【絵本づくり】どんな絵本を描きたいの?
先日、初めて絵本作家育成講座に参加してきました。講座が目標としている、Bologna Children's Book Fair(毎年イタリアボローニャで行われている世界最大の児童書の見本市)についての講演会とダブル開催でした。
講演会では、BCBFのイラストレーション・コンクールとはどのようなものなのか解説を聞きました。それは、出版・未出版を問わず応募ができる新人作家の登竜門なので、本にするために参加者は会場で出版社に積極的に売り込みに行くというお話でした。
コンクールのテーマは『多様性』であって、一位を選ぶような競争は避けて、多彩な表現、テーマ、技法の作品を、様々な国からバランスよく入選させるとのこと。
そして、考えるべきことは自分がどう生きていくかであって、絵本作家としてどんな作品を作っていくかを明確に意図すること。その重要性を知って、自分なりにあれこれと考えていました。
私は、生命のありのままの姿を描くのが好きなので、今回、応募する作品はアサギマダラの渡りを描いた科学絵本に近い、ノンフィクション作品を目指そうと思っています。
しかし、ノンフィクションを描く上で困ったことは、アサギマダラが上空を渡っていく姿を、実際にみたことがないのです。(そして、その様子がわかる資料も未だ見つかっていないということ。)
飛来地での様子はよく拝見していますが、どういう経路で、どんな高さで風を捕まえれば、2000キロの移動ができるのだろうか?と、謎は深まるばかりです。謎が多いからこそ、この蝶の渡りに夢中になっていますが、見えてきたキーワードは、『風』、『環境(温度)』、『香り』ではないかと推測しています。
2025年のコンクールに向けて今はもっぱら、アサギマダラの生態の情報を求めていて、撮影に出向いたり、本を読んだり、SNSや動画をみては知識を増やすのに時間をかけています。応募するイラストは五枚一組なので、幼虫を描くことはないかもしれませんが、アサギマダラのことをもっと知りたくて、スケッチしています。
アサギマダラという美しい生命を、子どもたちやより多くの方々に知ってもらいたいですし、できることならば、この蝶の長い旅路を温かく見守ってほしいと願っています。
そして、アナログで描く質感が分かるイラストで、美しさや心地よさなどの前向きな思いや、心が動く思いを感じてもらえるように。アサギマダラの美しさをシンプルにお伝えできるように、日々表現を追求中です。
小さな生命が、人間の想像を遥かに超えた渡りの旅をすること。そのテーマをいかに表現するのかを考えている時間は、なんとも充実した時の過ごし方のように思えていますが、とにかく、頑張ります✨
お読みくださりありがとうございました✨