6-2 サイジング


サイジングとその方法

押出成形において、サイジングはダイの後に配置され、最終製品の寸法を決定する重要なプロセスです。サイジング装置は成形品の寸法精度と生産スピードに影響を与えます。異なるサイジング方法が、成形品の種類、形状、精度の要求、生産スピードなどに基づいて組み合わされます。

サイジング方法

  1. すべりサイジング

    • サイジングロールが押し出された製品の表面に密着し、摩擦を利用して成形品の形状を決定する。

  2. 空気加圧サイジング

    • 空気を利用して成形品をサイジングする方法。

    • 成形品に均一な空気を加圧し、形状を安定させる。

  3. 真空サイジング

    • 真空を用いて成形品をサイジングする。

    • 成形品の表面をダイに吸い付け、寸法を安定化させる。

  4. 多板式サイジング

    • 複数のサイジングプレートを使用して成形品をサイジングする方法。

  5. 内径サイジング

    • 成形品の内径をサイジングする手法。

  6. ロールサイジング

    • ロールを使用して成形品をサイジングする。

    • 成形品がロールに沿って移動しながら形状が決まる。

  7. ドライバーキュームサイジング

    • ドライバーキュームを使用して成形品をサイジングする方法。

  8. ウェットバキュームサイジング

    • 湿潤した状態で真空をかけ、成形品をサイジングする手法。

これらのサイジング方法は、成形品の特性に合わせて選択され、最終製品の寸法精度と品質を確保します。

すべりサイジング

すべりサイジングは、主に開放型の異形品の成形に使用され、異なるタイプが存在します。すべりサイジングは、ダイから押し出された樹脂がサイジングダイの中を通りながら冷却されるプロセスです。冷却方法には主に直接冷却法と間接冷却法があります。

直接冷却法

この方法では、サイジングダイが直接水槽中に固定され、水冷することが一般的です。直接冷却法は広く使用されていますが、急激な冷却により異なる部位の肉厚が影響され、内部歪みや湾曲の発生が考えられます。

間接冷却法

急激な冷却による問題を緩和するため、空冷と併用されることがあります。ダイが水槽に固定されず、冷却媒体を用いない方法です。この方式を採用することで、成形品の内部応力を抑制し、湾曲や歪みの発生を軽減することが期待されます。

これらのサイジング法の選択は、成形品の形状や要求される品質によって異なり、最終的な製品の寸法安定性に影響を与えます。特に異形品の成形では、冷却プロセスの適切な管理が品質向上に重要です。

空気加圧サイジング

空気加圧サイジングは、主にパイプの成形に使用される方法です。この手法は、ダイ出口に直接連結した円筒の内面にパイプの外面を接触させ、同時に冷却しながら外径を決定するプロセスです。具体的な手順としては、パイプの外面がサイジングダイの内面に触れ、同時に冷却されていきます。

この方法では、以下の要点が挙げられます。

  • 使用用途: パイプの成形

  • 動作原理: 空気をパイプの内部に送り、外圧をかけてサイジングダイに密着させる

  • 栓: パイプに空気を送り込むため、パイプの一端を栓で閉じる必要がある

  • フローティングプラグ法: 定尺切断時に1本ごとに栓をすることが難しい場合、フローティングプラグ法が採用される

この手法は、パイプの外径を確実に決定するために有効であり、パイプの製造において品質と寸法の一貫性を確保するのに寄与します。

真空サイジング

真空サイジングは操作が容易で広く使用されているため、内径サイジングから切り替わりつつあります。真空サイジングには "ドライバキューム法" と "ウェットバキューム法" の2つの方法があります。これらはそれぞれ間接冷却法と直接冷却法として機能します。

ドライバキューム法

  • 使用用途: 異形パイプなどのサイジング

  • 動作原理: 真空室で樹脂を吸引し、間接水冷した冷却室の内面に接触させて冷却

  • 特徴: 操作が容易であり、異形パイプのサイジングに有効

ウェットバキューム法

  • 使用用途: 主に内径サイジング

  • 動作原理: 水封式真空ポンプで空気と冷却水を排水し、減圧状態の冷却水槽内を通過させる

  • 特徴: 冷却水槽の減圧により、サイジングダイは簡単な構造で済む

"ウェットバキューム法"のサイジングタンクは水槽自体が減圧されるため、サイジングダイは非常に簡単な構造で済みます。

これらの手法は、成形品の形状や要求される冷却方法によって選択され、内径サイジングの進化と共に真空サイジングはより広範なアプリケーションで使用されています。

内径サイジング

内径サイジング法は、大径のパイプ成形に使用され、ダイのマンドレルからダイの外部に突き出した別のマンドレルパイプの内面を水冷却する方法です。この手法は、小径のパイプには適しておらず、主に大径のパイプに対して効果的です。

内径サイジングの特徴

  • 使用用途: 大径のパイプ成形

  • 動作原理: 別のマンドレルパイプの内面を水冷却し、成形品の内径を決定

  • 適応範囲: 大径のパイプに対して有効

内径サイジング法は、大径のパイプを一貫して形成するのに適しており、成形品の内径を確実に制御できます。ただし、この手法が効果的であるためには、対象となるパイプの径が比較的大きい必要があります。


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