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セカンドピアノの購入について

みなさんこんにちは。コンサートサロン、アトリエミストラルのオーナー、櫻井紀子です。

アトリエミストラルにあるピアノは、プレイエル3bis(1905年製/85鍵)。1905年製の製造から116年が経過しており、モダンピアノとフォルテピアノのちょうど中間的な特徴を備えており、非常に個性的で希少価値が高く、弾く人を選ぶピアノです。

プレイエルの個性と弾く人の姿勢

国内外のたくさんのピアニストに弾いていただきましたが、慣れるのに時間がかかる人、すぐに個性を感じ取って表現できる人などさまざまです。

プレイエルはフランス、パリで創業されたピアノメーカーで、ショパンに愛好されたピアノとしても有名です。その音色は柔らかく、温かく、繊細であるかと思えばセクシーさも感じさせる稀有なピアノだと思っています。

残念ながらプレイエルを知らない人、その個性がわからない人、いつも使っているピアノとタッチも音色も違う(当たり前!)と拒絶する人に接することが、オーナーである私にとって苦痛になってきました。

しかし、自分の主催する公演だけでなく、発表会などのスペースレンタルも重要な収入源である現状では、プレイエルを使い続けなければならないと、いわばブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいるような感覚になる日々でした。

そこで考えたのがセカンドピアノの購入です。

セカンドピアノに求めること

繊細なプレイエルとは異なるタイプのピアノを探して、ピアノショップ、調律師などいろいろな人に相談しています。

私がオーナーとしてセカンドピアノに求めることは

①頑丈(健康)であること

②多くに日本人が弾きやすいピアノであること

③プレイエルとが異なる個性を持つが、時には2台ピアノなどの公演にも使用可能な品質を備えていること

を想定しています。利用者とオーナー双方がストレスを感じることなく使っていただけるピアノとなると、国産の中古かなぁと思っていたところ、先日、プレイエルを調律してくださっている調律師と話す機会がありました。

アトリエミストラルの特徴とは

セカンドピアノを購入することにより、①現在のプレイエルを酷使しないことにつながり、よい影響しかないこと、②それによりオーナーのストレスは格段に軽減すること、がすぐに想定できます。

セカンドピアノを単にプレイエルの「代用品」と考えるなら、安価な国産の中古ピアノでよいかもしれない、と頭によぎりました。しかしそれでよいのか?

薄紙を重ねるようにして、一人一人ファンを増やしてきたアトリエミストラルの、プレイエルはいわば「顔」です。プレイエルといえばアトリエミストラル、と言っても過言ではありません。

プレイエルが聴けるからミストラルの公演に行こう、ミストラルの公演でプレイエルを初めて知った、というファンの人の期待をどう継続していくか?を考えなければ、と調律師さんと話しているうちに強く感じたのです。

アトリエミストラルとしてセカンドピアノを導入する、ということは、プレイエルとは違う個性のピアノが欲しいが、アトリエミストラルの価値は下げたくない、という難しい命題なのだということに気が付きました。

では改めて、アトリエミストラルの特徴とはなにか? 

それは、「個性的であること」ではないか?と思ったのです。「唯一無二」といってもいい。

ただ、「ピアノの弾けるスペース」ではない価値、単なる「ピアノ曲が聴けるコンサートをやっているホール」とは一線を画す個性的な何か。

それは、セカンドピアノであろうとも、アトリエミストラルならではの個性を受け継ぐピアノを選択すべきなのではないか?と話しながら確信したのです。

資金の前に考えるもの

セカンドピアノの導入には、もちろん資金が必要です。導入してからそのピアノをどう使うか、どう経営に結び付けるか、を考えなくてはなりません。

しかしその前に、オーナーである私自身は、アトリエミストラルが将来どういう場所になっていたいのか、何をやりたいのか、どんなお客様にきていただきたいのか?を決めるのが実は最も重要で、かつすべての土台なのだ、ということに気づいたのでした。

多分、これから長い長いセカンドピアノ導入への旅が始まります。(笑)

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