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Part4 革の性質・牛革②それぞれの革の性質
第四回は、革の性質・牛革②それぞれの革の性質について、です。
![](https://assets.st-note.com/img/1718861880917-rwGZZPGvqN.jpg?width=1200)
前回のブログ(Part3 革の性質・牛革① 牛革とは)で、
牛革は革の中で最も利用度が高く
様々な条件で革が分類されているのが特徴的とお話ししました。
今回はそんな牛革の分類された、それぞれの革の性質についてお話しします。
牛革は大きく分けて2つ、成牛革と中〜子牛革に分かれます。
その2つの中でもさらに分類がされていきます。
成牛革
![](https://assets.st-note.com/img/1717997474-nFWtYLi0jl.jpeg?width=1200)
生後2年以上経った牛の革です。一般的に牛革といえばこちらになります。
成牛一頭分の革はあまりに大きい為、背筋を境に二つにカット(半裁)して流通されています。
大きな面積から、品質の良さ、供給の多さ、用途の多彩さで人気があります。
成牛革、分類3種(カウ/ステア/ブル)
カウ・ハイド
生後2年以上で、出産経験のあるメス牛の革を指します。
(出産:カウ 未出産:カルビン)
[性質]
・中〜子牛には劣るが、キメは細かく滑らか
・丈夫で厚みはある(他の成牛革{ステア、ブル}よりは薄い)
・出産経験による伸縮から、ベリー(お腹部分)はややキメが粗め
◎面積の広さから、ウェア類(コート、パンツ、ジャケット)や
大きめのバッグ(ボストン、トート)に使われています。
ステア・ハイド
生後2年以上で生後3〜6ヶ月以内に去勢したオス牛の革を指します。
生産量・利用度から一般的な牛革はこちらの革になります。
[性質]
・キメ細か
・ブルよりは薄く、柔らかい
・丈夫で厚みあり
・品質アップの為去勢していることから、
比較的穏やかで他の成牛との喧嘩も少なく、傷が少なめ。
◎面積の広さから、ウェア類やバッグ、靴に使われています。
ブル・ハイド
生後2年以上で繁殖用のオス牛の革を指します。
非常に大きな面積が取れます。
[性質]
・キメが粗く、硬い
・丈夫で厚い
・気性が荒く、ケンカが多いことから傷が比較的多い
・ネック、ショルダーあたりは特厚で繊維が粗い
◎厚さと硬さから、靴の底革や業務用ベルト等に使われています。
中〜子牛革
![](https://assets.st-note.com/img/1717997475-8E2EN4VpIv.jpeg?width=1200)
生後から2年以内の牛の革です。
薄くて軽く、非常にキメ細やかで柔らかい牛革の高級品。
量産のものではなく少数生産のものに使われます。
中〜子牛革、分類2種(キップ/カーフ)
キップ・スキン
生後6ヶ月〜2年の中牛の革を指します。
カーフについで高級品な牛革。
成牛の原皮25ポンド(11.5キロ)↔︎キップの原皮15~25ポンド(7~12キロ)ほど
[性質]
・小さい
・薄くて軽い
・キメ細やかで灘らか
・傷が少ない
・カーフよりは厚くて丈夫
◎高級装身具、ハンドバッグや靴の甲革、手袋、ベルト等に使われています。
カーフ・スキン
生後6ヶ月以内の子牛の革を指します。
牛革の最高級品。
カーフの原皮は8~15ポンド(4~7キロ)程度
9.5~15ポンド:ベビーカーフ、9.5↓:ライトカーフ と分けて呼ぶ場合もあります。
子牛といえど全長は100cmほどあります。
[性質]
・薄くて軽い
・繊維構造が非常に細かく、滑らか
・傷も非常に少ない
◎高級装身具、ハンドバッグや靴の甲革、手袋、ベルト、帽子等に使われています。
*他にも実用される牛の革でバッファロー(水牛)があり、
性質は牛革と同様に柔らかく、表面には天然にできたシボがあります。
今回は分類された牛革のそれぞれの性質をお話ししました。
お持ちの牛革製品の革の性質を見比べてみるのも面白いかもしれませんね。
次回は、豚、馬、羊、ヤギ、鹿の革の性質についてお話しします。
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