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映画『ばるぼら』の感想(文字起こし)
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今回は僕が音声配信アプリstand.fmでやっている個人ラジオ【Atelier YAMA Radio】で話した内容を文字起こししたものです。
話し言葉なので、読みづらいところもあるかとは思いますが、とても良い映画だったのでコチラでも紹介させて頂きます。
■音声版はコチラから→https://stand.fm/episodes/604f16ef1f2dc01b44c8d20a
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さぁ始まりましたアトリエYAMAラジオ。
この番組は、映画、キャンプ、クラフトなど好きなことを好きに話していくフリートークラジオです。
ということでどうもYAMADAです。
今日はですね、ここ最近ちょっとまた映画をちょこちょこ見れているので今日も映画の話をしていきたいと思います。
で、今回お話しする映画はですね、お話というか紹介というか、その映画はですね。
手塚治虫の原作ですね、手塚治虫原作の『ばるぼら』っていう映画です。
こちらはですね主演が稲垣吾郎、二階堂ふみがやっていまして、監督が手塚…なんですかね。
手塚眞(まこと)かな?
手塚眞監督の2020年のホント最近の映画ですね。
こちらは1時間40分なので100分、R15指定が付いているものとなります。
これはですね、友達に勧められて、「YAMAちゃんが好きそうな映画だよ」っていうの教えてくれてですね、
で、この映画には僕の友達が関わっているようで、お仕事で。
っていうのもあってこれを教えてもらってですね、
まぁ今ちょうどアレですねAmazon Primeとかでレンタルが始まっているので、今の段階だと500円位でレンタルして見れるっていう状態なので、僕はレンタルで今日見てみました。
どうなんだろ?もうレンタルとかしてるのかな?TSUTAYAとかにもあるのかな?
その辺はちょっと詳しく分かりませんが、とりあえずAmazon Primeでは見れます。
って言う感じでですね、これ映画館でやってた時に見に行きたかったんですけどもなかなかここ最近のこのコロナの影響もあって、
ちょっと抑さえてというか、DVDになったら見ようかなぁと思っていたところ、今回Amazon Primeで見れるっていうのをその友達に教えてもらえたので早速見てみたっていう感じですね。
そういう感じで見てみました。
それでですね、こちらの映画もあれでしたね。
好きな感じのほんとに僕の好みの感じの映画でした。
まぁまずはこちらのあらすじを読んでいきたいと思います。
こちらはAmazon Primeで書いてあるあらすじですね。
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人気小説家、美倉洋介は新宿駅の片隅でホームレスのような酔っ払った少女"ばるぼら"に出会い、つい家に連れて帰る。
大酒飲みでだらしない ばるぼら だが美倉はなぜか奇妙な魅力を感じて追い出すことができなかった。
彼女を手元に置いておくと不思議と美倉の手は動き出し新たな小説を想像する意欲がわき起こるのだ。
ばるぼら はあたかも芸術家を守るミューズのようだった。
その一方、美倉はエロティックで異常な幻覚に悩まされる
次第に彼の周囲は現実離れしていく。
ついに美倉は ばるぼら との結婚を決意するが、それは同時に破滅への入り口だった。
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と言う感じですね。
この映画なんですけども、まぁ1回目、1回目というかまだ1回しか見てないんですけども。
これ見たときにですね、
あーもしかしたらこれを見る人はちょっと難解な感じの映画って受け取る人もいるのかなあって思うような、
ちょっとまぁ何か比喩表現とか何かそういう風な表現方法で見せていく感じもあるので、
幻覚とかそういったのが出てきたりするので、
一瞬どういうことだ?ってなる人もいるかもしれないですが、
まぁよくある難解な映画とか、それこそドゥニ・ヴィルヌーヴとかあの人が撮るような映画とかそういうのと比べると、そこまで分かりづらくなくて、
