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エンデ沼

獅子座イングレスから気になり出した『モモ』。

読み終えてすぐにでも行きたかったけど、水星逆行もあってタイミングがズレ込み、昨日やっと黒姫童話館に足を運びました。

ついでにこちらも。

地層をイメージしたのであろう縞々の壁に萌え
ほんものの地層
このアングルお気に入り
「月と星」と呼ばれる化石たち

私ここ、小さい頃に行ったような気がしてたんだけど、どうやら記憶違いだった模様。
もはや調べる術はないのかもしれないけど、この「月と星」がどこかに出張して展示されてたのかな?
もっと大きな博物館で化石展とかやってたのかな?
すごい立派な展示室だったと思うんだけど…

気を取り直せないまま、3階の展示室にいくと、野尻湖で保護されたという外来種のアカミミガメがひしめく水草が。

あれ?何か違う子が乗ってる。
つぶらな瞳でかわいい。
なんていう種類のカメなのだろうか?

黒姫童話館にも『モモ』のカシオペイアにちなんでたくさんのカメがいるんだけど、まさかこんなところでもお目にかかるとは。

意外と早く見終わってしまったナウマンゾウ博物館をあとに、向かった黒姫高原はすごい霧だった。

館内の資料は撮影禁止のためメモをとりつつ、
なかなか波瀾万丈だったエンデの生涯とホロスコープを照らし合わせてみたくなる。

どなたかのブログに出生時間も載ってた

たしか蠍座だったよなと思いながら、幼少期のエピソードの蠍みにさすがだなと思う。

父母のあいだでいさかいが絶えず、幼いエンデが懸命にとりなして、どうにか日々を過ごす。(中略)子どもである自分が「いい子」でなければ、両親がはなればなれになってしまう、と思いつめていた。

黒姫童話館の年表より

古典では凶星とされる太陽と火星が、オーブはあるけど蠍座でコンジャンクション、さらに蟹座と魚座に水っぽい天体が入ってグランドトライン…
蟹に蠍、家族を守り受け継ぐのが使命?
父はある時家を出て行ってしまい、晩年まで母とともにいたのはミヒャエルだ。愛人と暮らしていた父の最期と遺産相続の面倒を見たのも彼である。前後するが、父の遺産が愛人だけでなく母に渡るように奔走したエピソードもある。
8ハウスの土星というのも、形式だけであっても家族のかたちをどうにか保っていくことが、テーマだったのかもと言える。

一方で、シュルレアリスムの画家だったという父の才を受け継ぎ、表現方法は違えど芸術の道を目指す。
第二次大戦を経て、通貨の改訂により給付されたお金を中古のギターにつぎ込み、学生時代は演劇の道を目指していた。

「演劇」というと獅子座の象意だけど天体はない。
ICがあるけど、出生時間が正確ならばそうなのかも。
ちなみに傾倒していたというブレヒトは太陽水瓶座だ。
私は太陽獅子座ではあるけれど、演劇というものには全然興味がない。
なぜか小学生の頃にビデオドラマをつくるというのに巻き込まれたけど、むしろ恥ずかしさからか苦手意識が強くなった…それを克服することもテーマ??まぁいいや。

ところで、ブレヒトのホロスコープには水と地の要素がほとんどない、ばかりか、風のグラトラ崩れを持っている。

演劇はよくわからない私でもその名前を知ってるくらいで、「演劇理論」で有名なブレヒトがいかに先鋭的だったか、ホロスコープを見るとなるほどと頷ける。
『暦物語』なる短編集もあるようで、ちょっと気になる。
おっと、脱線脱線。
風の時代のさらに先を行く「水」のグラトラを持つエンデにはさらなる先見の明があったと言えるけど、何せ先すぎて大衆には理解されなかった。
エンデの戯曲は一部のマニアックな学生たちによるアングラ公演で取り上げられるにとどまる。

家族のいざこざに振り回されつつも、エンデの生きる道は「書く」ことにかかっていた。
チャートルーラー水星/蠍座はノーアスペクトだけど、
ディスポジターを追っていくと、
冥王星/蟹座→魚座/海王星→乙女座/水星とループしてる。
2歳から親宛の手紙を書いていたというのだから驚きだけど、その才能を両親の仲をとりなすためではなく、次世代の子どもや若者たちに繋げるために使っていく時に花開いたのだ。

ネイタルに重ねた進行図/ソーラーアーク/トランジットでも、彼のスタイルがようやく確立したような暗示。
ネイタルは木星ー土星が双子座ー射手座でオポジションになっているのだけど、1972年『モモ』が完成した年には土星が双子座で木星とコンジャンクション、ちょっとフライングされたけど木星は土星を追い越して山羊座に入っている。
プログレスの太陽も土星を追い越して、社会での方向性が決まった感じが強い。

