効率的にTDOしよう! 掲載率・CTR/CVR上昇に貢献するGoogle広告TDの要素を分析
こんにちは!株式会社エイチームライフデザインで、引越し事業&ブライダル事業の広告運用・事業推進を担当している牧です。
突然ですが、アドマーケティングに従事されているみなさんは日々の業務の中で、どのくらいの時間をTDO(広告文の最適化)に充てられておりますでしょうか??
ご自身の役割・リソース等によるかと思いますが、経験を重ねて担当・責任範囲が広がっていくほど、純粋なTDOに割ける時間は減っていっているのではないでしょうか。
私も入社4年目から月商数千万円以上の事業を2つ担当するようになり、少ない時間で効果的なTDOを実施する方法を模索しています。
そこで今回は、引越し事業のGoogle広告において、効率的なTDOのために
①掲載率の高いTD(広告文)に多く含まれている要素
②CTR/CVRの高いTDに 〃
を分析した結果をご紹介できればと思います。
TDO(広告文の最適化)について
TDOとは
Google広告・SNS広告などで使用するTD(広告文)について、様々な文言とその組み合わせを試しながら、より成果を高められる文章に最適化していくアクションを指しています。
どんなTDが最適かはユーザーのニーズや属性などによって異なるため、それぞれに合わせたものを作り出していく必要があります。
TDにおける重要指標
TDの優劣の判断基準としては、一般に以下が挙げられます。
広告のクリック率(CTR)
コンバージョン率(CVR)
広告の掲載率
広告の掲載率とは、同じ広告グループに複数設定されているTDのうち、そのTDが表示された割合を指します。
(そのTDのインプレッション ÷ 広告グループ全体のインプレッション)
どのTDをユーザーに表示するかは広告媒体側(Google広告の場合はGoogle側)で都度決定されるため、TDOで成果を上げるためにはCTR/CVRだけではなく、広告媒体側にも評価されるTDを作成して掲載率を上げる必要もあります。
(TDを1つだけにすれば掲載率は100%になりますが、実際にはより多くの検索語句・ニーズに対応できるよう複数のTDを設定する場合が多くなります)
検証の内容
目的
引越し事業において、成果の良いTDを効率的に制作するために、以下を抽出する分析を実施しました。
①掲載率の高いTD(広告文)に多く含まれている要素
②CTR/CVRの高いTDに 〃
分析内容
引越し事業(引越し料金見積もりの比較サービス)のGoogle広告アカウントで使用しているTDの広告見出しを対象に、それぞれの条件に該当するものについて、比較分析を行いました。
①全てのTDにおいて、出現頻度の高い単語
②各広告グループ内で掲載率40%以上のTD 〃
③各広告グループ内でCTRが平均比105%以上のTD 〃
④各広告グループ内でCVRが平均比105%以上のTD 〃
結果
①全てのTDにおいて、出現頻度の高い単語
これが比較の基準になります。引越し料金見積もりの比較サービスなので、その関連ワードが順当にランクインしています。
②各広告グループ内で掲載率40%以上のTDにおいて、出現頻度の高い単語
掲載率の高いTDについては、①と比較して、後述のようにGoogleの評価アルゴリズムに深く関連した傾向がありました。
2位の「業者」については順位の変動はありませんが、①と比較して出現率は約130%に上昇しました。
ご存じのようにGoogleのアルゴリズムでは、ユーザーニーズとの関連性が強いほど高評価に繋がるとされています。
そのため、「業者」のような引越しと親和性の高い単語は、掲載率の向上(Googleの評価)に繋がりやすいと考えられます。
また、5位の「○○年」は、出稿時点の年号を表記しているものです。
6位の「地域名」は、Googleの位置情報を用いてユーザーのいる場所の市区町村名を表示しているものです。
Googleのアルゴリズムでは、情報の最新性や地域性を、ユーザーニーズとの合致度を高める指標として評価に加味していると言われています。
そのため、TDにおいてもそれらを用いることで掲載率の向上に繋がりやすいと考えられます。
③各広告グループ内でCTRが平均比105%以上のTDにおいて、出現頻度の高い単語
CTRの高いTDについては、②とは全く異なる分析結果となりました。
ここでは「シミュレーション」の順位が一気に向上しました。
②の掲載率の高いTDにはあまり入っていない(=Googleからは評価されにくい)単語でしたが、ユーザーにとっては魅力的な要素・機能であり、両者の評価にギャップがあるようです。
ランク外ですが「見積もり」も①より出現率が上昇しており、ユーザーにとって料金が分かることは非常に魅力的で、クリックを促されると推定されます。
ただし、「料金」という単語そのものは①と比較して出現率に変動がありませんでした。
他方、「単身」「パック」は出現率が上昇していることから、「"自分の場合どうなのか"が分かる」ことを指す単語はCTRに貢献度が高い可能性が考えられそうです。
一方で「業者」は、③では大きく出現比率が下がりました。
②の結果のように「引越し」と「業者」は親和性が高いですが、それ故にユーザーにとっては特段目を引かない、クリックしたくなるような魅力的な表現ではないと推定されます。
④各広告グループ内でCVRが平均比105%以上のTDにおいて、出現頻度の高い単語
CVRの高いTDについても、「シミュレーション」が①②と比較して大きく順位を上げました。
「シミュレーション」と同じく、「見積もり」も①より出現率が上昇しており、コンバージョンにも繋がりやすいと推定されます。
また、②では高評価だった「業者」「○○年」「地域名」はCTR/CVRでは目立って変化がなく、ユーザーにとっては魅力的ではないようです。
結論
①~④の分析結果から、TDの掲載率・CTR/CVRと関連性の強い要素について、下記の結論となりました。
TDの掲載率を高める要素
ユーザーニーズとの親和性
情報の最新性や地域性
TDにおいても、Googleのアルゴリズムから評価されやすいようです。
一方で、CTR/CVR向上には関連性がない結果となりました。
TDのCTR/CVRを高める要素
「"自分の場合どうなのか"が分かる」ことを指す単語
シミュレーション・見積もり・単身など、それぞれのユーザーにとって自分の条件での情報が分かる旨の訴求は、CTR/CVR向上に繋がりやすい可能性が考えられます。
一方で、掲載率にはあまり関係しないようです。
そのため、TDの掲載率・CTR/CVRを両立するためには、上記の3点を兼ね備えることが必要だと考えられます。
私はこの傾向をその後のTDOで意識するようになり、抑えておくべきポイントが分かっていることで思考の整理が付きやすくなるメリットも感じています!
この記事に書いた内容が、日々のTDOの効率化、あるいはTDO業務のあり方・手法を考える上での一助になれば幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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