【妹系・添い寝】わけあり幽霊カノジョ~甘口編~ ─シチュエーションボイス台本
主にVtuber/Youtuber/声優さん向けに制作した、アトリエPPシナリオ事業部制作の無料台本です。利用規約をご一読の上、お気軽にご利用ください。
あらすじ
最近、引っ越しをしたあなた。ところが、新居であるその部屋に住んでいたのは、あなただけではなかったのです……。儚げで甘えん坊の幽霊ちゃんとあなたの、ちょっぴり切なくてあまあまな一夜。
登場人物
幽霊ちゃん(演者)…色白で儚げ、無邪気な女の子。自分が幽霊であることは自覚しているが、なぜ幽霊になってしまったのか、死因などは覚えていない。寂しがりのあまえんぼで、お兄さんのことが大好き。
お兄さん(聞き手)…家と職場を往復するだけの忙しい日々を送っている男性。かなりお疲れ気味。幽霊ちゃんとはなにか通じ合うものがある。
注意事項
幽霊ちゃん→聞き手の呼称は「あなた」で統一していますが、演者様のほうで独自のものに変更いただいて構いません。
幽霊ちゃんの語尾も、演者さんのキャラ付けなどがあればアレンジいただいてOKです
囁き推奨のセリフにはそのように記載してありますが、演者様のほうで適宜囁き箇所を作っていただいても問題ありません
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本文
◯部屋(夜)
幽霊ちゃん「(有声囁き)くすくすっ……ほらほら……そんなに寝返りうったら、お布団はだけちゃいますよー……?」
幽霊ちゃん「ふふっ……(お兄さんをなでながら)よしよし……いい子いい子……」
幽霊ちゃん「(しまった、というふうに)あっ……起きちゃった。どど、どうしよう……私のこと、見てる……よね……?」
幽霊ちゃん「えっと、びっくりさせちゃって、ごめんなさい。あっ、身体が無理に動かさないほうがいいよ……金縛りにあったときには、無理に動かさないほうがいいんだって」
幽霊ちゃん「それに大丈夫。(だんだん悲しげに)私がいなくなれば、金縛りもとけると思うから……だから、あともうちょっとだけ、こうしててもいーい……?」
幽霊ちゃん「(切なげに)はぁ……。やっぱり……生きてる人ってあったかいね……」
幽霊ちゃん「(有声囁き)気づいてた? 私、あなたが私のおうちに引っ越してきてから毎晩こうしてたんだよ。あなたが寝静まったのを見計らって、あなたのお布団に潜り込んでね……」
幽霊ちゃん「(有声囁き)最初は、寒いのが嫌でそうしてたんだけど……ふふっ、だんだんあなたの寝顔が、かわいく見えてきちゃって。こんなふうに、頭をなでたり……お布団をかけなおしてあげるようになったの」
幽霊ちゃん「(悲しげに)でも……」
幽霊ちゃん「(悲しみを隠すように)あーあ。ついにバレちゃった。あなたを怖がらせたくなかったのに」
幽霊ちゃん「私なんかに気づかないで、ぐっすり眠ってるあなたを見るのが大好きだった。見てるだけでよかったの。話してみたいなんて夢にも思わなかった」
幽霊ちゃん「……だって、私みたいなのがこのおうちにいるって知ったら、あなたは夜安心して眠れなくなっちゃうでしょ……?」
幽霊ちゃん「(起き上がりながら)んしょっ、と」
幽霊ちゃん「ごめんね。私、もうあなたの前には現れないようにする。……って言っても、私はこの家に縛られてるから、どこにも行けないんだけど……せめて、あなたの視界には入らないようにするから」
