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【実質0円大学生活のすすめ】第28回:シラバスの読み方(2)深読みしてみる

シラバスの行間を読む

前回は、シラバスに書かれている以下の9つの項目の「ふつうの読み方」を紹介しました。さらに、いくつかの項目について「深読み」してみましょう。今回は「4.授業の目標」項目です。

【参考:前回の項目リスト】
1.科目名
2.担当教員名
3.単位数
4.授業の目標
5.授業の内容
6.成績評価方法
7.授業スケジュール
8.テキストと参考文献リスト
9.担当教員へのコンタクト情報

「授業の目標」の記述からにじみ出るもの

大学の先生には大きく分けて2種類の立場があります。教授や准教授などの「内部教員」と講師として招聘された「外部教員」です。「授業の目標」項目の記述によって、担当教員が「教育者」寄りなのか「研究者」寄りなのかが見えてきます。

一般に内部教員は基本的に「研究者」です。自らの専門分野について研究活動を行い、論文を提出して業績を追求する存在です。もちろん教授や准教授であれば、「教育者」として授業を担当する義務がありますが、それは本来の活動ではないと考える教員も少なくありません。大学という場で自由に研究できる環境を得る代わりに、しかたなく教育活動に参加するというスタンスの教員もいるのです。

シラバスの「授業の目標」に非常にハードルの高いものを目指すような記述がある場合、その排他性によって履修者がいなければ、授業を開講する必要がなくなります。そうすれば、研究のみに専念できるわけです。

これに対して、講師などの外部教員は「教育者」として招かれます。学生に知識や考え方を伝授しながら、専門的研究能力の基礎を養うことが期待されるのです。仮に、自らが所属する本務校では教授などの立場の「研究者」であっても、講師として赴任していれば「教育者」と考えてよいでしょう。

前回紹介したデータベース型研究者総覧「researchmap」などで、所属が内部なのか外部なのかを調べて、内部教員の場合には注意が必要になります。「実質0円大学生活」で取るべき科目は、可能な限り外部教員が担当するものをおすすめします。

第28回まとめ

「授業の目標」の記述から、担当教員の教育への積極性を推し量ることができる。受講者に対して要求するレベルが高すぎると感じる場合には注意したほうがよい。「実質0円大学生活」としては、外部から来ている講師の授業のほうが無難かもしれない。


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