子ども部屋の逆襲~親と子の二律背反~
※ヘッダーはすぴーさまよりお借りしました。ありがとうございます。
10年以上前、お家を建てた時。
2階に6畳間をふたつ。いわゆる新婚ホヤホヤ。
子どもはまだだけど、なんとなく世間一般ではこんなもんかな。
内装はアタシのセンスに任せて!
扉やサッシはホワイトでまとめて、クローゼットにはアクセント壁紙!ウフフ♡なんて思っていました。
この日が来るまでは・・・
自宅に長女(10歳)の子ども部屋を作りました。
子ども部屋。
親にとってはいろんな意味で悩ましい問題です。
成長を喜び、個を尊重し、安全地帯としての「ひとり部屋」を整えてあげる。
親としてこれ以上、幸せと不安を感じる瞬間は・・・きっとみなさん他にもあると思いますが。
わたくし、けっこう「住」にはコダワルほうなので、これ以上ない幸せと不安を感じました。
何度かnoteでも書いていますが、長女は発達子気味で、絶賛不登校中なので部屋を与えることは鬼に金棒。つまり、ひきこもりに子ども部屋。
「ここが彼女の終の住処になる可能性もあるのぅ※」と、全てが終わった後で夫と神妙に杯を交わしたのでありました。
※彼女が、その特性ゆえに自立せずに実家で過ごす子どもを揶揄した「パラサイトシングル」老いて、「子ども部屋おじさん・おばさん」的であり続ける可能性が高いことを両親共に感じているという意味。
子ども部屋に用途を変える予定の6畳の部屋はPCや本棚などが雑然と置かれた物置になっていました。
独身時代の私の本、雑誌、CD、MD(懐!)など何度かの引っ越しでも捨て難かったものが放置されていました。
子どものために余計な荷物は全て清算してあげたい。苦々しい気持ちで断捨離しました。
子どもにとっての部屋誕生は、親にとっての部屋消滅。
君の楽園のための私の愛別離苦。
わが子のためにその身を食わせる親蜘蛛のように、親と子の二律背反よ。
まあ出るわ出るわ、10年以上触れもしていない過去の遺物たち。
一部は泣く泣く処分しつつ、別の場所に再保管したり、メルカリに出品したり、筋肉痛になるまで必死で片付けました。
チーク材の北欧風サイドボードのかわりにキュートな学習机とベッドを搬入して、
手織りキリムのかわりにアクリルのシンプルラグを敷いて、ベッドサイドには彼女が描いたイラスト。
何でもタブレットで完結するので基本的にミニマルですね現代の子は。
かくして長女の子ども部屋は誕生したのでした。
10歳にして部屋を得た彼女はとても満足そうで、その日以降は一人部屋で寝てくれています。掃除がんばるね、とはりきる笑顔を信じて見守るしかないのです。
家の中にノックなしで入ってはいけない場所が生まれた瞬間でもありました。
かくして無事終わった子ども部屋作り。
大掃除しながら、30年ほど前つまり私が小学5年生の時。私の両親は実家の応接間だった部屋の物を全て取り去って、私の部屋を整えてくれたことを思い出していました。ガラス戸のキャビネットには洋酒が並び、ダマスク風な壁紙が昭和レトロな部屋でした。
あの時、両親も幸せと不安を感じていたのかしら。
母が泣く泣く(?)運び出していたレコードはビートルズやチューリップ。ダバダバダーみたいな哀愁漂うフレンチポップスとか(失念)
北東に面した日当たりの悪い部屋でしたが、インテリアに凝ってアメリカン・カントリー風(当時流行っていた)に仕上げたり。高校卒業の18歳までその部屋で寝起きしました。
サイドボードが重い時も、断捨離が辛い時も、ひとりの部屋を持った時の嬉しかったあの気持ちが、春のそよ風のようにそっと私の背中を押してくれていていたのです。
長女に幸あれ。
みなさまは子ども部屋にエモさやノスタルジーを感じたりしますか。
残念ながら、うちは長男、次男と続くので部屋が物理的に不足するという悩ましい現実問題でもあります。
(現代の少子化は、個の尊重と住宅のコンパクト化の矛盾と無関係ではないことは、言うまでもない)
※新調したベッドフレーム。とてもリーズナブル。
足を起こすだけでネジ工具不要で軽くて丈夫。
♪きしむベッドの上、みたいなパイプベッドのイメージが覆りました。
(現代はなんでもミニマル&ハイクオリティですね)
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