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AIモデル自体を生成するAI⁈ 開発した【SakanaAI】はどんな会社?

日進月歩、秒進分歩で進化するAI。

そんなAI業界いま、世界中から注目されているスタートアップ企業があります。

その名も『Sakana AI』

本社はなんと日本・東京にあります。

サカナAIの名前の由来は日本語の「魚」から来ており、魚の群れのようにそれぞれの能力は異なるものの、1つにすることで大きな存在となり機能するAIの技術を目標とするところから命名されたとか。

特にAIやデータ活用に積極的な金融業界にとって、Sakana AIは注目されています。

それゆえに三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)など3メガバンクや第一生命などの日本企業10社がSakana AIに出資しています。

さらにアメリカの半導体大手エヌビディアからも資金調達し、創業からたったの1年で、投資総額は驚愕の300億円に達しました。

Sakana AIの特徴

Sakana AIが世界から注目される理由は3つあります。

①AIモデル自体を生成する革新的な技術
②高性能な日本語モデルの開発
③Google出身の研究者などが所属する優秀なスタッフ

ひとつひとつ解説していきましょう。

①AIモデル自体を生成する革新的な技術

まずはなんと言っても、その“革新的な技術”に注目が集まっています。

現在の一般的なAIは、ユーザーが大量のデータを学習させて、そのデータからパターンを見つけ出し、予測や分類を行います。

また、特定の仕事やジャンルに特化したAIモデルを開発することが一般的です。

それに対してSakana AIは、既存のAIモデルを複数かけ合わせて、新しいモデルを自動的に生成する技術を開発しているのです。

もう少しわかりやすく説明します。

AIを生物に例えるとしたら、優秀な遺伝子同士を掛け合わせて、子どもとなるモデルを作り、さらにその中から優れた性能をもつモデルを選別し再び掛け合わせて、より優秀な孫モデルを作っていくイメージです。

この作業によって、無数の組み合わせによる「競争」を勝ち抜いた優れたAIが生まれるという仕組みですね。

Sakana AIが実際に行った実験では、1世代で最大100種を超すモデルをつくり、数百世代にわたって掛け合わせを繰り返したそうです。

また、こうした組み合わせや選抜の工程に人間が介在することなく、AIが自律的に動作するアルゴリズム(計算手法)を用いています。

簡単に言うと、仕事の指示すらもAIが自動化してやってくれるということですね。

しかし、注目される理由はそれだけではありません。

現在のAI開発中に起きているある問題すらも、解決しうる可能性を持っています。

現在のAI開発は、膨大な電力を消費してしまうという問題があります。

エネルギー問題は、環境問題とも密接に繋がっており、昨今の地球温暖化悪化を懸念しているエンジニアもたくさんいます。

Sakana AIは電力問題すらも解決する可能性があるのです。

奥能登豪雨の被害

指示すらも自動化されることにより、従来の方法よりも短時間かつ低コストでAIモデルの開発が可能で、多くの電力を消費する大量のコンピューターも不要。

それゆえに、この膨大な作業量をたったの1日で成し遂げてしまいました。

さすが世界から注目されるAI、恐るべしですね。


②高性能な日本語モデルの開発

現在、特に画像生成AIの分野は、プロンプトを英語で書くモデルが多く存在しています。

Sakana AIは日本に拠点を置く企業ですから、高性能な日本語モデルの開発にも取り組んでいます。

これまで、アメリカのテック企業が自前の大規模言語モデルを開発する際には、基本的に年単位の期間がかかっていました。

条件や方法が異なるため単純比較はできませんが、Sakana AIの新たな手法が実用化されれば、従来通りの大量のデータを学習させて言語能力などを高めていた時間を、最大 数百分の1にできる可能性があります。

この日本語モデルを開発するために、Sakana AIは3つのAIモデルを開発しました。

その3つのAIモデルに関しては、私たちが運営しているブログの方でさらに詳しく解説していますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。


③Google出身の研究者などが所属する優秀なスタッフ

共同創業者はそれぞれ輝かしい経歴の持ち主ばかり。

Google AIの元研究者で同社に12年間勤務していたスタッフや「Stable Diffusion」の開発に関わったスタッフ。

また、日本の外務省出身で、その後はフリマアプリのメルカリで執行役員を務めているスタッフも在籍しています。

そんな世界トップクラスのエンジニア達が、なぜ日本で企業したのでしょう?

理由は、『高度な教育を受けた人材が多いから』だと言います。

アメリカの大手IT企業の間では、人材獲得競争が激化しており、採用にかかる費用がとてつもなく高くなっているそうです。

そのため、北米での研究者獲得競争を避けることも多々あるとかないとか。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
全世界が注目するSakana AIについて、改めてまとめてみましょう。

【Sakana AIはどこがスゴい?】

⭕️人間の手を使わずに最適なAIモデルを見つけることができる
⭕️異なった性質のAIモデルを組み合わせることができる
⭕️従来のAIモデルより高性能・ハイスピード・低価格でAIモデルを生成できる

これからのSakana AIにも大注目ですね!

さらに詳しく知りたい方は、ブログの方でも解説しているので、興味がありましたらぜひ読んでみてください。





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