ソーラーアークの冥王星が、ネイタルの海王星に合。
演劇という方向性を諦めるのは、けっこう辛かったのかもしれないけど。

ところで、なんで黒姫童話館に充実したエンデの資料があるのか謎だったのだけど、それはエンデの妻が日本人の翻訳家だったとつい最近知って驚いた。
有名な作家ではあるけど、全部を読んでた訳ではないし、子どもの頃に読んだファンタジーの作家にそんな現実的なエピソードは求めない…
でも、いい加減もういい大人なので、そういったリアリティがあってこそ、書くものにも厚みが出てくるということがわかってきた。
エンデが『モモ』を書き上げたのは43歳、いまの私の年齢だ。
「いい大人」なんて言ってみたけど年齢を重ねただけで、物語を書けるほどの経験値も技術も私にはない。

比べて落ち込んでみたところでどうにもならないけど、
ホロスコープの比較は何かヒントになるのかな?
・度数は違うけど牡牛座キロンは共通項
・エンデの牡羊座天王星のディスポジター火星は、
 私のネイタル天王星と1度差
・エンデのバーテックス/金星は
 私のASCコンジャンクション
・ICとMCのサインが逆転…
軸だけ見ても目指す方向が真逆なのかもしれない、少なくとも家族のしがらみから私はとっくに自由なはずなのだ。

だけど今この時にエンデから何かメッセージを受け取ってるのだとしたら?

ヒントはカメにある。
エンデはカメが好きだったとかで、
カメの置き物コレクションも展示されてる。

だいたい「獅子座」の反対の「水瓶座」の中に「カメ」という言葉が入ってるのも不思議なものだ。
「風の時代」には変化がどんどん速くなっているからと煽られる一方だけど、ほんとうにそうなのかな?
焦って動いていいことのほうがますます少なくなってる気もする。
『モモ』に出てくるカメも少し先、正確には30分先の未来を見通すことができる。
わかっていたらさっさと終わらせたいこともあるけれど、急ぐことで失敗してしまうような場合もあるのかもしれない。
「さかさま小路」では、ゆっくり歩くことで速く進むことができるから、走って追いかけてくる灰色の男たちは、モモとカシオペイアに決して追いつけないのだ。

ところで名前は「カシオペイア」だけど、カシオペア座の由来って何だっけ?

カッシオペイアは「自分は海のニュムペーネーレーイスよりも美しい」と自惚れた。ポセイドーンの妻でネーレーイスのアムピトリーテーとその姉妹たちは、カッシオペイアの自惚れを罰するようポセイドーンに訴え出た。彼女らの訴えを聞き入れたポセイドーンは、エチオピアに海の怪物ケートスを遣わし、災害を引き起こさせた[7]。困り果てたエチオピア王ケーペウスが神託を立てたところ、「災害を止めるにはアンドロメダーを生贄としてケートスに捧げなければならない」という神託が下った。ケーペウスは神託に従ってアンドロメダーを生贄に出したが、たまたま通りがかった勇者ペルセウスによってケートスは倒され、アンドロメダーは救い出された[7]。その後、ペルセウスとアンドロメダー、ケーペウス、カッシオペイアは天に上げられ星座とされたが、玉座に座った姿で天に上げられたカッシオペイアは、彼女の不敬ゆえに頭を下にして天を回転させられている、とされる

Wikipedia より

そんな話だったのか…確かに北天にあるカシオペア座は沈まないけど、「頭を下にして回転」だなんて酷い…
けど、タロットの「吊るされた男」をイメージしたら、何かもっと違う感じがしてくる。
なんでも逆さまに考えてみたら、という意味なのかもしれない。
アンドロメダだって、一説によれば、この事件がなかったら、父王の弟に嫁がなきゃいけなかったのだけど、若くてイケメン(なのか?)のペルセウスに助けてもらったばかりか結婚できてよかったんじゃないか。
王妃カシオペアがそこまで予見しての行動だったとは思えないけど、カメのカシオペイアは少し先の未来が見える。
それでもぶっちゃけ、
「サキノコトハ ワカリマス
 アトノコトハ カンガエマセン!」

時間を司るマイスター・ホラですら、先に起こる出来事はわからない。
ましてカシオペイアにだって、わかったところで変えられない運命は変えられないっていうこと。

カメのみぞ知る…

だったら、占いや予言やニュースやらあれこれ不安を煽るような事柄に目を向けたり耳を貸す時間を減らして、自分のペースでじっくり歩む時間を確保するほうがいい。
そんなわけでまた、物語の世界に入り込んで行こうとしている。
そもそもの発端はドイツ人作家カイ・マイヤーの『鏡のなかの迷宮』だったのだ。

言わずもがなエンデの『鏡の中の鏡』を連想させる。
読んでなかったんだけど。
『はてしない物語』も、映画のイメージしかない。
なのでもう読むしかない。
いろいろやり尽くしてようやく自分の方法というのが見つけ出せるんだろうけれど、あとのことなんてわからないからとりあえず、見える範囲に手を伸ばせ。

そうしてまた沼にハマるんだけど。

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