【第1話】タオに生きる-月の秘薬アヤワスカと太陽の妙薬サンペドロを辿る
タオは宇宙エネルギーを表現するシンボルです。
「タオ」という名の陰陽の原理をひもとく思想が欧米に広まり、やがて日本にも親しまれるようになりました。しかし、その本質を理解し、体感している人は少ないのかもしれません。
老子が残した詩編の中に、「タオを名前で呼ぶと、それはタオではなくなってしまう」という一節があるように、タオという宇宙のエネルギーは、言葉や理屈で理解できるものでは無さそうです。しかし、私達はこの名前(意味付け)を頼りに世界を経験し、生きています。そうしないといろいろ面倒なことが起こると信じているからです。
人を区別するために名前が必要で、物を価値判断するために価格が必要でした。そうやって、区別された世界でジャッジすることが当たり前の社会の中で、私達は右往左往することになりました。
善悪や勝ち負けが重要なトピックスだったからです。生き延びるために、何をしたらいいのか悩み、迷いが生まれました。
すべては、名前が生まれたからなのだと、タオという自然が教えてくれているようです。両極に捕らわれることなく、両極を否定することなく、すべてとして在ることを示しているのがタオの教えなのです。
そんな壮大で深淵なタオのワークを7月のワークショップのテーマにしようと決めたのは、南米への旅に出かけるほんの数日前のことでした。
「アヤワスカ」という名の幻の秘薬のことを知ったのは、3年前初めて久高に渡った時のことでした。アヤワスカ(ケチュア語: Ayahuasca、Ayawaska)とは、南米のアマゾン川流域に自生するつる科の植物ですが、この植物には心と身体、そしてスピリットの浄化が起す効能があることで、古くから治療やヒーリングに使われてきた歴史があるそうです。「闇のメディスン」と謳われるこの薬は、強烈な幻覚作用を伴い、その人が抱えるネガティビティにアクセスするパワーを持つと云われ、その力を求めて世界中から探求する人がペルーまでやってくるのだそうです。何故なら、合法的に体験できるのは南米でも、ペルーだけだからでしょう。
そのペルーの秘境・アマゾンの奥地でそのアヤワスカを体験するシャーマンの儀式があると知り、私はなぜか無性に行かなくてはならない衝動に駆られました。ドラッグや幻覚やビジョナリーアートにはあまり興味を持つことがなかった自分の反応が意外でした。南米には、いつか行ってみたいと思いながらも、この年まできっかけが見つからずにいた念願の場所だったからでしょうか? 元来、アウトドア派でもないし、不便さやサバイバルな旅など好まない自分が何故そんなに心を動かされたのか説明がつきません。直感で新しいステージに向かうために、必要な追加儀礼を体験する必要を感じていたのかもしれません。ただ、その話を聞いた時に、アマゾンにいる自分自身のビジョンが見えたような気がしたのです。
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2013年のアヤワスカとサンペドロのセッションの体験記です。