見出し画像

RETROMANIA

RETROMANIAとは

RETROMANIA(レトロマニア)とは、Atelier NinonのコレクションとSugar & Son(シュガーアンドソン)のコレクションが毎年コラボレーションをして開催している、ヴィンテージドレスのイベントです。

70年代のロンドンのプリント物を中心としたヴィンテージドレスを集めてご紹介しており、希少なコレクションが一同に揃うイベントは、ロンドン在住のヴィンテージディーラー 『Sugar & Son』の菅原園枝さんとのコラボレーションにより実現しました。

70年代は、若者が古着を懐古ファッションとして楽しみだした時代でもあります。

「ヴィクトリアン・リバイバル」と呼ばれる、ヴィクトリア時代風のレースをあしらった花鳥モチーフのロマンチックなマキシドレスも、ヒッピー、ボヘミアンなスタイルと共に流行。

それらはオジークラーク、BIBA、ローラアシュレイなどロンドンのデザイナードレスにも多く反映され、当時のセレブリティの着こなしによって、世界中にグラマラスに紹介されました。

今回は、『Sugar & Son』の菅原園枝さんにちょっとしたインタビューにお答えいただき、『Sugar & Son』について教えて頂きます。


Sugar & Sonというブランドを始めた経緯&ヴィンテージとの出会い

20年前にイギリスに住み始めた頃から、身近にあるアンティークマーケットやチャリティショップををうろついていました。

その中で、自然と生活にヴィンテージの服や生活用品をとりいれる生活に馴染んでいました。

友人が東京で骨董屋さんをしていまして、定期的にロンドンに買い付けに来ていたので、彼女が来るたびにマーケットを一緒に回っていました。
その時、この仕事向いているのでは?とおすすめされ、13年前に永住権がとれたタイミングでロンドンでの会社勤めを辞め、ヴィンテージのバイヤーをはじめてみました。
その直後に大きなフェアへの出店に誘ってもらい、Sugar & Sonの屋号も在庫も準備期間もない、ほとんどゼロの状態から、その場でお会いしたお客さまの要望に応えるような形でスタートしました。
本当は、時間をかけて買い付けしてストックをためて、ゆっくり修行してプランを練ってから…と考えていたのですが、結果的にそれらをすべて飛ばした形になりました。

ロンドンを好きな理由

古いものと新しいものが自然に共存しているところです。建物も古いものをなおしながら住み続けますし、家具にしても服にしても、古いものを捨てるという選択肢を最初に選ぶ人は少ないです。
なおして使う、次の世代に引き継ぐ、チャリティに寄付するなど様々な循環方法を、ストレスなく自然に行える環境が整っているように思います。

また、私も含め、様々な人種、宗教、国籍、思想の人が混ざり合っているため、どんな人でも受け入れてくれる懐の深さを感じ、居心地がよいのかな、とおもいます。

菅原様、ありがとうございました。

ここからは、1970年代のイギリス文化を代表するオジークラーク・セリアバートウェルのご紹介をしていきます。

Ossie Clark

画像1

自身の名を冠したブランド、「オジー クラーク」を創業。
オジーの妻は、キャシャレルのプリントを手がけるなどテキスタイルデザイナーとして有名なセリア・バートウェル。
セリアはオージー・クラークのプリントを手がけていました。

BIBAと並んで、ヴィクトリア調やアール・デコがミックスされたボヘミアンな雰囲気のファッション。
マネキンではなく、人間が袖を通すことで初めて本当の魅力が出る、動いた時の美しさまで考えられたカッティングをしています。

画像5

それまでの、貴族や軍人のファッションが庶民に下りてきて流行になるという構図ではなく、自ら発掘したデザインやカッティングで前例の無い独特のファッションを作り出しました。

そんな自由な精神の詰まったファッションは、イギリスのロッカーやヨーロッパの俳優達の間で大絶賛され、こうして新しい文化が花開いていったことを「スウィンギング・ロンドン」と呼ぶようになりました。

