【ヤンデレ・添い寝】わけあり幽霊カノジョ～辛口編～　─シチュエーションボイス台本

主にVtuber/Youtuber/声優さん向けに制作した、アトリエPPシナリオ事業部制作の無料台本です。利用規約をご一読の上、お気軽にご利用ください。

あらすじ

最近、引っ越しをしたあなた（聞き手）。しかし、この家に住んでいたのは、あなただけではなかったのです……。二つの意味であなたをドキドキさせてくれる、ちょっぴり困ったお姉さん（演者）との添い寝の時間。

登場人物

• 幽霊さん(演者)…カレ(聞き手)の家にいる幽霊。王子様に憧れ続けた人生だったが、理想の人とは巡り会えないまま、不慮の事故で死亡した。死んでからも王子様を求めており、この家にやってきたあなたに一目惚れ。王子様に振り向いてもらうため、あの手この手でアプローチしてくる。平たく言えば、ヤンデレさん。

• カレ(聞き手)…最近この家に引っ越してきた新しい家主。幽霊さんの存在に振り回されている。

注意事項

• 幽霊さん→聞き手の呼称は「アナタ」で統一していますが、演者様のほうで独自のものに変更いただいて構いません。

• 幽霊さんの語尾も、演者さんのキャラ付けなどがあればアレンジいただいてOKです

• 囁き推奨のセリフにはそのように記載してありますが、演者様のほうで適宜囁き箇所を作っていただいても問題ありません

• その他、台本のご利用にあたっては利用規約をご覧ください

本文

◯カレの部屋（夜）

幽霊さん「（囁き）ねぇ……ねぇ……起きて……？」

優しく熱っぽい声で目を覚ますカレ。
すぐ眼の前に幽霊さんの紅潮した顔がある。驚くが、体が動かない。
恍惚とした笑みを浮かべる幽霊さん。

幽霊さん「うふふ……！　あぁ……見てる……アナタが私のこと、見てる……！」

動けないカレの頬をなでながら。

幽霊さん「こんばんは、アナタ……。やっと、やっと私を見てくれたのね……。嬉しい……」

その手はカレの身体をなぞり始める。

幽霊さん「（囁き）ああ……こんなに身体をカタくして……。私が目の前にいるから、こんなになっているのね……？」

幽霊さん「かわいそうに……。でも、少しだけ我慢してね？　ずっとずっと、アナタに見てもらえなかった私の苦しみに比べたら、一夜の金縛りくらい安いでしょう……？フフッ……」

幽霊さん「毎日毎日、アナタの耳元で囁き続けた……『ねぇ』『ねぇ』って……」

幽霊さん「帰ってきたときは、必ず『おかえり』って言ってあげた……眠るときは『おやすみ』って……」

幽霊さん「（わずかな怒り）……それでもアナタは、私なんか見えてないフリをし続けた」

幽霊さん「この間はごめんね、お風呂のドア、ドンドン叩いちゃって。アナタに無視され続けるのが辛くて、悲しくなって、私……。あれはもうしない……アナタがあんなに怯えてしまうなんて、思わなかったの……」

幽霊さん「あの後、アナタがこの家から出て行ってしまうんじゃないかって、とても不安になったの……。私は、この家に縛られてる……アナタが出て行ってしまったら、何もかもおしまいになってしまうって……」

幽霊さん「アナタは、私が生きてるうちに見つけられなかった、白馬の王子様……。アナタがいなくなってしまったら、私……私は……」

幽霊さん「（囁き、怖く）すべてを呪って、怨霊に成り果ててしまうもの……」

幽霊さん「ねぇ、ずっとこの家にいて？　ずっとずっと、私と一緒に暮らしましょう？」

幽霊さん「毎日毎晩、あなたに愛を囁いてあげる……。一人は寂しいでしょう……？　人肌が恋しくて、たまらなくならない……？」

幽霊さん「私がそばにいてあげる……。生身の体のぬくもりは、もう忘れてしまったけど……。ほら……」

幽霊さん「私の胸……冷たくても……とてもすべすべして、気持ちが良いでしょう……？」

未だに怯えた表情のカレ。

幽霊さん「（恍惚）ああ……。その青ざめた表情も、すっごく、好き……」

カレにすり寄る幽霊さん。

幽霊さん「（囁き）好き……好き、大好き……。もっと私を見て……？　アナタの瞳に映る私の姿をもっと見せて……？　私に怯えて、私に釘付けになって、私のことだけ考えて、私を……」

