共同売店に関する考察14〜どうやって応援しよう?〜
共同売店のことを伝えたい想いが形になった展示会「共同売店がある暮らし」展をしていたのは3月。そして4月になり、自粛生活が続き、その間色んな本を読んだりこれからのことを考えたりしています。
これまでを振り返れば、「愛と希望だ!」と情熱で冊子を作ってからそれをきっかけに展示会の話が決まり、展示会をきっかけにメディアへの露出も増え、なんと憧れのD&DEPARTMENTさんからお声がけいただいてコラボまでできるという…うれしい驚きの連続でした。そんな中、私たちのプロジェクトを応援してくれる人や、「何かできることありますか?」と聞いてくれる人も増えて、本当にありがたいです。
応援するということ
辞書で調べてみると「①力を添えて助けること。加勢。②(競技で)拍手をし声をかけて、味方やひいきの選手をはげますこと。」とありました。共同売店に関して個々で直接できる応援というと、たぶん共同売店で買い物をするっていうことだと思うんだけど…それを前面に出すのにちょっとためらうのはなんでだろう。
こないだddschoolでナガオカさんにも、どうしたら共同売店を応援できますか、と問いかけられて、とっさに「褒めること」と答えたんだけど、もうちょっと言いようがあったんじゃないかと反省していました。でも改めて考えてみると
①共同売店は地域住民のためのお店だから、沢山買いすぎると住民のための商品がなくなってしまうかも(お店によって商品数少ないし)
②ふらっと立ち寄って買いたくなるようなものが実はあんまりない
③そもそも地域によって入りにくいところもある
などが思い浮かび、一概に「共同売店でたくさん買い物しましょう!」とは言いにくいところがあるのも事実…(もちろん売り上げの助けになるので買い物は大賛成です)。
観光地というより暮らしの現場であって、土産物やさんという要素がほぼ全くない共同売店。地域の暮らしを尊重しながら、各地域で個性が異なる共同売店を応援するのって、意外と難しいのかもしれません。そんな中で思い浮かんだのは、「共同売店を居心地の良い場所として感じる」ということでした。簡単に言えばファンになるということかな。いやでも「居心地がいい」と「ファンになる」はちょっと違うな。
居心地がいい
「居心地がいい」と感じるためには、そこにいる人とコミュニケーションをとらないといけない。お店の人だったり、買い物に来た人だったり。でも直接話さなくても、売店の前で遊ぶ子供達やお店の人とお客さんのやりとりを、売店で買った缶コーヒーでも飲みながら眺めるだけでも十分心地よいはず。そのためには、売店や周辺地域で時間を過ごさないといけません。買い物してサーっと通り過ぎるだけだと「居心地の良さ」を感じるのは難しい。
だから、もし誰かとユンタクできるようなら、缶コーヒーやお茶を買って、アイスなんかも食べながらぜひ地域のことを尋ねたり褒めたりしてみるのはいかがでしょう。売店に来る人はきっとその土地に何らかの地縁血縁がある人が多いし、もし移住者ならその土地が好きで移住したかもしれないし。自分が好きなものや大切なものを褒められるって、うれしいですよね。そして地域だけじゃなくて共同売店の存在も褒めてみる。それが地域住民による運営で維持されている共同売店なら、何気ない褒め言葉が、共同売店を持続させようと頑張っている人たちへのプレゼントになるかもしれません。ぜひ色んな共同売店を巡って、自分のお気に入りの共同売店を見つけてみてください。
…以上が、ナガオカさんの問いかけに、とっさに「褒めること」と答えてしまった私の言い訳でした(汗。
(ちなみに私たち「愛と希望の共同売店プロジェクト」で作っている冊子やグッズを購入していただくと、私たちを通じて間接的に共同売店を応援することができます。)
人間らしさや思いやり
応援する方法として『家族や親しい友人に接するように、思いやりを持って地域やその核をなす共同売店に関わること』というのはどうだろう。うん、なんかしっくりくるな。でもちょっと抽象的かも。
そんなことを考えて思い出したのは、「協同組合の拓く町ースペイン・モンドラゴンの実験」の本。モンドラゴンの協同組合運動の生みの親であるアリスメンディ・アリエタという人が神父だったということや、彼の考え方が聖書に基づく人間性の尊重や人間が主人公になる社会の仕組みをベースにしていることを考えると、共同売店を中心としたその地域に接する際に愛や思いやりを自分の中に持つことは、理にかなっているような気がします。(ちなみにモンドラゴンの協同組合より沖縄の奥共同売店のほうがずっと古い歴史があります)
生活の大変さから生まれた、支え合い、分け合う暮らし。まだまだまだ、共同売店から学ぶことが沢山あります。
追記:各地域の共同売店のためになる一番の方法は、地元の人がその共同売店をたくさん利用してくれること。地域住民が共同売店の重要性に気づいて、地元の人が応援してくれることが一番です。そのためにどんな工夫や働きかけが必要なのかはもう少し別で考察します。