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8,100万円調達したITスタートアップは一体何を検証しているのか?

<ざっくりアウトライン> ※この記事は6-7分で読み終える事が出来ます。
1.資金調達とは:本当に必要なのか、なぜその意思決定をするのか
2.資金調達してから:チームとプロダクト
3.仮説・検証:需要と供給
4.最後に

先日、2回目の資金調達のプレスリリースを出し、TechCrunchさんにも掲載頂きました。

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私達はまだシリーズA到達前のスタートアップで有り、大きな事業を作っている途中の段階です。
でも、だからこそ途中段階でのプロセスを記録して共有する事でスタートアップのリアルを届ける事が出来るのでは無いかと考えました。アットハースの成長過程の1つである仮説・検証を1つのケーススタディとして読んで頂けたら幸いです。

1.資金調達とは:本当に必要なのか、なぜその意思決定をするのか
資金調達による事業性の強化やリスク分散、成長の時間を買うなど、様々な意思決定理由がありますが、私がその意思決定をしたのは不動産の自営業の様な事を始めた2015年から3年半経ってからでした。

元々海外の友人の手助けをしたい、とフリーランスで家探しや職探し、ビザや生活サポートを一人で始めたのが三菱商事を辞めた2014年。
当時は、あいつは何でエネルギーの事業を辞めてまで小さい不動産事業なんかやっているんだ、と不思議に思われていました。

ただ、その時は自分の好きな事をひたすら現場でやり続けて、どれだけ儲けるかよりも目の前で困っている人を全力でサポートする事に情熱を燃やしていました。自分が管理していた物件に住み込んで朝から晩まで17人の海外帰りの日本人や海外のメンバーと日々過ごしていました。

昔から国際協力で海外で活躍したいと思っていた自分が、フランス駐在帰国後に始めた小さな小さなプロジェクト。目の前の海外の住人の生活サポートや場所を作ることを続けるうちに世界中に家族の様な大切な友人がたくさんできて、それが今の事業の成し遂げたいビジョンのもとになりました。

・ビジョン:Live the life you want / 自由に暮らせる世界を

そのビジョンを作るために、共感するだけでなく、ビジョンを実現させる力強い仲間がジョインしてきました。小さな事業のまま自分達の好きなことだけをやり続けていた自分が、身の回りだけじゃなく日本社会全体にインパクトを残したいと思う様に目線も上がっていきました。

そしてその事業性を強くしていくという思いは、自分たちの描くビジョンを最短距離で実現するために、資金調達という形で事業リスクを取って共にビジョン達成を目指す方々に参画して頂く事になりました。

2.資金調達してから:チーム、プロダクト
私達は、資金調達してから事業を伸ばすチームとプロダクトを作る為に、様々な事をしてきました。

(1).チーム
最初の10人は自律して課題を作り出し、仮説・検証を行って解決できる人、そして事業を成長させる為の具体的なスキルと経験を持っている方を中心に採用活動を行ってきました。

あくまでも私達のケースですが、多く使われている媒体やエージェントの使用などを通じた場合お会いしてフィットした方々は結局自分たちのFacebookの共通の友人が多かったという事もあり、信頼できる友人からのリファラルやオフラインでの身内のイベントを行っていました。

そして今のメンバーは自分で事業を行っていたり、アドバイザーとして解決案を提示してくれていたメンバーばかりでした。事業に共感していたり、解決案を提示しながら自身の成長と重ねて楽しんでいるのが今のアットハースメンバーとなっています。

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事業の源泉はヒトです。それは間違い有りません。ヒトが働く時、それぞれ違うモチベーションや文化やバックグラウンドを持っています。その多様性をぶつけ合うと議論を超えて正義のぶつけ合いで衝突してしまいます。

そんな時、同じビジョンに向かって背中を預けて働ける強いチームは、互いにプロとして手離れして信頼し合える専門性と、個性が尊重され、チームへ活かされているという確信を持っています。その基となるのは不断の当たり前の努力であったり、価値観/Valueの統一であったりしますが、簡単では無いです。確かに甘えと心理的安全性を混同する事は危うい一方で、それぞれの高い能力や個性を掛け算にして組織にする為の指針や目線を揃える事は大きな時間や事業を共に成長させていく中で生まれてくる達成感も貢献しているのだと思います。

(2).プロダクト
さて、在留外国人向けに賃貸仲介から始まった僕らのプロダクトですが、今は退去→入退去のサポートや入居中のインフラ周りや役所手続きも完全サポートしています。

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昨今、VR内覧なども流行って来ていますが、僕らも実は2018年にSlush Helsinkiに経産省から派遣された際に現地の不動産テックのスタートアップが使用していたMatterPortを$8,000程度で購入して活用したりしていました。

しかし、結論から言うと、オンラインにすべき機能とそうでない部分をユーザーファーストで正しく区別して、「VCや管理会社にウケているけれど、本当に入居者はそれを求めているのか」時間をかけて検証すべきです。

土地勘や部屋の間取りが分かっている日本人が短期やマンスリーで入る時には有効ですが、日本で地の利が無い海外のユーザーは近隣や騒音、リアルの内覧を通じて生活や暮らし方についてもじっくり話を聞きたいという声が100%でした。また、Matterportは実際よりも綺麗かつ広く撮られてしまう為、実際とのギャップが大きく実物を見た際に期待値のギャップが生じてしまうというのも大きかったです。

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この他にも海外のユーザー向けに様々な暮らしをサポートするプロダクトを開発していますが、総じて言える事はプロダクト・アウトでは無くユーザーファーストで常にコンシェルジュの様に彼らの声に耳を傾けるサービスでありたいと私達は思っています。

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3.仮説・検証:需要と供給
(1)Cサイド:入居者

私達が海外へ留学や駐在で住む際もそうだと思うのですが、母国から離れた在留外国人の間ではクローズドなコミュニティが東京でも多数存在しています。そんな中、事業としてリファーラルネットワークの構築を作る事、高い満足度を提供すること、それによって顧客関係を維持して再度使ってもらえる仲介事業を作れるかを検証していました。

この部分に関しては、オーガニック100%の獲得コスト0で1年間で569名の入居意思決定者からの申込みを獲得する事が出来ました。
一般的な仲介会社と比較すると、全てオンラインで行っている事に加え、マーケティング費用0で成約まで結びつける事が出来るビジネスですが、最後の審査部分の入居拒否がボトルネックとなっており、この供給側の問題が解決出来るなら円柱型 > 円錐ファネル の力強いビジネスモデルとすることが出来ます。

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(2).Bサイド:オーナー、管理会社、保証会社

そのボトルネックを外す為に、供給サイドでは意思決定者順にアプローチを行う事で、以下に外国人受け入れ拒否の改善する為のアプローチを検証していました。

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この1年間、20社ほどの管理会社や保証会社様から事業上の協力要請や高単価の外国人顧客の紹介を行ってきましたが、まだまだ認知拡大の為に動く必要があります。

受け入れ改善を進めながら、開発でHackしながら自動化&効率化していける部分を増やしているのが現状です。

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4.最後に:

資金調達を行う事によって、事業の源泉であるヒトに投資し、プロダクトを作り、事業のボトルネックである供給サイドの改善を図りながらユーザーファーストでこれからも誰もが自由に暮らせる世界を日本から作っていきたいと思っています。

投資家や採用候補者のみならず、たくさんの方に愛され、応援される事業にしていきたいと思っていますのでこれからも応援宜しくお願いします。

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それではまた!
・紀野知成:HR, PR, IR, Corporate, Sales
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