幽霊さん「（だんだん気弱になって）私……を…………」

カレの身体のぬくもりを感じ取った幽霊さんの目から涙が溢れる。

幽霊さん「ッ……。私……どうして、泣いて……」

幽霊さん「アナタの、身体……あったかいの……。あったかくて、涙が出るの……」

幽霊さん「なにこれ……止まらない……涙が、止まらない……。こんなぬくもり、私、知らない……感じたことない……！」

幽霊さん「私はずっと冷たい身体で……冷たい、この部屋でひとりきり……長い間、誰にも気づかれずに、部屋の隅で……ずっと……ずっと……ずっと……」

以下、幽霊さんの子供のような、弱々しい泣き声（アドリブで）を挟みながら

幽霊さん「誰かに気づいてほしかった……。ひとりじゃないって言ってほしかった……。私を包み込んでくれる優しさがほしかった……！」

幽霊さん「それが……今、私の目の前にある……」

ひとしきり泣いた後……幽霊さんの様子が変わる。

幽霊さん「（泣き笑い）……フフッ……うふふふ……！」

幽霊さん「（哄笑）アハハハハハハハハ！！！！」

狂気笑い。（↑のセリフ以上長くしてもOKです。おまかせします）

幽霊さん「（うっとりして）すてき……。これが、生きてる人のぬくもり……！」

幽霊さん「生きてるうちは手に入れられなかった、王子様のぬくもり！　私を現世に留まらせる未練……やっと、やっと手に入れたのね！」

カレのすぐそばに寝そべる幽霊さん。

幽霊さん「（甘えた声で囁き）ねぇ……もっとあたためて……。アナタのぬくもりを感じさせて……」

幽霊さん「（囁き）そのままじっとしてて……」

距離を詰める幽霊さんに、「これさえ終われば成仏していなくなるかもしれない」などと考えるカレ。
しかし……幽霊さんにその考えは筒抜け。

幽霊さん「（冷めた声で）今、こう思った？『これさえ終われば、こいつは成仏してくれるかも』って」

幽霊さん「ねぇ……どうしてそんなに冷たい考えができるの……？　アナタの身体はこんなにあたたかいのに……。よくそんな考えができるよね……？」

幽霊さん「そうやって私のこと、ずっと無視し続けて……。今度はようやく願いがかなった私に対して成仏してくれるかもって……」

幽霊さん「ねぇ、どうして？　どうしてそんなに私のことをないがしろにするの？　ねぇ、ねぇ、ねぇ……」

幽霊さん「そんな気持ちで“した”って私は満足できない……。成仏なんかできるわけないでしょ……？」

幽霊さん「（笑みを浮かべ）あぁ……そっか。そういうことか……。フフッ、フフフ！」

幽霊さん「私を成仏させたくなくて、敢えてそんなことを考えていたんでしょう？　私に考えを読まれることも、全部見越して……フフ、アハハハ……！」

幽霊さん「（恍惚）かわいい人……。安心して……私は簡単に満足なんてしない……アナタとこの部屋でしたいことが、まだまだたくさんあるの……！」

カレに抱きついて眠ろうとする幽霊さん。

幽霊さん「（甘えた声で）ねぇ……腕枕して……？　私の身体を抱き寄せて……一緒に眠りましょう……？」

幽霊さん「（囁き）さぁ、目を閉じて……。眠れないなら、ずっとずっと耳元でささやき続けてあげるから……。アナタの名前を。私の愛する王子様の名前を……」

幽霊さん「（囁き）あぁ好き……大好き……。これからもずっとずーっと、永遠に一緒よ……」

幽霊さん「（囁き）いつかアナタが死んで、こっち側に来た後も……ね？」

【了】