14-1 コルゲートパイプの製造設備


コルゲートパイプとその用途

コルゲートパイプ(波形チューブ)は軽量で曲げやすい構造でありながら、大きな耐圧力や偏平化強度を備えているため、電気配線材保護チューブや化学廃液の排水など、さまざまな用途に使用されています。例えば、パイプの谷部に円周方向に穴をあけたものは、水田、畑地、草地、果樹園、競技場などの集水および排水に広く使用されています。主に使用される樹脂はPE、PPなどのオレフィン樹脂ですが、RPVC、ABS、PC、ナイロン、ウレタンエラストマーなども使われます。

コルゲートパイプの製法(加圧法と真空法)

このパイプの製法はロータリー式連続中空成形法と原理的によく似ています。基本的な機構はストレート式パイプダイですが、先端部が突出しており、成形金型の中に挿入されているのが特長です。成形金型は二つ割になった多数の金型をチェーンによりキャタピラ式に連結したもので、パイプ状に押し出された溶融パイプは、成形金型の中で加圧空気により膨張して金型キャビティ内に拡大され、同時に冷却されて所望の形状となります。真空吸引式も広く使用されており、この方法ではプラグ(空気止め)が不要です。成形装置はキャタピラ式であり、引取り装置、孔あけ機、巻取機が付帯しています。

コルゲートパイプの移動敷設

コルゲートパイプは最小5mmφから最大1,500mmφ以上のものまで開発されており、軽量であるが、容積が大きいため輸送コストがかかります。一ヵ所での使用量が多い場合は、トラック輸送車の中で現場生産することも行われています。特に500mmφ以上の大口径パイプの場合は、成形スピードでトラックを移動させることにより敷設を同時に行うことができます。


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