映画『ヒメアノ〜ル』 笑いと恐怖のバランス。不味そうなビール
レンタルアップで安くなっているのを見つけたので購入。
なかなかいい買い物をしたなぁ。
◆あらすじ◆
平凡な毎日に焦りを感じながら、ビルの清掃のパートタイマーとして働いている岡田は、同僚の安藤から思いを寄せるカフェの店員ユカとの恋のキューピッド役を頼まれる。
ユカが働くカフェで、高校時代に過酷ないじめに遭っていた同級生の森田正一と再会する岡田だったが、ユカから彼女が森田にストーキングをされている事実を知らされる。
岡田役を濱田岳、ユカ役を佐津川愛美、安藤役をムロツヨシがそれぞれ演じる。(引用 映画.com)
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何度目かの鑑賞でしたが、これホント凄い映画だなぁってあらためて思いました。
前半のコメディ感と、タイトルと共にスタートする後半のバイオレンス・ホラー感。
この構成に毎度ゾクゾクさせられます。
濱田岳とムロツヨシのダメ男コンビの絶妙な笑いと、ドラマ『ランチの女王』の時から何倍も怖さを増した森田剛の怪演っぷりが最高。
セックスシーンと殺害シーンを交互に映す「生」の見せ方や、濱田岳が居酒屋で飲む最高に不味そうなビールなど、いたるところに面白味が溢れていて、あっという間の99分でした。
濱田岳が飲んでるビールが、服の緑色と混ざって最高に不味そうなんですよ。
たまたまかもしれませんが、シーンの内容と相まって濱田岳の心境を写すような表現になっていて良かったです。
ただ、カットが変わるところでビールの量が急激に減ってて違和感を覚えました。あれ?上手く繋がってないぞって。
少し前に見たので勘違いかもしれませんが、その辺も注目して見てみて下さい(笑)
ストーリーの本筋だけを見ると、そこまで意外性はなく、言ってみれば前にもどっかで見たことのあるようなサスペンスではあるんですが、映画の構成や、笑いと怖さの絶妙なバランス感、演者の微妙な目線の動きや、声のトーン、会話のテンポといったリアルで素晴らしい演技が、悪く言ってしまえば「ありきたり」なストーリーを、斬新で新しいモノに昇華させているように感じました。
この原作はほぼ未読ですが、古谷実が描くキャラクターはどれも、ぶっ飛んでいるけどどこかリアル。
マンガとしては笑えるんだけど、ホントにこんなヤツ近くにいたら怖いなっていう、変にリアルな地続き感が、この映画でも上手く表現されていました。
マンガの実写化はイマイチなものも多いですが、この映画に関しては大成功だったんじゃないでしょうか。
吉田恵輔監督。
本当にセンスのいい素晴らしい監督だと思います。
いやぁ〜面白かった。
麦茶飲も。
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