もう少しなんだろうな、わかりやすく説明されているような感じでは作られている、
難解な映画と、わかりやすい映画のちょうど間位の感じの表現の仕方というか、
というところで僕はすごく程良い感じの芸術的映画な感じがしてすごい好きでしたね。
だからその、二階堂ふみ演じる ばるぼら って言う少女ですね。
その彼女が何を意味しているのかっていうところをうまく理解できると、すんなり映画を見ていけるのかなって感じがしましたね。
っていうところで、まぁこの主人公ですね美倉洋介っていう主人公なんですけど、
彼はまぁ人気小説家なんですよね。
その小説家がまぁ結構売れてて、雑誌の表紙を飾ったりするような、めちゃめちゃ良いところに住んでる小説家なんですけども。
その彼はですね常にサングラスをかけて、まぁなんだ黒いサングラス。
タモリさんみたいなサングラスをかけながらですね、まぁ生活しているような感じの、
稲垣吾郎が演じる主人公なんですけども。
彼がある時ですね、新宿の片隅でホームレスみたいなその二階堂ふみが、道端で酔っ払って寝転がってるみたいなところに出くわして声をかけてしまうんですよね。
すごい汚い格好をしてたりとか臭い感じの状態なのに家に連れ帰ってですね、
世話をするような感じなんですけども。
最初のうちはですね、もう自分の家にある結構高いウィスキーとかをガバガバ勝手に瓶に口をつけて飲んだりしてですね、
嫌悪感みたいな感じのなんだコイツって言う感じで見てたんですよね。
それがだんだんだんだん最初はなんかもう帰れ帰れって言う感じで追い返すんですけども、
ある時また出会ってですね、なんかそんな感じで徐々に徐々に近づいていく感じというか、
距離が近くなっていくというかね。
いつしか彼の側に常にこの ばるぼら がいるような感じになってくるんですね。
なんか彼が思ったこととか、なんか嫌だなぁって思ったこととかそういったものがですね、
ばるぼらが近くにいることでそういうのがどんどんなくなっていくというか、なんか嫌だなあと思った人が死んでしまうとか。
自分の中で邪魔だなぁと思った人が心筋梗塞で死んじゃったり。
ばるぼらが近くにいると上手いこと進んでいって仕事もはかどるみたいな感じになっていく。
まぁ不思議な感じの少女なんですよね。
で彼女とずっといるうちにだんだんだんだん彼女のほうに魅了されていてですね、
彼女がいないといけない位の大好きな彼女になっていくんですよね。
で、これがですね、僕が思った感じなのでそれがそうなのかわからないですけども、
まぁミューズって言う言葉が出てきたりするんですね。
このミューズっていうのは、
なんかギリシャ神話か何かのアレですね、その芸術とかそういったものの神様というか、そういうところで描かれているものなんですけども、
まさにそんな感じで、その ばるぼら っていうのは彼にとってのミューズで、もともとやりたかったというか思い描いていた、作家像というか自分はホントはこうなりたかったっていう。まぁ欲ですね。
自分が描きたいものとかそういったものを具現化したのが ばるぼら というか、なんかそれのメタファーというか、になってるのかなあと思ってですね
これまさにですね、この映画の冒頭と最後に稲垣吾郎がモノローグで話している言葉があるんですけども、それがですね
都会が大勢の人を飲み込んで、消化して食べ流した排泄物のような女。
それが ばるぼら だっていう風なモノローグが流れるんですけども、まさにそういうことですよね。
夢を持って都会に出てきた人達が、結局大勢が夢に敗れて折り合いをつけてそういう夢を捨てていった。
そういう捨てたものっていうのが、まぁ ばるぼら なんだっていうようなことを言ってるんだと思うんですね。
うん。
彼は人気小説家ではありながらもやっぱりホントに書きたいものを書けてないような感じで描かれているんですね。
彼には、ばるぼら と出会う前からずっと一緒に仕事をしているというか、秘書としている彼女がいるんですよね。いいとこのお嬢さんでっていう。
その彼女がですね、逆に言うと、お金とか地位とか名誉とかのメタファーになってるというか。
ずっとその彼女といて、とりあえずそのお金を稼ぐための小説を書いてやっているって言う状態だったのが、ある時その ばるぼら と出会ってしまったことによって、やっぱり自分のやりたかった、書きたかった小説だったりとか、世界っていうのをですね、追い求めてしまうようになっていくんですね。
