今日本のスポーツスタートアップに投資するならどの領域にすべきか【前編】
こんにちは。W fund高田です。W fundはB2Cサービスへの投資に特化したベンチャーキャピタルです。中でもスポーツ・エンターテインメントには注力しており、自分はスポーツを特に得意領域としています。このnoteでは「今日本でスポーツスタートアップに投資するのであれば、どの領域にすべきなのか」という仮説を自分なりにまとめていこうと思います。
その前に、自分のこれまでのスポーツとの関わりを少し書かせてください。小学生から大学生まで、水泳、バスケ、アメフトなど様々なスポーツに取り組んできました。どの競技も得意だったことは一度もなく、スポーツができないというコンプレックスが自分を大学までスポーツを続けさせたのではないかと思っています。大学時代のアメフト部の監督との出会いは自分の人生に最も影響を与えました。「このような指導者を増やすことが良い社会を作ることに繋がる、そのためにはスポーツ業界がもっと稼げる産業になる必要がある」と考え、新卒の時は電通に入社しました。そこではラグビーワールドカップ2019に従事し、世界トップレベルの国際大会を第一線で体験することができました。その後スポーツ以外の部署も経験し、合計約5年在籍した後にW fundに入社しました。関わり方は変わりましたが、引き続きスポーツ業界に携われていることはとても幸せです。
1. 直近3年の特定海外VCの投資先カテゴリーから見るトレンド
以下のVCをスポーツ投資に積極的なVCとして、特定VCとした。選定の基準は以下の3点。それらの過去3年間のスポーツ系投資先カテゴリーを整理。(crunchbaseを参照)
現在大きく成長しているスポーツスタートアップに投資実績がある
スポーツアスリート・リーグが投資しているVCである
スポーツスタートアップ投資に注力していると発信している
特定海外VC
過去3年間で資金調達しているスタートアップの数をカテゴリーごとに整理すると以下のようになる。※複数回資金調達している場合でも1とカウント
こちらを参照すると
Fitness強し。Covid-19の影響もあり、DX・イエナカ・AIといくつかのトレンドとなるスタートアップが生まれている。
Betting/Fantasy Sportsは金額や数も多いが、地域や競技によってすみ分けが起こっている印象。
Data Analyticsはハードウェア系やスタッツデータ分析系が含まれるが、広い意味でのスポーツ×データを1カテゴリーとするなら、TrainingやAI CoachingもData Analyticsに該当し、最大勢力になる。
eSportsは関連スタートアップの数は多いが、この中では資金調達をしたチームが1つもないのが印象的。収益性の観点で乗り越えるべき困難があるという話は資金調達状況にも影響を与えているか。
Transfer(移籍)関連は巨大なマーケットにもかかわらず、スタートアップが1社もない。介入するのが難しい領域ではあると考えられるが、攻略できればリターンも大きいか。
2. 昨年のM&Aカテゴリーから見るトレンド
こちらは先ほどの特定海外VCは関係なく、昨年1年間のcrunchbaseを参照して海外のスポーツスタートアップのM&Aカテゴリーを整理。
こちらを参照すると
Fitnessは資金調達同様、数が多い。リアル店舗関連も多いのが資金調達との違い。
Play Sportsは子どもや青年向けのプログラムやリアル施設系の買収が多い。
eSportsはトーナメントプラットフォーム、ゲーム制作会社が多い。Savvy Gaming Groupの動きは要注目。サウジアラビアの政府系ファンドが100%株式を保有しているのでダイナミックな動きも出てきそう。
このnoteは前半パートになり、目次の1と2について記載しております。後半パートも近日中に公開いたしますので、興味を持っていただけた方はぜひ元ツイートのリツイートと高田のツイッターアカウントのフォローをお願いいたします!
3. 上記トレンドを日本に照らした場合
4. 日本のスポーツ業界ならではの変化
5. 投資仮説
6. 最後に
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