2023年の流行色-ビバマゼンタとルミナスイエローの紹介-
色は私たちの感情や気分に影響を与えるだけでなく、その年や時代のムードやテーマを表現するものでもあります。そこで、毎年世界的に注目されるのが、PANTONEやJAFCAなどの組織が選定して発表するトレンドカラーです。
PANTONEとJAFCAは、それぞれ独自の調査や分析に基づいて、2023年に向けたトレンドカラーを発表しました。それぞれのトレンドカラーとその選定理由について見ていきましょう。
PANTONE：ビバマゼンタ（Viva Magenta）
HTML カラーコード #be3455
PANTONEが2023年のトレンドカラーとして選んだのは「ビバマゼンタ」です。すこし濃いめの赤に黒が混ざったような色で、堂々とした印象です。
PANTONE公式サイトでは、ビバマゼンタを以下のように表現しています。
私たちの精神に活力を与え、内なる強さを構築する手助けする色 天然染料が由来であり、もっとも強く明るい赤系統
ビバマゼンタは、新しい時代に前向きな姿勢を示す色と言えます。自信や情熱を感じさせる色ですが、黒みがかっていることで落ち着きや深みもあります。また、天然染料から生まれた色ということで、自然や伝統への敬意も感じられます。
ビバマゼンタは、一面で大胆に使ってもその良さを生かせますが、ワンポイントでも十分に映える色です。ファッションやインテリア、グラフィックデザインなどの分野で活用できます。着物や和紙、漆など、日本的素材と組み合わせても映えることが期待されます。
トレンドカラー「Color of the Year」の選定プロセスは、PANTONEカラーインスティテュートのグローバルなチームによって行われます。
彼らは世界中を探し回り、新しい色の影響を探し求めます。その影響は、映画やエンターテイメント業界、美術展やアーティスト、ファッションやデザイン、旅行先やライフスタイル、社会経済的な状況など多岐にわたります。また、新しい技術や素材、ソーシャルメディアプラットフォーム、スポーツイベントなども色の選定に影響を与える可能性があります。
選定プロセスは慎重な検討とトレンド分析に基づいて行われます。PANTONEカラーインスティテュートは、年間を通じてマクロレベルの色トレンド予測や調査を行い、これを基に選定を行います。商業的なアジェンダや個人的な好みは排除され、グローバルチームは純粋な方法で色選びに取り組んでいます。
トレンドカラー「Color of the Year」の選定プロセスは、文化の状況や時代の要素に応じて異なる重みを持つため、毎年変化する可能性があります。技術やデジタル環境の進化も色の選定に影響を与えており、ゲーミングやソーシャルメディア、AR、物理的なデザインなどは、現代の技術とデジタル環境でアクセスできる色に影響を与えています。
JAFCA：ルミナスイエロー（Luminous Yellow）
JAFCAが2023年のトレンドカラーに選んだのは「ルミナスイエロー」です。淡く優しい黄色で、心がほっと落ち着くような色合いです。「やさしさに包まれるイエロー」とも称しています。
JAFCA公式サイトでは、ルミナスイエローを以下のように表現しています。
優しく穏やかで、希望を感じさせてくれる色です。 淡く柔らかい色は不安で固まった心にも無理なく入っていき、そっと癒し、明るい気持ちにしてくれるのではないでしょうか。
ルミナスイエローは、パンデミックによって不安や混乱を覚えた私たちの心を、そっと癒してくれる色と言えます。優しさや温かさを感じさせる色ですが、明るさや輝きもあります。また、多様性や共生といったキーワードも挙げられています。
ルミナスイエローは、雑誌や書籍の装丁など、グラフィックデザインに活用するのはもちろん、壁紙や家具などのインテリアデザイン、洋服などのテキスタイルデザインにも映えるでしょう。空間に取り入れても世界観を邪魔しない色合いのため、今後目にする機会が増えそうです。
PANTONE Color of the Year 2023: Viva Magenta
JAFCA | 一般社団法人日本流行色協会 | Color Trend
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