猫のプー
近くの駐車場にかわいい猫がいるから、見に行ってみたら…とご近所の人に言われて、母は見に行った。小さなちいさな青い目の猫。連れ帰り、一度脱走したのに、翌日また戻ってきていたのを弟がみつけた。
弟が、彼にプーと名づけた。
なぜなら、しっぽが短くてくまの子みたいだったから。
ちいさなプーは少し年上のタマによく懐いて、いつも一緒にいた。
プーとタマを飼っていたときに、私はデッサン教室に通い始めて、将来の夢も漠然とだけど絵本作家になりたい…と固め始めていた。なので、何度もタマとプーの絵本を描いてる。でも、現実は甘くなかった。 ビアトリクス・ポターさんになるには、まだまだ修行が足りなかった。(誰かになろうというのが、そもそもまちがい。自分は自分でいいのに…)
でもその時にがんばって描いた絵は無駄ではなかったと思う。
プーを見て、何かの鳥がいるのかと思った…と言われたこともあって、それをもとにお話を描いたりしていた。
プーとタマは長生きをしてくれて、タマは17年近くプーは19年近くを一緒に過ごした。
この頃には阪神大震災もあって、猫と一緒に縮こまっていた。でも猫が一緒に布団で寝てくれていたから心強かった。
タマは私のお膝の上で眠るように虹の橋を渡ってしまった。
その後、今度はプーそっくりのご近所猫が来ることに…。その話はまた今度。