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原理原則と癖の修正
「教わり方」という、ぼんやりした内容に少しずつメスを入れていきます。
まず、レッスンの現場でよく聞かれるワードから掘り下げてみましょう。
「コーチはこの前のレッスンと言っていることが真逆なんだよな…」なんて、口にするゴルファーがいます。
実はこれ、完全に教わる側の問題です。
前提1.
指導方法の勉強をしていないティーチングプロ、インストラクターには当てはまりません
前提2.
2週間以上の間隔を空けずに定期的なレッスンを受けている人に限り当てはまります。
以上2点の前提を踏まえて、どのようなプロセスで上記の問題が起こるのか考えます。
おそらく3年以上のキャリアのあるティーチングプロは一度は言われたことがあるはずです。
指導者限定に掘り下げるので、誤解を恐れずに例を挙げてゆきましょう。(※この「誤解を恐れずに」というのが実はキーワードになります。)
ゴルフレッスンの分野では「縦振り」「横振り」問題というものがあります。ゴルフクラブは縦に振り下ろすのか、横に振り払うのか、ということなのですが、皆さんはどちらが正解だと思いますか?
当然ですが、正解はありません。
ゴルファーの中には、極端な縦振りを行う人がいます。このような人にクラブの入射角をマイルドにする「横振り」を処方すると、このケースでは「横振りこそが正解」という、共通認識になります。
これによって、「ゴルフスイングは横振りするべし!」の教えが完了します。。。。
果たしてこのプロセスで覚えた横振りはゴルフの原理原則でしょうか?
原理原則は、いかなる場所(条件)でいかなる人が行っても同じ結果になることを言います。
次に、↓の画像を見てみましょう。
これは、以前別のテーマで使われた画像ですが、このようなケースでボールが右(③の方向)に飛んでゆくことは、原理原則です。
原理原則を教える場合と、その人の癖の修正を行った場合を区別せずに同じ「レッスンの中で教わった内容」ということで一括りに覚える傾向がある人はそれこそ、誤解が始まってしまいます。
レッスンを始める前に、原理原則についての内容なのか、自分の癖の修正に関する内容なのか、「記憶の箱を分ける」トレーニング(評価)をしてからでないと、ゴルファーと指導者の関係が不幸になってしまいます。
ビジネス用語では「レイヤー分けをする」とか、教育用語では「エポケーする」などといいます。
これが上手い人は話の要点の抽出能力が高いようです※
※エビデンスは未確認です。