幽霊ちゃん「(気丈に振る舞って)大丈夫! かくれんぼには慣れてるんだ」
幽霊ちゃん「え……?」
幽霊ちゃん「身体……動かせるの? それに声も……」
幽霊ちゃん「……本当に? 私、ここにいていいの? 私のこと、怖くないの……!?」
幽霊ちゃん「ひゃあっ」
幽霊ちゃん「ふふ、ふふふっ! ……くすぐったぁい……」
幽霊ちゃん「誰かに頭をなでてもらうの……初めて……。ねぇ、もっとなでなでして?」
幽霊ちゃん「ふふっ……(だんだん弱々しく、涙声)ふふ……」
幽霊ちゃん「っ……、ぐすっ、ふえぇ……」
幽霊ちゃん「……っ、ごめんね。いっぱい泣いちゃったね……私を撫でてくれる手があったかくて、安心しちゃったみたい……」
幽霊ちゃん「はぁ……(吐息)。私、今が一番幸せかも……」
幽霊ちゃん「幽霊になる前のことは、あんまり覚えてないんだ。でも、そのときからずっと、こんな気持ちになれる日を夢見てたような気がする。誰かに優しくされたい……頭をなでて、よしよしって、がんばったねって、言ってもらいたい、って……」
幽霊ちゃん「(心から喜んで)嬉しい……」
幽霊ちゃん「そっか……私はきっと、あなたにこうしてもらうために、幽霊になったんだ……」
幽霊ちゃん「ありがと……もう、大丈夫だよ」
幽霊ちゃん「えへへ……ほんとは、ずっとずっとこうしててほしい気もするけど……あなたはもう寝なくちゃ。明日も朝、早いんだから」
幽霊ちゃん「ふふっ……知ってるよ。あなたがいつもお仕事がんばってるってこと。毎晩すっごく疲れて、大きなため息をつきながらお布団に入ってくることも。今日もそうだったでしょ?」
幽霊ちゃん「毎日毎日、お仕事大変そうだから……。だからせめて、夜くらいはゆっくり眠ってほしいの」
幽霊ちゃん「(有声囁き)さぁ、ねんねしましょうねー……。いっぱいなでてもらったぶん、今度は私が、あなたを甘やかしてあげる。ふふっ……」
幽霊ちゃん「わぁ……金縛り、すっかりとけてる。身体もぜんぜんこわばってない……」
幽霊ちゃん「(不安げに)どう? 私の手って、冷たいと思うけど……この手であなたを撫で続けていても、眠れそう……?」
幽霊ちゃん「そっか。あなたの身体、あったかすぎるくらいだもんね。冷たい手でも、いいことってあるんだ。知らなかったぁ……」
幽霊ちゃん「(いたずらっぽく)……それじゃあ……」
幽霊ちゃん「(抱きつきながら)えいっ!」
幽霊ちゃん「えへへ……ぎゅ~~……」
幽霊ちゃん「ん? なあに? いまさら照れてるの~? ……さっきは私のことお布団の中に引っ張りこんだくせに。うふふっ……」
幽霊ちゃん「こうやって、ぎゅ~って、しててもいいよね。だってあなた、本当にあったかいんだもん……」
幽霊ちゃん「んぅ? なでなでもしてほしいの? もう、あまえんぼさんだなぁ」
幽霊ちゃん「(有声囁き)よしよし。いいこいいこ……毎日がんばって、えらいね……」
幽霊ちゃん「今は、明日のことは考えないで……。私の手を感じて。静かな夜の音に耳をすませて……」
幽霊ちゃん「(子守唄、鼻歌をアドリブで)」
幽霊ちゃん「寝ちゃった……かな」
幽霊ちゃん「ふふっ……。寝顔、かわいいなぁ……」
幽霊ちゃん、おにいさんの耳に唇を近づけ、
幽霊ちゃん「(有声囁き)今夜はありがとう。朝になったら、私の姿は見えなくなってしまうけど……それまでの間、ずぅっとあなたのそばにいて……いいこいいこって、し続けてあげるからね……」
幽霊ちゃん「(無声囁き)お疲れ様……。おやすみなさい……」
【了】