画像7

特徴としては、どこまでも自由ということ。

レディースの服をメンズに変えたり、スーツをカジュアルにしたり、服地以外のテキスタイルをすべてファッションに取り入れてしまうような自由さがありつつも、着た人が一気にエレガントになる洋服は、大人気になりました。

画像2

その後オジーはセレブファッションのレディース部門で活躍し、ジェーン・バーキンやビアンカ・ジャガー、マリアンヌ・フェイスフル、ツィッギーなど当時のイットガールを魅了しました。
女性ファッション部門の方が市場が大きく、大きな金額が動くということもあったのかもしれません。

画像6

メンズ部門では、ビートルズやローリング・ストーンズなどの超一流ロッカーに衣装を提供していました。

オジーのカッティングデザインは小柄で華奢なイギリス人のシルエットをスケールアップさせたことも人気の要因と言われています。

画像3

具体的には、ミック・ジャガーやキース・リチャーズ、ブライアン・ジョーンズ※、ジョージ・ハリスン、ジミ・ヘンドリックスと、彼らの恋人や奥様まで。

その人気はやがてアメリカへ渡り、ヒッピー文化と融合して世界規模でのファッションにおける自由な時代をもたらしました。

画像8

※ミック・ジャガー(ストーンズのボーカル)
 ブライアンジョーンズ(ストーンズ元ギター)
 キース・リチャーズ(ストーンズの新ギター)

ファッションの巨匠であるイブ・サンローランにも、オジーとセリアの作品が最大の教科書だと言っています。

オジーのファッションショーでは、幻想的なイルミネーションとダイナミックな音楽を導入し、現代の「ファッションショー」のパターンを完成させたとも言われます。

最初の音楽担当者は、当時オジーの運転手であったデイブ・ギルモアでした。
彼は後にピンク・フロイドのギタリストとなります。

1983年に倒産。
デザイナーであり創業者のオジー クラークは1999年に死去。
セリアはオジーが亡くなった後も活動を続けています。

2003年にはビクトリア&アルバート美術館でオジー クラークの回顧展が開催されました。

2007年、企業向けにファッション情報を発信するWGSNのMarc Worthがオジー クラークの商標を獲得。
ブランドとして再出発することとなりました。
デザイナーには新鋭のアブシュ・アローム・グル(Avsh Alom Gur)を抜擢。

2008A/Wシーズンには、ギャラリーで小さなショーを発表します。
60年代に注目を集めたコレクションを尊重しつつ、現代の雰囲気も取り入れたコレクションで注目を集めました。

「TOP SHOP」などが限定復刻版を発売しましたが、復刻版ですらヴィンテージと同様の扱いで取引されるほど入手困難となっています。
ちなみに、オリジナルのヴィンテージは100万円を超える値段で取引されているとか。
また、復刻版は当時のものよりも現代的で着やすくなっているということも、復刻版人気の理由となっているようです。


Celia Birtwell

画像4

オジー・クラーク(Ossie Clark)の奥さんで、彼のデザインするグラマラスなドレスのテキスタイルのデザインをして、脚光を浴びました。
彼女自身もクールな人で、画家のデビッド・ホックニーのミューズでもありました。

画像9

ファッションメーカーのトップショップやアメリカのターゲットなどでも彼女のテキスタイルのアーカイブでコレクションを展開しています。

PRINT by Celia Birtwellと、ドレスのデザイナーだけでなく、テキスタイルデザイナーの名前がダブルネームで入るって、今では普通ですが、当時では珍しいことだったようです。

画像10

よく使われていたモスクレープという素材は、レーヨンのちりめんのような素材ですがザラッとした独特の質感があり、今の洋服にはない魅力があります。

画像11


いいなと思ったら応援しよう!

アトリエ ニノン
よろしければサポートお願いします! 募金活動など、社会への貢献活動資金として使わせて頂きます。