全ては言葉から始まる

どんなことでも、「言葉」という魔力によって、人は前進してきた。
「安定した食糧を得たい」と言葉にしなければ、きっと農耕は始まらなかっただろう。「他者よりも強い武器が欲しい」と口にしなければ、青銅製・鉄製の剣、はたまた飛び道具の銃など生まれなかっただろう。「みんなで守るべき掟を作ろう」と言わなければ、きっと今だに全ての人々が自分勝手に争ってばかりで、人の話などわからずに、殺し合うことしかしなかっただろう。
そう、人が持つこの言葉という力と共に、人は前に進んできたのである。
今まで生きてこれている多くの人が、きっと言葉を学び、言葉を身につけ、それを内面に浸透させてきたに違いない。
そうすることで、危ない状況でも他者の経験を元に判断することだってできるし、自分の頭で言葉を駆使し、試行錯誤することができるからだ。
言葉があることで、それを真に自分の身に染み込ませると、人は能を得る。一つの「コンセプト」である。「コンセプト」を一つ宿すことで、その人は、多くの具体的な事象において、それを一つにまとめた力を持つことと同じになるだろう。
細かいことを大きなことにまとめる。そのまとめ向かう先が、概念<コンセプト>なのだ。
言葉によって、支えられている人というのは、大変強い。どれだけ、身体を鍛えていても、言葉で精神を鍛えなければ、立派でまともな人間にはなれない。
言語化する力は、このコンセプト化する力が試されていると言っても過言ではない。


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