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【絵本づくり】お気に入りの絵本

季節は師走となり、時の流れの速さにただただ驚いています。空から白鳥たちの鳴き声が聞こえてくるようになりました。いかがお過ごしでしょうか?

前回の絵本づくりの記事が、たくさんの方に読んで頂けて大変驚きました。
絵本を愛する方、絵本づくりに興味がある、もしくはボローニャ国際絵本コンクールを目指している方が見てくださったのかな?
沢山のいいねをありがとうございます!

↓前回の記事

この他に頂いた絵本づくりのアドバイスは

・自分のオリジナリティを大切にすること。どこかで見た、上手な人を真似た絵ではみる人が見ればすぐわかる。特に、子どもの頃に読んだ絵本から離れてみること。

・今、どんな絵本が出版されて販売されているのかを知ることも大事。

ということで、今回、自分自身の絵本の概念を見直すために、どんな絵本が好きだったのか、図書館に通って洗い出してみたところ、興味深い点が見えてきました。

秋の散歩道


小さい頃の私は病弱だったため非常に臆病でして、感情を揺さぶられる物語は心が疲れるので避けていた節がありました。

その代わりに、知的好奇心を満たしてくれる絵本に夢中になり、また、丁寧な暮らしぶりを描いた絵本に安心感を感じていました。この2点が絵本を選ぶポイントでした。

かがくのともシリーズにワクワク感を感じていた記憶があり、だからこそ、絵本づくりで真っ先にイメージしてしまうのは、科学絵本に近いものなのかも知れません。逆を言えば、ここから抜け出すことが、今後必要になっていくのかも。

以下、敬称略にて失礼しますが、特に好きだった絵本をご紹介します。


●ビアトリクス・ポター 『ジェレミー・フィッシャーどんのおはなし』
ビアトリクス・ポターの美しい水彩画に夢中になり、フィッシャーどんの釣りの様子や、手作りのちょうちょサンドにドキドキした印象深い一冊。


●ユリ・シュルヴィッツ 『よあけ』
絵で感じる夜明けの静けさの演出に釘付け。繰り返されるページが怖いけど、なぜか読んでしまうという不思議な本。


●かこさとし 『地球』
地球という環境の中で暮らす生き物たちの大きさを知ることで、更に興味を持たせてくれるような学びの本。かこさとしさんの本から学んだことは宝物。


●松岡達英 『森のずかん』
今見ても惚れ惚れする、アウトドアやフィールドワークを具体的に教えてくれる本。キャンプに憧れ、行ってみたいと思うきっかけをくれた本。


●五十嵐豊子 『おみせ』
この絵本から受けた影響は大きく、その後の人生の選択を左右したかもしれない。文章のない絵本だからこそ、自由に物語を想像して楽しみました。


時を経て、娘と一緒に、再び絵本を楽しむ時間を持つことができました。自分のお気に入りの絵本を教えたり、娘のお気に入りの絵本を教えてもらったりで、絵本をみて、ふたりで話し合うのが好きでしたね。

『からすのぱんやさん』や、『はらぺこあおむし』、『きんぎょがにげた』などの昔からの名作を気に入っていましたし、ヨシタケシンスケさんや島田ゆかさん、工藤ノリコさんの本をよく読みました。特に猫好きの娘が夢中になったのは、ねこのオーランドシリーズで、古本屋で探し求めました。

●キャスリーン・ヘイル『ねこのオーランドー』
大きな絵本いっぱいに家族愛と理想的な暮らしがおしゃれなイラストで描かれていて、見てると楽しくなる。


そんな中、本の題名を忘れているのに、心に引っかかっていた絵本があったことに、気づきました。入院中に病院で読んでいた本だと思われます。

それは『どんくまさんのかわのたび』という、 絵は柿本幸造さん、作は蔵冨千鶴子さんの絵本です。
この本の美しい紅葉に、約40年ぶりに再会できました。


娘と読んでいた『どうぞのイス』では、どこか懐かしさを覚えたのですが、すっかり、どんくまさんシリーズの存在を忘れていました!その正体に気づいた時に、腑に落ちるような安心感を得るという。。すごい体験✨私にとって、忘れられない大切な一冊でした。

愛着を持って読んだ絵本は、時を経てもその特別な思いは変わらない。記憶の深いところにその感触は残っていて、自分らしさの一部になっていたようです。

蔵王の紅葉

久しぶりに絵本を開いた洗い出し作業は、記憶と心の整理になりました。
ここが好きなんだよ〜といった心の再確認の時間になりましたし、なるほど、このシーンの思想に影響されている〜という発見もありました。
そして、自分が今の時代に新しく描くとしたら、どんな表現かなという展望を持てた、意義のある時間となりました。


↓柿本幸造さんの展覧会が現在、広島県美術館で開かれています。
2024年1月14日まで。

お読みくださりありがとうございました✨

今後の制作に役立たせていただきます✨