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中庭と薪ストーブのすゝめ

2020年2月末に住み始めた我が家。


家づくりのはじまりは6際の娘が生まれた頃。

数年間の月日を経て、ようやく建築条件付きを外せる土地を見つけた。首都圏近郊のこの地域で、駅から徒歩圏で40坪以上の条件を探すのは一苦労だった。建築条件を外したかった理由は、すでに心に決めた工務店があったからだった。その工務店との出逢いも偶然なら、その工務店の勧める「中庭のある家」という言葉と、そのコンセプトの家を模型で見たときにピンときた瞬間も、偶然という名の必然だったかもしれない。

やっと見つけた土地ではじまった注文住宅。建築中は2度の大型台風に見舞われたり大工さん不足で工期が遅れたりと散々だった。建築中から様々な困難もありながら、それでも現在の暮らしに納得できているのは、突き詰めて考えてみると自分たちの「やりたいこと」を厳選しながら妥協しない取捨選択だったと思う。

3年程前に買い集め始めたキャンプギアたち。

夫と娘と、家族ではじめたキャンプという新しい趣味は、コロナ禍に私たちの予想をはるかに上回るカタチで世に知られ始めた。コロナ禍以前の、ちょうど土地を見つけた頃に家族でキャンプを楽しんでいた頃、私はふとInstagramで素敵な一軒家たちをみる機会があり、その中のひとつに薪ストーブのある家があったのだ。キャンプで楽しんでいた暖かい炎を身近で感じられる家。ああそんなカタチで生活を楽しむ選択肢もあるんだ、と新しい視界が開けた。

ふと思い立って夫に話しをしてみた。すると、数日後には私が見せた形とは違ったなんともスタイリッシュな薪ストーブを夫が見つけてきて、見せてくれた。skanthermという名のその薪ストーブは、私達夫婦を魅了した。

中庭のある家というコンセプトに惹かれて、決めた工務店の社長さんに薪ストーブの話をする。その後その代理店に直接見学に行くことになった。トントン拍子に進んでいく私達の計画は、設計の段階で中庭と薪ストーブ、キッチンなどの配置で紆余曲折しながらも、どうにかこうにか進んでいき、その後地鎮祭や上棟を終えた後に起こった大型台風の上陸で2ヶ月ほど工期が遅れつつも、完成した。

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薪ストーブの稼働しない春夏の時期は、中庭が一部屋分の機能をしながら娘の小さなキッズティピーテントが活躍する。私の趣味のヨガや、ハンモックを吊るして昼寝しちゃいそうな心地良さを、空を見ながら満喫できる。

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秋冬になると、肌寒くなるので中庭での遊びは少し遠のくものの、カーテンの必要ない中庭から日差しが入ることと、他人の視線を感じることなく生活できる解放感もあって、心底リラックスした状態で生活できる。

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冬は薪ストーブの活躍のとき。子どもたちは自然と暖かい薪ストーブの周りで遠赤外線のあたたかさを身体で感じながら思いおもいに遊んでくれる。


春夏を、狭いながらも解放感ある中庭で楽しみ、秋冬は薪ストーブと炎のゆらぎに居心地の良さを感じながら、いま3度目の冬を迎えた。


世のキャンパーさんたちのなかで、まだ家を建てておらず、これから一軒家を建てたいと思っている方達がいたとしたら、私は迷わずこのキーワードを伝えたい。

「中庭」で風と陽射しと季節を感じて

「薪ストーブ」で炎をキャンプの時のように身近に感じられる

そんな家を作るという選択肢もあるよ、と。


私たちが出会った工務店は、大手でもなく有名な住宅メーカーでもないけれど、色々な理由で工期が遅れることもあるけど。真摯に家づくりに向き合う「人」と出会えた。


中庭と薪ストーブのすゝめ。

自然を感じられると、毎日がおもしろい。

もっと人間は自然に還るべきだ。近づくべきだ。

なんて

最近は思っている。


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