアルバートソン選手は4位にランクインしていたので、アメリカは3つ目の枠を獲得できる可能性が高かったですが、2024年5月8日に世界陸連は「ユニバーサリティアスリート枠」として11名を男子マラソン代表へ追加することを発表しました。ユニバーサリティアスリートとは、「1名も陸上競技の種目へ参加できない国」に対して、100m or 800m or マラソンのいずれかの種目への参加を認める措置です。北朝鮮、北マケドニア、マルタ共和国、ヨルダン、スーダンなどの選手がマラソンのユニバーサリティ枠としてリストアップされています。まだ、正式決定かは分からないですが、81名の内、ユニバーサリティアスリート枠が11名というのは多いような気もします。リオ五輪のマラソンではユニバーサリティ枠は4名、東京五輪では1名だけでした。従来は、ほぼ全ての種目に割り振っていましたが、今回は100m/800m/マラソンに集中させるため、マラソンでのワールドランキングでの出場枠に影響しています。
ユニバーサリティ枠を設ける動機は理解できますが、その枠を少ない種目に集中させると、その種目のワールドランキング上位者の枠が取られることになるので、分散させたほうがいいのではと思います。100mやマラソンはオリンピックの花形種目なので、ユニバーサリティアスリートにもそういう種目で走らせてあげたいということなのでしょうかね。

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