【ライジングについてちょっと考えてみた】
私が学生の頃,伊達公子さんが全盛期でした。伊達公子さんといえばライジングショットです。相手の強打をコンパクトなスイングで,速いテンポでオープンスペースに返球するというプレイスタイルで,ボールの軌道も低く,ランキング上位の選手と対等に戦っていました。
今では錦織圭もフェデラーも大坂なおみもベースラインの内側に入ってリターンするなど,ライジングは当たり前の技術になっています。
バウンドテニスでも,最近はライジングで打つ人が増えてきているのかなぁと思います。
過去撮った自分の動画を見直してみると,本格的にライジングを練習し始めたのが2017年でした。何か変えんとだめや!と思ってやり始めたと思います。まだ3年しか経っていません。自分自身色んなものを試して少しずつ変化していっているんだなーと改めて気付きました。
ライジングについては,私は本当にせっかちな性格なので,ボールを待って打つよりも,早く打ちたい!ライジングはそんな私にもってこいの打ち方でした。という訳で,今回はライジングについて説明したいと思います。
<ライジングショットとは>
ボールが弾んでから頂点に達する前に打つショットの事です。
普通のショットより技術的に難しいと言われていますが,練習して習得すると,たくさんのメリットがあります。
<ライジングの打ち方>
私は普通のフォアハンドの打ち方と基本的なフォーム自体は変わりません。ただ,1.スプリットステップ 2.テイクバック 3.インパクト 4.フォロースルー の中で,2から3に行くまでのスピードが速くなります。普通では1・2・3というテンポだったのが,1・2,3というテンポになります。2-3を速くすると,自然にスイングスピードが上がります。
どうしても振り遅れてしまうという方は,テイクバックをせず,インパクトの位置にラケットを用意するイメージで上半身を捻り,そこから打ちだすようにするといいと思います。
構える位置はベースラインぎりぎりか,一歩下がったところにします。そして,向ってくるボールを迎えに行くイメージで打ちます。普段打っている打点よりもボール2~3個分前で打つ感じですかね。上半身だけでボールに近づくのではなく,必ず足も近づけるようにします。
<ライジングの利点>
ライジングを打つことでどんなメリットがあるのでしょう。私なりに考えてみたことをいくつか挙げてみます。
①パッシングショット(ボレー抜き)で相手ボレーヤーが構える前に打てる。
②ストロークで相手が準備する前に打つことができる。
③相手のボールの力を利用して打つことができる。
④ドロップショットなど短いボールが来た時にも前で構えている分対応が早くできる(自分の守備範囲が広がる)。
⑤角度をつけたボールを打たれたときに,コート外に追い出される距離が少なくなる。
⑥トップスピンやスライスなどの強い回転がかかったボールを打たれたときに,ボールが地面についてから弾んだり滑ったりする前に打てる。
⑦動く距離が短くて済むので体力の消耗が普通よりも少ない。
⑧いろんなタイミングで打てるようになることで,相手のペースを崩せる。
結構たくさんありますね。そろそろ練習したくなってきましたか?
では,次に私がライジングを練習し始めて大変だったことをいくつか挙げてみます。
①自分が早く打つ準備をしなければならない。
②深くて速いボールを打たれたときの対応が難しい。
③ボールがゆっくりで後ろで構えるタイプのプレーヤーには早く返球しても効果が薄い。
上記の3つに対する対処法
① に対しては,テイクバックを小さくするか,1・2,3のタイミングを取れるようになるまで声に出して言うか心の中で数えるようにしていました。1は相手が打ったタイミングです。
② については,ベースラインぎりぎりに立っているので,ボールが弾むか弾まないかのところで打つことになってしまいます。また振り遅れやすいので,面が正面を向くまでにボールがラケットに当たってしまい,ネットすることが多くなります。なので,私は自分の膝を曲げて全体的に低い体勢を取って低いバウンドに対応するか,体重を後ろ気味にして打点を遅らせて打つようにしています。大坂なおみ選手も膝をコートにつけるぐらい曲げて打つのをよく見ますがそういうことなんだろうと思います。
③ は試合時のことなんですが,相手が後ろで構えているとボールを打ち返すまでに時間に余裕ができるので,一生懸命タイミングを早くして打っても,時間的に±ゼロになってしまい,ライジングが有効ではなくなります。そのような相手には作戦を変えて,ボールに角度をつけるか,前後に動かすかにするのがいいのかなと思います。
<ライジングの練習方法>
・タイミングを掴むために,ボールをショートバウンドで,手でキャッチする練習をする。
・ショートラリーで短いボールを早いタイミングで打つ練習をする。
・ベースラインの内側にずっとポジションを取った状態で普通のラリーをする。
・相手の打った球が少しのアウトなら打ち返す。アウトボールは自分の足元ギリギリにバウンドするということなので,それを相手コートに返せるようになればライジングはもっと簡単になります。アウトボールをわざわざ止めてしまうのはとても勿体ないです。
という訳で,いろいろ説明しましたが,今回も動画を撮ったので,文章で分かりにくい部分は動画を見てみてください。球出しのボールが弾む位置はほとんど変わりませんが,ライジングだとコート内に入って打っています。
もう見た方もいるかもしれませんが,この動画 ↓ ではほぼライジングでしか打ってません。
もう新しいラケット使ってみましたか?結構買っている人多いですね!
バウンド仲間がいろいろ情報あげてて面白いです。