ケラケラ天使
♪子どもたちが 空に向かい 両手を広げ…♪――K保田S紀嬢、昭和の名曲『異邦人』。
もちろん、カラオケ・レパートリー。
短調にして、軽やかにエキゾチック。聞けば歌えば、脳内にゃ赤褐色の砂塵舞う。シルクロード辺りか、西洋とも東洋とも知れぬ石積みの町並…。
わが夢に幾度となく立ち現れる、記憶の深層に沈んだ名も知らぬ町――にも被るイメージ。
♪子どもたちが 空に向かい 両手を広げ…♪
そう、とある秋晴れの空の下。
コドモたちがちっちゃな両手を大きく広げ、掴もうとしていたのは――大道芸、弩級のシャボン玉さねー!
御覧あそばせ、異邦人諸兄!あ、何ならバンクシーとロックウェルも誘ってご一緒に!
ほら、公園の真ん中に…悪意の‘あ’もなき、エデンの日常。
ふふ。
チキュージンの82.965%は足を止め、口角上げーの目尻下げーの…な福笑いは避けられまい。
無論、ジブンも福笑い…で思わず写メった画を見れば!
ケラケラ天使とシャボン玉。
ブヨブヨ生まれるシャボン玉。
時にゃ割れるが、時にゃ天まで。
雪を初めて見る仔猫が如く。今、目の前の純真にゃ実にスペクタクルなブヨブヨなのだろう。
…笑えるわー。
…和むわー。
…穢れ、落ちるわー。
街に蠢く生ける屍の群れに見せたなら、ほどなく生気と活力が甦ろうねぇ。
ケラケラ天使とシャボン玉。
♪…丸々と肉付いた その 顔面に バツ!♪――的《うっせえわ》対象の屍がギャラリーに混じっていたならば。
ケラケラ天使の純真ビームで、テキメン、顔面の謎肉などコソギ落とされていた…
…ん? かもねっ!?