13-1 プラスチックネットの押出装置
ネットの種類と用途
従来からプラスチックの網はモノフィラメントを製網することによってつくられています。しかし、製網の合理化が目的で開発されたのが押出法による直接製網法です。この原理を基にして各種の技術が開発され、使用される原料はLDPE、HDPE、PP、SPVC、発泡PS、発泡PEなどがあります。ネットの形状には菱形ネット、角形(トリカル)ネット、亀甲形ネット、変形異ピッチネット、糸補強ネット、発泡ネット、2色ネットなどがあり、これらはそれぞれ異なる用途に利用されています。
ネット押出の原理
プラスチックネット押出の原理は、フラメントを押出す孔が互いに接触している別々の金型の接触面に、おのおの半分ずつうがってあって、互いに押出しと直角方向にすべり動くことによって、両金型の半分の孔が互いに合致した点で編目、節(ふし)ができ、それ以外のところが網糸となるわけである。ネットの製法は、大別して円形ダイ法とフラットダイ法があり、また接着方式にはダイ内接着法とダイ外接着法があります。
菱形ネットの製法
ダイ内接着法
この方式では円形ダイにより、内外ダイノズル相互の回転、一方のみの回転または反復揺動により、対称形、非対称形の網目となり、ノズルの溝穴の形状、配置によっても種々の変形や、異ピッチの網目が成形できます。押出されたネットは冷却水槽中でサイジングマンドレルを通して冷却固化させ、水切りしそして引取り、巻取りますが、一般にはネットの引張り強度を向上させるため熱水または熱風中で延伸を行なう必要があります。
ダイ外接着法
この方式では一般に発泡PEネットが成形されます。
トリカルネット(角形ネット)の製法
長方形ネット(トリカルネット)が最近多方面に使用されています。この形状のネットの製法は前述の菱形ネットの製法とは根本的に異なっており、フランスのソシエテ・アノニム・リカルが開発した方法があります。この方式は一般化されたブロー成形におけるバリソンコントロールと同一のもので、円錐表面を持った固定マンドレルと、先端が櫛状に加工された環状表面を持つ環状の櫛状体から成ります。