3-1 スクリューの構造とその機能(主として一軸機)
一軸スクリューは、以下の主要な部分から構成され、それぞれが特定の機能を果たしています。
供給部(フィードゾーン)
供給部はホッパ下4~8ピッチの同一深さの部分で、ホッパから投入された材料を次の圧縮部に送り込みます。成形材料は、シリンダ(バレル)からの予熱を受けながら固形のまま輸送されます。供給部の目的は、摩擦を大きくして樹脂の前進を促進することです。表面の摩擦を小さくするために、スクリュー面は滑らかな表面仕上げが施されます。供給部は溝付きにすることで押出量を増加させる方法もあります。
圧縮部(コンプレッションゾーン)
圧縮部は供給部から供給された固形材料を圧縮し、加熱・混練され、溶融状態にして次の計量化部に送り込みます。この部分では、材料内部の空気、水分、揮発分を取り除き、材料を固形体から粘弾性体に変化させます。圧縮方法には、連続圧縮型(漸次圧縮)や急圧縮型(急激圧縮)などがあります。圧縮部の溝深さは、目的によって異なり、連続圧縮型では10~14ピッチ、急圧縮型では2~5ピッチとなります。
計量化部(メタリングゾーン)
計量化部は圧縮部で溶融した材料を一定圧でダイに送り出すスクリューの先端部です。この部分の設計が非常に重要であり、一定の圧力と量で樹脂をダイから押し出すことが求められます。計量化部には一定の溝幅と溝深さのスクリュー溝が4~6ピッチ設けられ、これによって溶融材料の流量を一定にし、圧力も一定に保つことができます。
ミキシング部(ミキシングゾーン)
ミキシング部は計量化部の先の部分で、混練された材料が最終的な形状に整えられます。昔は特別な目的がない限り使用されていませんでしたが、近年では樹脂の混合効果を向上させるために種々の形状のものが使用されるようになっています。例えば、ダルメージ型ミキシング部は、特定の樹脂の着色や軟質PVCの均質化に使用されます。多条ミキシングピン型スクリューも、樹脂の均質化を目的として広く使用されています。
圧縮比(CR)と有効長(L/D)
押出機の性能を左右する重要な要素として、スクリューの"圧縮比(Compression Ratio)"と"有効長(L/D)"が挙げられます。これらは成形品の品質や精度に大きな影響を及ぼします。
圧縮比(CR)とその計算
圧縮比は、スクリューの供給部(ホッパ下の根本の部分)と計量化部(先端部)の溝部の1ピッチあたりの体積の比です。樹脂別に異なり、一般的な値は以下の通りです。
硬質PVC: 2.4~2.7
軟質PVC: 2.7~3.1
PE: 3.4~3.7
圧縮比の計算例
圧縮比(CR) = (供給部の体積) / (計量化部の体積)
有効長(L/D)とその計算
有効長は、スクリューのホッパ下のねじの切り始めから先端までの長さ(L)とスクリューの直径(D)との比率です。一般的な一軸スクリューでは、有効長(L/D)が28の場合、スクリューピッチ数も28です。最近では26~28が広く採用されています。
有効長(L/D)の計算例
有効長(L/D) = (スクリューの長さ) / (スクリューの直径)
有効長が大きいほど以下のメリットがあります。
材料の混練りと加圧が十分に行われる
成形品の物理的強度が向上
押出成形が容易
製品の寸法を均一にしやすい
押出量が増加する(約10~20%)