
簡易まとめ|毎日更新してます。
まずは、簡単なまとめを毎日更新し、その後でそれぞれを深掘りしていく記事を作成していきます。一緒にコツコツ学んでいきましょう。いいね&フォロー で応援してくれると嬉しいです😊
発達とは
生まれた時からもっている力をもとに、いろんな問題を乗り越えていく過程を発達と呼ぶ
発達には「遺伝子活性・感覚情報・物理要因」の3つが大きく関わり、自らの行動によって自らが発達する仕組みがある
知覚と運動の循環によって、出発点を起点に最適な行動が無意識で選択されるようになる
自発的運動
自発的な運動が発達のスイッチとなり、運動は受精8週ごろから認められている
赤ちゃんはとりあえず動いてそのあと成熟させていくので、「運動→知覚→認知」という大人とは反対のプロセスで行動している
運動によって身体や外界イメージを獲得していくので、まず動いて・触って・見て「知覚・認知」していくのが大切になる
自発的運動と感覚
胎児期のかなり早い時期から各種感覚(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚・前庭感覚・深部感覚・内臓感覚)は発達・機能化しているのが明らかになっていて、感覚の発達には自発的運動による感覚刺激の生起が重要になる
様々な動物実験によって、自発的運動によって得られる情報が発達のキーとなることが報告されている
ヒトの観察実験において胎児期でも自発的運動(原始反射ではない)が見られていて、自発的をベースに随意的運動へ発達していくことが示唆されている
発達のカスケード
カスケードとは「つながり」や「連鎖」で、滝が段々になっていて水が上から順番に下に流れていく様子を表す
乳児の発達にもカスケードが見られ、1つの運動スキルの獲得が「認知・社会・言語」といった運動とはかけ離れた領域の発達を促進するな場合がある
実際に歩行獲得が早い乳児では、理解や表出語彙数が多くなる傾向が示されている
発達を学ぶ基本
運動と感覚入力が発達に関与するのは間違いないが、子供の発達は画一的なプロセスではなく絶対的な理論は確立していない
そのため包括的な視点が重要になり、これまでもさまざまな分野の知見や研究(哲学分野、臨床医学、生物学認知科学、神経科学、遺伝学、情報工学、ロボティクスなど)を通して理解が進められてきていてた
学際的にさまざまな知見を応用していくことが、子供の支援に適した方法を考案するための重要な一歩になる。
感覚と運動①神経的側面
感覚や運動機能に関する末梢神経系において、胎児期から乳児期でほとんど完成している
感覚と運動は最初は全身が一緒に反応する大ざっぱな動きから始まり、成長とともに感覚が細かく分かれ円滑な動きが可能になっていく
最終的には感覚由来の刺激入力によって、複雑かつ協調的な運動が自然に選択されるようになる
感覚と運動②臨界期
臨界期とは、生物が特定の能力や機能を最適に発達させるために重要な時期
この期間内に適切な感覚運動刺激や経験を提供することが、その後の健全な発達に大きく影響する
現状人工的な操作によって臨界期をコントロールできる事が示唆されているため、臨界期の再発現によって発達期に生じる様々な疾患や障害の緩和・治療可能になる可能性もある
感覚と運動③要素元論的アプローチ
これまでの多くの研究が要素元論的アプローチ(複雑なものを小さく分けて考える方法)で考えられているが、この方法だけでは原因と要因が複雑絡み合っている場合のメカニズム理解に到達できないケースもある
各要素の相互作用によって新しい構造が自発的に構成される「システムの自己組織化」という概念が提唱され、子供の発達においても一目置かれて研究が進められることになった
最終的には乳児期の運動発達がその後の心理発達に連鎖することや、「脳-身体-環境間の相互作用」の重要性が示されている
感覚と運動④身体
物体や環境に対して身体が媒介として相互作用することで、必要な情報を取り出せると考えられている
「Gibson、Husserl、Merleau-Ponty、Varelaなど」によって、認知や思考が身体の感覚や運動経験・環境との相互作用に支えられていることが明らかになってきた生物やロボットの知的な振る舞いの実現には、脳神経系における計算だけでなくむしろ身体の物理的・動的特性が重要である事も示唆されている
感覚と運動⑤科学の進歩
脳や神経系の働きを完全に細かい要素に分解して理解することは難しいとされてきたが、脳神経系の精密な動作の仕組みや神経の成長・発達についての研究は着実に進んでいる
IoT技術(家電や機器がインターネットを通じてデータを収集・共有する仕組み)の発展により生活環境下でのデータ収集が高度化し、人間の成長や健康、行動パターンに関する実態に近い研究が進むことが期待されている
発達の理解と人工知能の理解は相補的な関係にあり、それぞれの発展が互いの進歩を促進する可能性を秘めている
創発的観点と自発性
創発とは「要素の組み合わせや組織化によって、もともと存在していないかった性質や秩序が現れること」で、非還元的な意見
意図や意志・外部刺激によらない自然現象としての運動を「自発性」と呼び、創発を支える基本的要素とされている
ヒトの発達初期では中枢神経系の自発発火が知られていて、それによって意図的な運動の前から感覚運動経験が積まれている
自発運動を介した感覚運動経験の探索
自発運動は感覚入力と運動出力を統合し、「脳-身体-環境間」の基盤を構築する
発達初期の自発運動は感覚フィードバックを伴い、共起しやすい筋の集団(感覚運動モジュール)を形成して歩行やリーチングなどの運動基盤となる筋シナジーに発展する。
明確な目的な目標を持たない胎児が自発運動によって感覚運動経験を探索することは「感覚運動ワンダリング」と呼ばれ、身体運動の基盤を形成する
感覚運動経験と心の発達
心と身体は別とする考えが支持されていたが、感覚運動経験によって心へ影響を与えることは確実とも言える
感覚運動と認知との関連も示唆されてきて、子供が自身の身体的体験を通じてどのように感じているかの理解するのが重要になってきた
各分野での横断的知見から、感覚運動経験が他者とのコミュニケーションや社会的行動の成熟に重要な意味を持つ事が示されている