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嚥下食と介護食

とある依頼から嚥下食にチャレンジすることになりました
嚥下食>簡単に言うと老いや病などが原因で噛む力が弱くなり硬いもの食することが出来なくなった人の食事。専門家のレクチャーとネットの情報収集し学んだ薄い知識と理解ですがむしろ先入観なしで”柔らかいでも美味しく食べれる食事”をテーマにしてみました。
作ってみて感じたことですが(専門家のご意見でもあり)介護食をしての需要も大きいとのこと。
シェフもこの年齢になると介護が身近になり何事も経験と勉強
そして今後の仕事に繋がればと思い試作に取り組みました

今回の自分なりのテーマは3つ
①美味しいものであること
②日常であること
③簡単に作れること

①美味しいものであることはまず自分は料理人として作るのであり栄養や医学の専門家ではいので単純に健常者が食べて美味しいと思うことを重点にしました。
塩分控えめ脂肪分控えめ添加物等は使わないことは意識しましたが後は普通に美味しく食べられる。つまり必要とされてる人も作り手も一緒に同じように食べれることをイメージしました
②日常であることは当然ながら簡単に作れること、身近で手に入る食材であること、ある程度日持ちするものを意識しました。とあるリサーチでは嚥下食を必要とされてる方の食べたいものの一つがお寿司でした。特別感のある料理ではなく日常の食卓に普通であるものをイメージしました
③簡単に作れることで意識したのは例えば施設の調理場で働く人や職業でヘルパーをされてる方、自宅で介護する人に教えるイメージ今回のレシピーを作りました

今回のメニューは日頃お店で提供してる料理をベースに
・とうもろこしの冷製スープ
・キゥイときゅうりの冷製スープ
・鯵の握り寿司
・飲む麻婆豆腐
・飲む麻婆茄子
・ふんわり魚の煮付け
・とろけるメンチカツ
・とろーり親子丼
・蕪のファルシー
・トロトロ納豆ご飯

とうもろこしの冷たいスープはレストラン時代のレシピーを再現
キゥイときゅうりの冷製スープはキゥイは皮付きのまま使います
ご飯は三倍の水分量で炊き上げます
寒天を一緒に入れて炊くことでとろみをつけます
ご飯にすし酢で酢飯を作りラップで巻いて軽く固めることで握り寿司の形にします
鯵はたたきにしましたがもう少し細かくし半分にカットか
もう一回り小さい手毬寿司がいいかもしれません
ベースは豆腐のムース。豚ひき肉はもう少し細かく引くかあえて大豆ミートを使う方が良いかも
飲む麻婆茄子はトロトロの茄子の煮浸しに軽くとろみをつけて冷やしました
魚のムースを煮付けのしたのですがこれは大きく改良しなければいけません
煮汁を吸うことで固くなってしまいました
とろけるメンチカツは豚肉にはあらかじめ火を通し出汁で伸ばしたものをアガー(ゼリー)で固めて
一度冷やしてから細く引いたパン粉漬けです。中にはチーズを挟んでます
イメージはフランスの地方料理の豚足のクロケット
嚥下食としては改良の余地ありでしたが介護食ならこ
れで完成でいいでしょうとのご意見をいただきました
あらかじめ出汁に浸した鶏むねの挽肉を柔くに煮た玉ねぎと一緒に下地にひき
湯葉を加えて卵で閉じました。とろみも軽くつけてますので口からこぼすことなく
ご飯と一緒に食べられるイメージです
蕪の中には出汁で浸して柔らかくした挽肉を軽くゼリーでつなぎ
蕪の中に入れて昆布出汁で煮込みました。上の緑は蕪の葉を柔らかく茹でてミキサー
仕上げにバターの香りでフランス料理風
納豆に山芋を加え出汁で伸ばした納豆
ご飯や麺にかけて食べます

専門家にも食して頂きご意見をいただきました
嚥下食を必要とされる方の具合の程度にもよりますが
そのまま使えるもの、改良しれば使えるもの、介護職としてはいけるもの
一つ一つ細かくご意見とご指導をいただきましたので
自身ももう少し勉強して精度が上がった時は
『時短簡単介護の食事』としてセミナーを立ち上げようと思います
興味のある方や今実際に取り組んでる方のご意見をいただきたいです



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