湖北の風景15 岩脇稲荷神社
※前回(風景14)の続き。
岩脇山(いをぎ・いおぎやま)、昔の名前は龍尾山。
今も昔も交通の要衝。
人の往来と共に様々な歴史が交差するパワースポットでした。
パワースポット、この表現はあまり好きじゃないけど、
やっぱりパワースポットなんですってば。(語彙力の問題)
まずは山頂へ
・岩脇稲荷神社
祭神 宇賀御魂神(ウカノミタマノカミ)
穀物の神、五穀豊穣の神、商売繁盛の神
創建経緯は不明。
神社庁の資料では近くの廃寺、龍尾山護寧寺(782~806年造営)の守護神だったと言われます。
朱色じゃない、おいなりさん
山の斜面を利用して立派な二段の石垣が組まれた社殿。
すっきりとした石造りの境内が私好みな稲荷神社。
朱塗りの鳥居ではないお稲荷さんは華やかさはありませんが、
妖艶というよりは素朴な狐さんの石像と共に
私には心の原風景のような安らぎがあります。
屋根瓦の上にも狐さんがいるんです。
湿っぽく怖い感じはしない、そんな、狐さんパワースポット。
あの「まんが日本昔ばなし」にこの岩脇山を舞台にした「鏡岩」というお話があります。
超要約すると
「琵琶湖にある竹生島の弁天様が岩脇の稲荷神(ウカノミタマ)に
岩脇山の大きな一枚岩を鏡にしてくれと頼み、仕方なく稲荷神が岩を磨いて鏡にした。
結果、漁師の奥さんがみな美人になって働かなくなったり、魚が捕れなくなった。
このことに村の漁師たちが困ったので、漁師達の手で元の黒い岩に戻された。奥さん達は元の顔になり、まじめに働いてくれるようになったそうな。これにより近江の妻は働き者である。めでたしめでたし。」
というようなお話。
「村の妻をみんなウチみたいにべっぴんにしてあげる♥」
弁天様が色仕掛けでみずら頭のイナリ神に言い寄る描写が印象的です。
稲荷、漁師、鏡、美人、大きな岩というワードが気になりますね。
岩がゴツゴツした岩脇山は天野川流域の古代豪族の眠る「息長古墳群」に近く
このお稲荷さんや善光堂が祀られる前から古墳か「磐座(いわくら)」があった聖地のような気配がします。
岩がピカピカで「鏡岩」という話は各地にバリエーションがあるようですが、農民じゃなく漁師というのも気になるポイント。
琵琶湖の漁師のお嫁さんたちは美人になって朝妻湊へ「出稼ぎ」に行っちゃったのかしら。
働き者だが近江の嫁は美人ではない?
なんか穏やかでない歴史があったりして。とか妄想しつつ。
6月の雨上がり。楽しい散策になりました。
もうちょっと詳しいあらすじです。
ご興味がありましたらご覧下さい。
※前編の記事
※穴太(あのう)積み
穴太石垣衆vs国友鉄砲衆による戦国最強ホコタテ対決。
師匠、爺、地元のライバル→友情、真のライバル→決戦→ハッピーエンド。
少年漫画っぽい展開も爽快な一冊。