230924_月の記録

2023/09/24

1ヶ月ほど日記を書かなかった。
何もなかったのではなくあれやこれやあって、あれやこれやある時は書けないらしい。

この間の出来事を羅列する。僕のことを知っている人にはこの日記を読むだけで誰かわかる。匿名の意味がない。

大学の同期たちと旅行に行って、ワイナリーが運営している大きな一軒家に泊まった。夜はみんなで『花束みたいな恋をした』を見たけど、僕は前半のサブカルクイズのパートはほぼ全問正解で悲しくなった。一緒に見た友人たちの中には、同期と長年付き合い、別れた人が二人いたので、後半はなんだか空気が重かった。軽薄さを主題にしたひたすら軽薄な映画だった。絵を描かなくなった恋人に失望するシーンがあったが、他人の創作に対してそんなことを思う暇があったら自分で作ればいいじゃないかと思った。

9月は隔週2件の結婚式があり、そのカレンダーに打たれた二つの杭の間にあたる11日間、バングラデシュとインドに一人で行った。暴飲暴食をかさねてもお腹は壊さなかったけど、大気汚染で喉を痛め、歩きすぎのせいか、裸足で路地を歩いたりモスクの池で足を洗ったせいか、足に大きめの水疱ができた。インドは1週間と少しでは何もわからず、少なくとも1ヶ月は必要だなと感じる。次回は北部のラダックと南インドに行くつもり。おそらくだけど自分の諸々の態度と現地の生活風土の相性は良いと思う。

先月ごろ、ある人と親しくなった。ただどこかコミュニケーションや言葉選びに違和感があったので、その原因と思われることを相手に伝えた。伝わっているだろうか。コミュニケーションの作法が違う相手と話すには、それなりのエネルギーがいるのだけど、問題は最終的に必要なエネルギーの総量ではなく、そもそもエネルギーを注ぎはじめるだけの気持ちが互いにあるか否かだと思う。

あとついに博士の学位を取得した。決して優秀な学生ではなかったし、論文や研究自体も胸を張れるものではないことはわかっているけど、家族や友人は心から喜んでくれているので、学位を取れたこと自体は良かったと思う。

あと1週間したら働き始める。このノートの日記に労働時間を記録していこうと思う。そういえば高校生の頃、シモーヌ・ヴェイユの『工場日記』を読んだ。あの頃の僕はなぜそんな本を読んでいたのか、いまとなってはわからない。

怠惰な生活の終わり。自分の中に勤勉さが残っているのだろうか。