やっぱりそっちの魅力っていうところに惹かれていってしまうんですね。
だから今まで折り合いをつけて、とりあえず自分のやりたいことよりも食べていく為に、お金のために小説を書く。ってなっていたその主人公が、
やっぱりその ばるぼら に出会った時に、自分がやりたい事はこっちだったんだって言う方向でですね、徐々に徐々にそっちの世界にのめり込んでいってしまうっていうような感じで描かれてんのかなあと思いました。
それでですね、この映画はR15指定って言うこともあって結構エロティックな感じで描かれている部分もあってですね、
ただその二階堂ふみに関してもまぁ稲垣吾郎に関しても、結構体当たり演技でめちゃめちゃ脱いでるんですよね。
そういう風なエロティックなシーンとかもいっぱいあるんですけども、この映画の撮影監督で、クリストファー・ドイルっていう監督が就いてるんですけども、このクリストファー・ドイルっていう監督はですね、
なかなか今まで僕も何本か彼が撮った映像を見てきてるんですけども、例えば『宵闇真珠』っていうオダギリジョーが主演の映画だったりとか、あとオダギリジョーが監督した『ある船頭の話』っていう映画とか、あとちょっと古いので言うと、キムタクが主演でやった『2046』って言う映画とか、『HERO』とか韓国のほうの映画かな、あの辺を撮ってる撮影監督なんですけども彼の映像がやっぱり綺麗なんですよね。
すごく色味とか、まぁ今回もブルーとかオレンジとかがすごい綺麗に撮られてて、やっぱり引き込まれるなっていうそういう映像なんですけども、そういうのも相まってですね、そのエロティックのシーンがホントに芸術的に見えるんですね。
すごく綺麗な感じで映されていて。
そういうところでもすごく好みだなぁと思って見ていたんですけども。
そういう感じでですね、徐々に徐々にその ばるぼら のほうに気持ちが入っていってしまう稲垣吾郎ですね。
彼がですね、もうなんだろうな、のめり込み過ぎてですね、周りが見えなくなっていってしまうんですね。
結構近くで支えてくれていた人とか、もう見えなくなっていてですね、自分の世界に入っていくというか、ばるぼら との世界に入り込んでいってしまうっていうふうになってですね、それで最終的にですね、
そのあらすじもありましたけども、ばるぼら と結婚するみたいなことになっていくんですが、それが上手いこといかず、ちょっとなんやかんやありまして
、はばるぼらと離れ離れになってしまうんですね。
そこからまぁなんだかんだあって、また ばるぼら と出会って、2人で駆け落ちしてですね、もう逃げようって言って最終的に何か山小屋みたいなところにこもって、彼は作品を書くっていうふうになっていくんですね。
まぁこれネタバレも何もないと思うのでここまで話しましたけども、まぁそういう物語なんですよ
今のなかでですね、面白い表現というかまぁよくある表現ではあるんですけども。
サングラスを彼はかけてるっていう話をしましたが、これの使い方がやっぱりいいなと思ったのが、
最初のうちはずっとサングラスを彼はかけてるんですね。
これはおそらく、なんだろうな世間を見ないようにしているというか直視していない感じというか。
なんかそんな感じだと思うんですよ。
そういう表現として使われていて、やっぱりとりあえずで書いている小説がヒットして、それでもてはやされている感じって言うところに何か目をつぶりたいというか、そういう気持ちがあるのかサングラスをかけているっていうようなキャラクター設定なんですね。
それがですね、ばるぼら と出会って徐々に徐々に自分のやりたい事とか書きたいものが書けていくとですね、だんだんそのサングラスをつける頻度が減っていくんですね。着けなくなっていくんですね。
途中で ばるぼら と離れ離れになったときに、ばるぼら が全くいなくなってしまって彼は地位も名誉も、まあまあ周りを適当にやってきてしまったことによって今まで積み重ねてきたものが全部なくなってしまうんですよね。もう仕事も全部なくなってしまって。
でも一緒に彼と二人三脚で頑張ってきた編集の女性っていうのがいるんですね。編集者ですね。
その彼女はすごい彼を支えてくれるんですよ。
周りがみんな見放してもその彼のことを、身の回りのことをやってあげたりとか、「頑張りましょう」みたいな感じで励まし合っていくようなところがあるんですね。
で、彼女がそこでご飯を作って彼の好きなビーフストロガノフを作ってですね、
