クロックスケールってなんだ?
ゴルフをやったことがある人なら、誰しもクロックスケールを使った教え(レッスン)に触れたことがあるはずです。
自分の体を時計の文字盤に見立てて、スイングの振り幅の尺度を決める考え方です。
日本で唯一の文科省認可のプロゴルファーの資格認証団体「公益社団法人日本プロゴルフ協会」(以下PGA)でも、レッスンの基本的な指針として、クロックスケールを採用しています。
しかし、皆さんは、動画でも雑誌でも書籍でも、クロックスケールをきちんと学んだことがありますか?
おそらく無いと思います。
ゴルフハックスは20年に渡るゴルフレッスンの蓄積があります。
様々なレッスン方法の研究も行ってきましたが、クロックスケールをまともに指導メソッドとして使用しているレッスンは数が極めて少ないです。
それでもみなさんを含め、ほぼすべてのゴルファーが「クロックスケール」に触れたことがあるはず。
というのは、ゴルフを覚える初期の頃に、導入として、クロックスケールを取り入れるケースは実はたくさんあるので、初心者のうちに一度は聞いたことがあるというのが、実際のところです。
クロックスケールはビギナー(初心者)のための指導法。
そういう認識が広まっているようです。
だから、みんなやったことがあるのに、深くは知らない。
不思議な存在なのです。
ゴルフハックスでは、様々なレッスンやドリル、トレーニングを研究して、脳科学、トレーニング学、運動学、心理学、解剖学等、様々な観点から、最も科学的で効率的なレッスンメソッドとして、「クロックスケール」と取り入れています。
実は、初心者のものじゃなかった。
クロックスケールは、初心者のためのトレーニングメソッドと思われがちですが、違います。
初心者から、上級者まで、使えるメソッドなのです。
なぜ、幅広くのゴルファーに応用可能なのか、という点について、少し掘り下げてみましょう。
自分の身体を思い通りに動かせる人がいない問題
この一文を見て、すんなり理解できる人は、運動学に明るい人かもしれません。
「いや、自分の身体なんだから思い通りに動かせるでしょう。
実際に、俺は、歩こうと思えば歩けるし、車の運転だってできるんだから」
と、考えるのが普通かもしれません。
残念ながら、あなたの身体は、あなたの思い通りには動かないんです。
優れたアスリートですら、自分の身体を「寸分違わず」動かすことは不可能です。
スポーツの上達とは、自分の身体をスポーツの特性に合わせて、思い通りに操ることを指します。
文章にするとややこしいですね。
試しに、下の画像のように、自分の身体を時計の文字盤に見立てて、8時から4時の振り幅でショットをして、それを動画で確認してみて下さい。
もし、この練習をやったことがなければ、おそらく大抵の人は、スイング幅が大きいか、小さいか、左右非対称か、思っているのとは全く異なるスイングをしていることでしょう。
熟練者でも難しいもので、実際にボールを打つときにはやはり、思い通りには動けていないものです。
更に、一度できるようになっても、少し時間をおいて(別の日などに)再度やってみると、またできなくなってることがあります。
つまり、常に自分の動きを客観的にチェックしながら、振り幅(自分の動き)をコントロールする習慣をつけないと、自分では思いがけないようなスイングに陥っている場合があるのです。
やれば解るはずですが、
自分の身体を思い通りに動かせる人は存在しません。
※限りなく誤差が少なくなった抜群の運動神経の持ち主というのはいます。
ゴルフという運動特性
ゴルフは、クラブという棒状の道具を使って球を打つスポーツです。
このクラブには長さがあり、ながければ長いほど遠くに飛ばすクラブになります。
我々人間が以下にトレーニングを積んだとしても、1W(ドライバー)ショットよりも遠くにボールを投げることはできません。
つまり、道具のおかげで、人間が持つ能力の数倍の力を発揮することができるのです。
道具を扱うスポーツである以上、基本的な物理現象を理解しておかなければなりません。
そもそも、なぜボールは遠くに飛んでゆくのか?
どうして、飛ぶボールが曲がるのか?
とうして、ボールは高く上がるのか?
どうして、着地したボールがグリーンでキュキュッと止まるのか?
それらの物理的な現象を理解するために、何度もショットの練習をする必要がありますが、力いっぱいスイングする「フルショット(フルスイング)」を100球も200球も打つことはできません。
中には、肉体派アスリートは可能かもしれませんが。
ですから、距離のコントルール、曲がりのコントロールをする上でもめいいっぱい振らずに、振り幅を調整する必要があります。
そのときに、振り幅の基準となる尺度が必要となります。
その尺度として、再現性が高く、誰のスイングのタイプにも通じるのが、クロックスケールの振り幅です。
時々、「ハーフスイング」という言葉を耳にしますが、「ハーフスイング」というのは、クロックスケールで言えば、どこからどこまでのフリ幅なのでしょうか?
そして、一度マスターした振り幅でも、チェックを疎かにすれば、時間の経過により狂うことがあります。
そうなると、果たして、あなたが今行っているハーフスイングは明日も同じスイングと言えるのでしょうか?
更に、ハーフスイングについて他の人と話をするときに、あなたのハーフスイングと他の人のハーフスイングは果たして同じものでしょうか?
あなたですら、日によって狂うハーフスイング。
ましてや他の人のハーフスイングは、あなたと同じものなのでしょうか?
「え!?別に他の人のスイングなんでどうでもよくない?」って思う人もいますよね。
それなら、ゴルフスイングは、人には教えることができない。ってことになってしまいますね。
だって、他の人の動きと自分の動きは全く異なるんだから。
このように、人により、時と場合により変化してしまう動きをなるべく、なくして、いつでもどこでも同じ動きを再現できるように、と考えて作られたのが、クロックスケールというメソッドです。
クロックスケールという基準で合わせることができて、そのうえで、どこかのツアープロがやっている「なんとかスイング」とか「なんとか理論」とかの動きを取り入れるることができれば、世界共通の会話ができるはずです。
レッスンとは、動きをなるべく客観的な指標で測れるように分類して、パフォーマンス(動き)を調整させる訓練です。
つまり、上達を目指す以上、自分のスイングの客観性、再現性を確保するために自分のスイングをクロックスケールに落とし込む必要があるのです。
もし、クロックスケールについて真剣に学びたい、自分のレッスンに活かしたい、と考えているゴルファー(職業ゴルファーも)はぜひ、私達ゴルフハックの各種コンテンツに触れて下さい。
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