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お酒草紙4 大関・まる・月・鬼ころし他

※ウダウダと「ワタシ考えてるの」みたいに気取るくらいなら、
お酒を飲んで皆でウェーイってしてるほうがハッピー。

「悩みなさそうでいいね」と言われるのはちょっとシャクだけど。
一見、陽気そうな奴ほど闇は深いのですよ。

しるしなき物を思はずは 一杯の濁れる酒を 飲むべくあるらし

〈現代語訳〉
考えても仕方のない物思いをするくらいなら
一杯のどぶろくを飲んだほうがよっぽど良い

大伴旅人 万葉集0338

※これより先、お酒に関する食レポ以下の、個人的な感想をとめどなく書いています。もし何かの参考になれば幸いです。

※知能指数の太ったスマートなnoterさん方は十分思慮深い方ばかりとは思いますが、決して飲酒を肯定するものではありません。
お酒は楽しく適量を。


ワンカップ大関、まる、月、鬼ころし

いわゆる「カップ酒」は苦手でした。理由を挙げると、
1.おっさんくさい
祖父や父が飲んでいて酒くさかった思い出。
2.悪酔いする
アルコール添加のためか酔いやすい。
3.トロッと甘ったるい
糖質が気になるお年頃。

とはいえちゃんと飲んだことはないよね、一体どんな味なんだろう、
飲まないことには批判はできまい。
ということで酔狂なアトリエトモコ家が飲み比べてみたシリーズ。

  1. OneCupOZEKI(大関)→カップ酒の元祖。すっきり飲みやすい。

  2. まる(白鶴酒造) →灘らしくキリッとして飲みやすい

  3. (月桂冠)→伏見らしくはんなりと甘みがある。

  4. 鬼ころし(清洲桜醸造)→飲むドラッグ。辛口。速攻でお顔が赤くなる危険なお酒。「そうか。私が鬼だったのか。」

伏見や灘は昔酒造見学に行ったのですが、カップ酒もちゃんとそういう個性を感じさせるお味でした。
まずワンカップというコンセプトが良いね。どれも素晴らしい日本酒の叡智の結晶。
美味しく頂けました。
特に、鬼ころしのうまさと恐ろしさに打ち震える夜。
実家によく鬼ころしの大きな紙パックがあったことを思い出しました。
ちなみに鬼ころしとはお酒のジャンル名らしいです。高度数・辛口の。

ハア〜(酒臭い息で)、少し祖父や父に近づけたかな、としみじみする夜。


七本槍[冨田酒造]

かくして、日本酒に苦手意識がなくなったので地酒行ってみよー、とスーパーで買ってきたシチホンヤリ。
水が合うというのか。ミネラル感ある伊吹山麓の清く美しい水の味。
それでいて滋味あふれるフルーティな華もあり。
故郷って良いなと思う味でした。

写真から今村翔吾氏「八本目の槍」を読んだからというミーハーな理由というのはバレバレですね。

「賤ケ岳七本槍」達の眼を通して、浮かび上がる三成の真の姿とは。
この本を読み終えた時、必ず 石 田 三 成 が好きになる。


とか帯で煽られたら読まずにはいられないじゃないですか。
槍たちの、血湧き肉躍る群像劇。

どの槍もカッコイイですが、推しは助右衛門(糟屋武則)ネタバレですが、餓鬼と化した異父兄を屠るトラウマ描写がすごい。
男達の青春風味たっぷりでありながら、ゲームやアニメに慣れ親しんだ世代の、映像が浮かぶようなグロくも美しい文体に、ゾクゾクしました。

最後の槍、市松(福島正則)のお話はミステリータッチ。
佐吉「甲州!甲州!甲州!」
「私も七本槍に数えられたかったものよ!」
ここから推理していくとか面白すぎ。

ほとんど読書感想文になりましたが、とにかく日本酒は日本人の心に沁みますね。
同じ冨田酒造の清酒「石田三成」も買ってきたのでまた次回。


クラフト シチリアンレモンサワー[カルディ]

カルディなんて都会派なお店に行けないレモンサワー好きな私にアノ人が買って来てくれたレモンサワー。

クラフトと名の付く物が好きだ。
特別感。
大量生産の資本主義に逆行して私のために誂えてくれてる幻想を抱かせてくれるから。
そんな私の好みを汲んでくれるあなたが今も多分好きだったなような、そうだったはずなような、アレ?

説明書にビールのような苦味と謳うようにシチリアンレモンの苦味がガツンとくる旨味溢れるナチュラルレモンサワー。幾らか知らないけど高級感ある一杯。

君の大好きなものなら僕も多分明日には好き。みたいなのはもはや幻想だけど、分かり合えやしないってことを分かり合うのさ
理解はしないけどお互いの好みを尊重し合うみたいなのが男女円満、世界平和の一歩かもしれんね。
あ、ところできみの大好物ってなんだろう。

歌詞引用元
スピッツ「大好物」
Flipper’s Guitar「全ての言葉はさよなら」


以上。
酒を飲むと作文も捗る。
それってアーティストがおクスリやっちゃうのと一緒のヤバい動機やん。
でもわかり合えない二人の平行線の交わりにはお酒などの潤滑油は必須かも、しれませんね。

祝日に見放された6月の週末。
どなた様もお疲れさまでした。
みなさまの我慢と気苦労に、乾杯🥂


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