【にじさんじイメージソングアルバム / 制作のお話 3】M3.Hello!World(剣持刀也イメージソング)
前回からの続き。アルバム楽曲紹介の三曲目、今回は刀也くんイメージソングについて。
タイトル、歌詞について
有栖ちゃんに続き、主に配信の内容からキーワードを拾って広げていく書き方です。この手法は書きやすくはあるんですが、引用元に限りがあって他の制作者とも内容被りが起きやすいのが難しいところ。
イメージソングって大まかに
1.ライバー(キャラクター)自身を表すように書いたもの
2.ライバーの目線に立って書いたもの
3.ファンからライバーへの想いを書いたもの
があると思っていて、今回のアルバムの中では有栖ちゃんと刀也くんは1成分多めで少し2が入る感じ。他のライバーの曲は基本的に2、表題曲は3です。あくまでも割合的な話で、どの曲も全部混ざり合ってはいます。
この曲の歌詞は95%くらい吉村作で、その辺り上手いこと
「好きなことで 君の涙を笑顔に変えるよ」とか
「少しの好奇心から 見つけたかけがえない居場所」とか、尖った単語を綺麗に着地させたなー!と思います。
(初めはキーワードを素直に拾いすぎて球団のマスコット名とかお菓子の商品名とかガンガンだったので、それは変えようとだけ言いました)
タイトル「Hello! World」も刀也くんの守備範囲の広さを端的に表していて良いなと思います。
アレンジについて
この辺りまで午前中のイメージです。基本はバンド+ストリングスで、爽やかさに全振りしました。歌のキーが低めなのも相まって、ジャニーズ的な男性アイドルっぽさがあります。
ここまでの「ソーダフロート(BPM138)」、「えびばでぃぐっもーにん!(BPM136)」、「Hello! World(BPM144)」は意外とテンポが近いんですが、メロディの詰め方とアレンジを変えて似た曲だという印象にならないように気をつけました。
細かく刻むパーカッションがあると実際のテンポ以上の疾走感を得やすいかなと思って、楽曲全体の雰囲気作り以外にそういう用途でもよく使っています。この曲だとシェイカーとトライアングルですね。
リズムループやシーケンスも似たような効果が得られるんですが、夏っぽさが出るのはやっぱりパーカッションかなと。アコギもパーカッション的な扱いで入れています。
コーラスはウーアー系とかオクターブ上の重ねとか、色々歌って試しながら最後に入れていきました。
メインのオク上を重ねるのはオーイシマサヨシさんがよく使っているのを聞いて覚えました。女性ボーカル曲だとメインのオク上は高すぎて厳しいことが多くて、こういうコーラスは意外と男性ボーカル曲ならではかも。
ラップについて
刀也くんといえばラップ!ということで入れることは早くに決まっていて、メインの方にラップも歌っていただく予定だったんですが、紆余曲折を経て最終的に僕が歌うことになりました。ゆえの慣れないスタッフが頑張った感…試聴動画ではまだ流れないところで入っています。
TGS2018で「今日も元気に、がんバーチャルライバー」って言ったあとのいわながさんも多分こんな気持ちだったのかなと思います。
せっかくなら何か試したくて、ラップでダブリングするとどうなるんだろうっていう好奇心でセンターとは別にL用、R用も録ったんですが、割と自然で良い感じになったのでそのまま3トラック重ねています。
「はいどーも、剣持刀也ですよー」も少しは似せたいなと思って言い方を探ったのと、似てる=本物と判別がつきにくい、とすると、音質を悪くするとみんな同じような声になるから結果ちょっと似せられるんじゃない?という発想でラジオボイス的な加工をしています。
ラップの締めに入れている、刀也くんのラップバトルでもいつも最後に流れるあの「プゥーン!」という音はレゲエホーンといいます。すごいそれっぽい。
クレジット
作詞・作曲・編曲:Atelier LadyBird(吉村彰一、川崎泰弘)
Vocal:だいこん切っ太郎
Acoustic & Electric Guitar:吉村彰一(@shouichidrums)
Bass:今井真之(@masa_bass)
Chorus, Rap, Piano, Programming:川崎泰弘(@don0924)
次回、M4. もっともっと(月ノ美兎イメージソング)
今回はここまで!
次回は委員長のイメージソング「もっともっと」について書いていきます。
よろしければ、また覗いていただけると嬉しいです。