5-1 押出機の付帯設備


ブレーカープレートとスクリーンチェンジャー

ブレーカープレート

ブレーカープレートは、スクリューの先端と金型の間に金網(スクリーン)と共に配置され、主に以下の目的で使用されます。

  • 異物濾過: 材料中の異物を濾過するため

  • 背圧上昇: シリンダ(バレル)内部の背圧を上げ、樹脂の混練り効果を向上させるため

ブレーカープレートには、通常18-8ステンレス製の金網が使用され、30~120メッシュ程度のものが1枚~数枚重ねられます。開放や清掃の容易さのため、ブレーカープレートとダイを保持するダイプレートは素早く開放できる構造となっています。

スクリーンチェンジャー

スクリーンの取り換えは押出機の停止を必要とするため、通常は自動交換装置が使用されます。主な2つの方式があります。

  • バルブ切換方式:押出機の流れの途中に2つのバルブを設け、運転中に清掃ができるようになっています。

  • スライド方式:スライド板に2つの孔があり、油圧で瞬時に切り替え、露出したスクリーンを取り外して清掃する方法です。最近では様々なオートスクリーンチェンジャーが開発されています。

これらの設備は生産の効率向上と安定性のために重要であり、適切な選定と定期的なメンテナンスが求められます。

スクリュー回転計と電流計

押出成形において、スクリューの回転数と負荷電流は重要な要素です。スクリュー回転数は押出条件によって異なり、モーターの負荷と変動には特に注意が必要です。モーターの最大負荷は通常モーター馬力の3倍程度と考えられますが、定常運転においては最大負荷の70~80%が最適とされています。負荷電流が変動している場合は、機械的な異常がある可能性があるため注意が必要です。

スクリュー回転数の測定方法

a. コンデンサー充放電法

回転軸に接続子を取り付け、コンデンサーを電池で充放電させる方法です。電流計の指示は回転速度に比例し、速度はコンデンサー容量、電源電圧、接続子の数から計算できます。

b. 発電気法

一般的に用いられる方法で、小型の発電機を回転軸で回転させ、回転速度に比例して発生した発電機の電圧を計測する方式です。発生電圧に比例した回転目盛をつけることで、回転数を知ることができます。

c. ストロボスコープ法

ストロボスコープを使用して、スクリューの回転速度を視覚的に確認する方法です。ストロボスコープの点滅頻度を調整して、スクリューの回転に同期させ、動きを止めて確認します。

これらの方法はスクリューの正確な回転数を測定するために使用され、生産プロセスの制御と品質管理に重要です。

熱電対と樹脂圧力計

a. 熱電対

熱電対は、異なる種類の金属線を一端で溶接したもので、溶接した側を測温接点、逆側を基準接点(冷接点)と呼びます。測温接点と基準接点に温度差を与えると、熱の力で電力が発生します。基準接点の温度を一定に保つことで、生じた電力から測温接点の温度を知ることができます。主な種類には、白金とロジウムの合金線を組み合わせたPR(白金ロジウム-白金)熱電対、AC(クロメルアルメル)熱電対、IC(鉄コンスタンタン)熱電対、CC(銅コンスタンタン)熱電対などがあります。

b. 樹脂圧力計

樹脂圧力計にはいくつかの種類があります。

1. ブルドン管式圧力計

ブルドン管式圧力計では、接続部にプランジャーを挿入し、プランジャー上部とブルドン管内にシリコングリースを充満させます。圧力は、プランジャーシリコングリースを介してブルドン管に伝えられます。ブルドン管先端には、グリース充填のための排気孔があります。

2. 抵抗線歪計式圧力計

抵抗線歪計式圧力計では、物体の変形により発生する歪みを検知して、それを変換して圧力を計測します。歪みゲージが貼り付けられた構造が一般的です。

3. 油圧式圧力計

油圧式圧力計は、油圧を用いて圧力を測定します。油の変位量が圧力として読み取られます。

これらの計測装置は、押出成形プロセスにおいて温度や圧力の正確な制御とモニタリングに重要です。


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