食べようって言って、彼もそこで普段はもう何も食べたくない状態だったのに、彼女のその優しさに触れて、
ビース…ビーフストロガノ…ビーフストロガノフを食べるんですよ。
それも生きていこっていう、何かを食べるという事は生きていこうっていう、そういう表現でもあったりするので、彼はそこでご飯を食べるんですね。
ここで彼はもう ばるぼら のことを忘れてこの女性と一緒にやっていくのかなあって思わせるような演出ではあるんですけども。
その後やっぱり ばるぼら にまた出会うところがあるんですね。
その時なんですけども、ご飯を食べてこの彼女とまたやっていけるかなと思った時、彼はまたサングラスをかけてるんですよね。
その時にまたサングラスをかけ始めるんですよ。
これってやっぱりまたその自分のやりたいことを、
またここに折り合いをつけてまたちゃんとやっていこうみたいな。
この編集者と一緒にやっていこうみたいになったときにサングラスをかけてしまうですね。
ただその後で、また ばるぼら に出会って、
もう逃げようと。
結局やっぱり ばるぼら の魅力がありすぎて、もう自分は ばるぼら じゃなきゃダメだってなって、駆け落ちするんですけども。
その時にやっぱサングラスも外すんですよね。
もう最後のシーンとかではもちろんそのサングラスなんか着けてないですし。
って言うそういうようなサングラスの表現方法とかもあってですね、まぁちょっといろいろ面白いところがあるなぁと。
他にもいろんなそういう細々したシーンとかあるんですけども、そういうところも僕好みでしたね。
あとはいろんなウィスキーが出てくるって言うところも良かったですね。
スーパーニッカが出てきたりとか、オールドパーが出てきたりとか。
結構いろんなウィスキーが出てきてそれを見るのも面白かったですし
まぁここ最近では珍しくもなってきたタバコを吸うシーンとかそういうのもありましたし。
タバコの煙はだいぶ薄く映されてましたけど。
まぁそういうところがあったりとかですね、僕の好みが詰まったような映画で、音楽もすごく良かったし。
ジャズが多かったですね。
なんかちょっと一昔前の日本映画の音楽の使い方というか、そういうのもあって古い映画なのかな?って思わせるような、それこそ手塚治虫の漫画を描いていた頃の雰囲気を思い出させるような。
というか僕はそんなに手塚治虫の漫画を多くは読んだことないんですけども。
そんな感じの雰囲気が出てたりとか、でも完全に現代の物語なんですね。
スマホが出てきたりアップルのパソコンが出てきたりとかもあったので。
っていうところの、何かそういう雰囲気の良さというかその過去と現代を上手く結びつけるのが音楽であったりとか。
何かそんな感じに僕には映りましたね。
そういった感じですかね。
ちょっと今1回目見た後の感想なのでホントはもっと細かいところいっぱいあるんでしょうけども。
僕はすごく良かったなと。
その ばるぼら って言う少女をその欲とか夢とか自分の求めていた、今まで折り合いをつけてきたもの。
っていうふうに ばるぼら を見ると、すごく理解していきやすいかなっていうところもあるので、
もし一回見て、「これ面白くねぇなぁ」とか「わけわかんねぇなぁ」と思った人は、そういう感じで見てみると結構すんなり入ってくるかなぁと思いますし、それでもやっぱり好みの分かれる映画だとは思うので。
万人受けするってわけではないと思うんですけども、結構なんか、モノ作りしてる人とか夢を追いかける人とかそういう人には刺さってくる物語なのかなぁっても、なんとなく思いましたね。
と言うところでですね、もっともっと話したいところもいっぱいありますが、まぁ長くもなってしまいますので今回はこのぐらいにしたいと思います。
こういう映画を教えてもらえてすごく良かったですね。嬉しかったですね。さすがの友達ですね。わかってますね。
僕はこういう孤独な男が主演の映画が大好きなので、今後そういう孤独な男映画っていうのも紹介していきたいですね。
っていうところで、今回はこのぐらいにしたいと思います。
また次回ですね何を話すか分かりませんがぜひ聴いてやってくださいYAMADAでした。
さようなら。
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こんな感じで、映画やキャンプ、クラフト等の話を中心に、音声配信アプリstand.fmにて配信している【Atelier YAMA Radio】。ぜひお聴き頂けると嬉しいです。