「星の王子さま」の星を読む(4)〜王子さま地球へ
星が光っているのは、いつかそれぞれ自分の星を見つけるため
人が星読みをする真理のような王子さまの台詞にたどり着く前に、ちょっと星からずれてしまうけど、気になるフレーズがあったので寄り道したい。だいたい、今までの星たちには人ひとり分くらいのスペースしかなかったから、スケールが変わりすぎてしまう。
人間は地球のほんの一部を占めているにすぎない。地球に住む20億人は、何か集会を開くときのように集めたとしても、ちょっと窮屈をがまんすれば縦横20マイルの広場にすっぽり納まってしまう。
推定によると世界の人口は1900年がおよそ16億人、1950年が25億で、今は70億。たった70年で3倍近くとは、想像を超える増え方だ。戦死者数は、第一次世界大戦が852万人超、第二次が6500万人超。その数も恐ろしいけれど、戦争の映画などを見ると、どれだけの自然を破壊してるのかとザワザワする。
ぎゅっと集まれば南北70マイル(?数学は苦手)で納まる人口が、どれだけ地球を侵食してるのか。実際には1人あたりのスペースも平等でなく、経済の不平等で、空き家はあるのに、家がない人もいる...
日本の地方は少子化だの高齢化だの言ってるけど、いろんな不平等をうまくならしたら、人手はどうにかなるんではと思ってしまう。
田舎はどこも人が足りないと喘いでいるけど、結局はお金の問題で人足を増やすにも限界がある。それならば下手に人を増やすよりも、1人あたりの能力を上げれたらどれほど効率がいいか...と思うのだけど、なかなか簡単ではない。どうしたって、仕事できない人や働きすぎな人、給料と査定のアンバランスは解消できない。
でもあなたはそんなことに時間をかけなくてもいい。それは無駄なこと。あなたはただぼくの言うことを信用してくれればいい。
と、サンテクスは続ける。彼と、王子さまがいるところは砂漠の真ん中。人付き合いを嫌がるどころか助けを求めたって、誰もいやしない。
だけど、ちょっとまた現代に話を戻してしまうと、エジプトの人口は国別で世界3位にまで膨れ上がり、今後2100年までの予測で言うと、アフリカの人口が爆発的に増えるそうだ。
ちょっと前に火星移住計画のシミュレーションを砂漠でやっているのをテレビで見たけれど、だったら砂漠に人が住めるような計画を進めた方が現実的で、多くの人のためになるのではと思ったんだけど、どうなんでしょう?「金持ちケンカせず」というけれど、火星に行く余分なお金があるのなら、砂漠化してしまった地球の緑を取り戻すことのほうが、よほど美しい循環になるのではないだろうか。
遠くに瞬いている星を美しいと思うように、自然の美しさを愛でることだってできるだろう。それでも人間は、一人では到底持ちきれない土地をめぐって争いを起こしたり、一輪のバラとのちょっとした仲違いで美しい大地から離れてしまったりもする、悲しい生きものなのです。
地球に降り立った王子さまが最初に出会ったのは、人ではなく月のような金色をしたヘビ。砂漠の淋しさから人間はどこにいるのと質問する王子さまに、「人間たちの間にいたって淋しいさ」、そしていつか、自分の星への思いがあんまり募ったら助けてあげると、<謎みたいに話>す。読者はきっと直感的に、このヘビが<死>をもたらすものと捉えるだろう。王子さまも何かに気づいて、それ以上何も言いませんでした。
星読みって、死や寿命は読めるんだろうかとふと思いましたが、私はそれを予測したいとは思いません。未来とかある程度大きな流れが見えたとしても、ホロスコープはいのちを生きるための地図であって、死に向かうそれではないと思うから。
だけど一方で、友人がこの世を去った日のホロスコープを読んでみたら、太陽と魚座の海王星がコンジャンクションしていて、あぁ魂が宇宙に帰ったんだと、とても安心できたことも印象深く。
星々は、自分の星を見つけるための、現在地を知るコンパス。
私はまだ自分の星を探す地図を描いている途中です。
(つづく)