21-1 塩化ビニル樹脂の成形不良対策



塩化ビニル樹脂の不良現象と対策

表面がざらつく

  1. ダイの加熱不充分。

    • ダイの加熱を増加させることで表面の質を向上させます。

  2. ダイ全体の長さが短い(ランドが短い)。

    • ダイの長さを調整して、均一な押出しを実現します。

  3. 原料の滑性が不足している。

    • 原料の滑性を向上させるため、適切な滑剤の使用を検討します。

  4. 押出速度が早すぎる。

    • 適切な押出速度に調整して、表面の仕上がりを改善します。

  5. 原料が吸湿している。

    • 乾燥した原料を使用するか、乾燥機の調整を確認します。

  6. ダイ面がプレートアウトしている。

    • ダイのメンテナンスを行い、適切な状態に保つことで表面を改善します。

多孔質になる

  1. コンパウンドを加熱している。

    • コンパウンドの加熱を最適化して、多孔質の発生を抑制します。

  2. 空気または揮発分が混入している。

    • 原料の品質を確認し、コンパウンド中の不純物を取り除きます。

  3. スクリューの圧縮比が少ない(粉末押出の場合)。

    • 適切なスクリュー設定を行い、圧縮比を調整します。

製品の歪が著しい

  1. 低温押出で引落し率が大きすぎる。

    • 引き落とし率を適切なレベルに調整します。

  2. 冷却水の温度が低すぎる。

    • 冷却水温度を適正に設定して、均一な冷却を実現します。

  3. 製品が均一に冷却されていない。

    • 冷却の均一性を確保するために、製品の配置や冷却システムの改善を行います。

製品に波をうつ

  1. ホッパへの供給方法が不適当である。

    • 適切なホッパ供給方法を検討し、均一な供給を確保します。

  2. 背圧が不足している。

    • 背圧を増加させて、製品の均一な押出しを実現します。

  3. スクリューの冷却が不十分である。

    • スクリューの冷却を向上させ、一貫性のある押出しを確保します。

  4. ペレット(粒状原料)の形状が不均一である。

    • 一貫したペレット供給を確保するために、原料の形状を最適化します。

  5. 温度調節器の感度不良。

    • 温度調節器を点検し、正確な温度制御を行います。

硬質PVCパイプおよび異形品の不良現象と対策

肉厚の不同

  1. ダイのスリットとランドの取り方が間違っている。

    • ダイの設計を見直し、均一なスリットとランドを確保します。

  2. ダイの樹脂導入口の設計不良。

    • ダイの樹脂導入口の設計を最適化して均一な樹脂供給を実現します。

  3. 温度調節器の感度不良。

    • 温度調節器の精度を向上させ、均一な温度制御を行います。

  4. 樹脂中の滑剤が多すぎる。

    • 滑剤の配合量を適切に調整して肉厚の均一性を向上させます。

偏肉ができる

  1. 芯合せの不完全。

    • 芯合せのプロセスを見直し、完全な芯合せを実現します。

  2. ヒーターの加熱の不均一。

    • ヒーターの均一な加熱を確保するために、ヒーターのメンテナンスを行います。

  3. ホーミング法などで、ダイが部分的に冷却されて樹脂の流れが変った。

    • 適切なダイ冷却システムを確保して、均一な樹脂流れを維持します。

表面に光沢がない

  1. ダイの加熱不充分。

    • ダイの加熱を増加させ、表面に光沢をもたらします。

  2. ダイ全体の長さが短い。

    • ダイの設計を見直し、適切な長さを確保します。

  3. 原料の滑性が不足している。

    • 滑性を向上させるため、原料に適切な滑剤を追加します。

  4. ダイ内面がプレートアウトしている。

    • ダイのメンテナンスを行い、内面の清掃を実施します。

  5. 押出速度が早すぎる。

    • 適切な押出速度に調整して、表面の仕上がりを改善します。

  6. 原料が吸湿している。

    • 乾燥した原料の使用を確認し、吸湿を防ぎます。

表面が平滑にならないで凸凹している。

  1. 滑剤、または金属石鹸の配合量が多すぎる。

    • 適切な配合量に調整して、平滑な表面を実現します。

  2. 原料の練り不足、または混練りの不均一。

    • 原料の混練りプロセスを見直し、均一な状態を確保します。

  3. ダイ設計の不良。

    • ダイの設計を最適化して、均一な押出しを実現します。

  4. シリンダ(バレル)内の内圧が不足している。

    • 内圧を調整して、均一な押出しを確保します。

  5. 押出機の温度が不均一である。

    • 温度設定を均一に調整し、一貫性を向上させます。

  6. 硬度差のあるペレット(粒状原料)が混入している。

    • 一貫したペレット供給を確保するため、原料の品質を確認します。

表面がざらつく

  1. 滑剤が不足している。

    • 適切な滑剤の使用を確認し、表面のなめらかさを向上させます。

  2. ダイ内面がプレートアウトしている。

    • ダイの清掃とメンテナンスを行い、滑らかな表面を確保します。

  3. ダイの温度が不足している。

    • ダイの温度を適正に設定して、表面の品質を向上させます。

  4. 安定剤の不足と加熱による表面分解。

    • 適切な安定剤の使用と温度管理で表面分解を防ぎます。

製品に異物またはゴミがある

  1. 他のペレット(粒状原料)が混入している。

    • 原料の供給を確認し、異物混入を防ぎます。

  2. ゴミまたは分解物が出ている。

    • プロセスや設備の点検メンテナンスを強化し、異物発生を防ぎます。

  3. ブレーカープレートの金網が破損した場合。

    • 金網を交換して、異物混入を防ぎます。

表面に線状に異物が出る

  1. 安定剤、顔料の混練り不充分。

    • 混練りプロセスを最適化し、異物の均一な分散を確保します。

  2. 充填剤の分散不良。

    • 充填剤の均一な分散を確保するために、プロセス条件を調整します。

  3. スパイダーマークの発生。

    • ダイや成形条件を見直し、スパイダーマークの発生を防ぎます。

製品に気泡が出る

  1. シリンダ(バレル)の温度が高過ぎて配合物が分解しでガスが発生した。

    • 適切な温度管理を行い、気泡の発生を防ぎます。

  2. ペレット(粒状原料)に気泡が入っている。

    • 原料の品質を確認し、気泡のない原料を使用します。

  3. ペレット(粒状原料)が湿気を吸収している。

    • 乾燥した原料を使用し、湿気の影響を防ぎます。

製品の物理強度が低下した。

  1. 原料の混練り不足。

    • 混練りプロセスを改善し、物理強度の向上を図ります。

  2. 押出加工時の内圧不足。

    • 内圧を適正に設定して、物理強度を向上させます。

  3. 配合順序の間違い。

    • 適切な配合順序を確認し、物理強度を最適化します。

  4. スパイダーマークがでている。

    • スパイダーマークの発生を防ぐために、ダイや成形条件を見直します。

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