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230129_ガス抜きの日/うみべのストーブ

2023/01/29

昨日聞いた話がいまだにずっしり心に鎮座しているので、今日は緩慢に過ごした。昼まで寝て、母に電話をする。観葉植物がダメになっていることを伝えた。あと、この会話は昨日のガス抜きです、と伝えた。

夕方に近所の本屋(配架の仕方が独特で全国的にも有名な店だ)に行って、臨床心理士の書いた新書と、気になってた漫画を買う。東畑開人さんの『聞く技術聞いてもらう技術』と大白小蟹さん『うみべのストーブ』。

僕にとって人の話を聞くことは重要な主題なのでこれから少しずつ本を読もうと思う。場合によっては心理学の勉強をするかもしれない。冒頭に提示される、聞くことは聴くことより難しいというアフォリズムはその通りだなと思った。

『うみべのストーブ』は、漫画と短歌がセットになった短編集で、幻想文学的な要素と日常的な筆致が巧みに融合している。漫画によって短歌で語られる世界がより雄弁になっているし、かといって説明的でもなく、短歌が漫画の側の冗長性を担保している。両者が相補的な関係を持っている。

僕はずっと漫画を描きたいと思っているけど、漫画は求められる技術があまりに広範だから(多少絵を描くことには心得があるつもりでも)なかなか手を出せていない。でも、もし漫画を描くとしたらこういうものがいいなと思わせてくれる作品だった。

夜になって年下の同居人を捕まえて、晩酌をする。就職活動中で大企業に勤めるであろう彼と話す。僕とはだいぶライフコースの違う人間で、こうやって枝分かれしていくのかと思う。彼にもこの会話は昨日のガス抜きであることを伝えた。

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