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SNSで実の父と再会した話
その昔、わたしが10代後半〜20代前半の頃に突如流行り出したSNS。当時はmixiが主流でした。
紹介制での登録、足跡機能など思い出せばほんとうに懐かしい。恥ずかしい日記とか書いてたんだろうな。今ではパスワードなども忘れてしまい、ログインすらできません。
そこから数年経って今度はFacebookが流行り出して、当時勤めていた会社からもFacebookを登録して活用するように通達があったり、担当していたインバウンドのお客様からも「sachi ! Facebook!!」と誘われていたこともあって登録をしてみました。
これまでSNSといえば匿名でやることが基本だったので、実名で登録するFacebookに多少の抵抗もありました。
登録してまず驚いたことは、昔の同級生やら恋人やら過去のバイト先の人やら、見覚えのある名前が勝手にザクザク出てきたこと。
そして本当に何となくぼんやりと、
「これだけたくさんの人がFacebookに溢れているのなら、父親もいるんじゃ?」
と、ふと思ったのです。
わたしは記憶も残らない頃から母子家庭だったので、父親のことなど何ひとつ覚えていません。
ただ名前だけは、わたしの母子手帳の最後のページに残っていたので知っていました。例えば田中◯郎とか佐藤◯太みたいな、割と世の中に多そうな名前の持ち主。
Facebookで名前を検索。
同姓同名のアカウントがずらっと20件くらい並びました。
そうだよねぇと思いつつ一覧を眺めていると、
そこにはまるでわたしが男性化して年を重ねたらこうなりますよ。とでもいうような顔をした人の写真がありました。
もう一度言いますがわたしが幼い頃(1〜2歳)には両親は離婚していたそうなので父親の顔など全く覚えていません。
だけどもう絶対この人に違いない。
この人わたしの父親だ。
と一瞬で分かり、メッセージを送信しました。
「もしかしたらあなたは私と関わりのある方ではありませんか?」
そこから1ヶ月ほど経って返信が来ました。
「確かに僕にはあなたと同姓同名の娘がいます。もしよければ近況を教えてください」
高校を出てカメラマンの道へ進んだこと
結婚して千葉県に引っ越したこと
東京で働いていること
6月には子どもが生まれること
など淡々と伝えました。
もう24歳だったので、父親とSNSで再会したこと自体は複雑な気分になることもなく、この時代ならではの体験ですごいなぁ話のネタになるなぁくらいの感覚でした。
ただ最後に衝撃を受けたことがひとつだけ。
父親もカメラマンの仕事をしていること。
「今でもあなたの小さい頃の写真を大事に持っています」
小さい頃のアルバムに所々あった、やたら綺麗な写真はこの人が撮っていたものだったのかもしれないと初めて知りました。
それが知れただけでも、このSNS時代に感謝です。