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100均の300円マウスを魔改造してトラックボールキーボード(仮)を作った話
本記事は自作キーボードアドベントカレンダー#3の6日目の記事です。
昨日5日目はeucalyさんの自作キーボードキットを、iTunesリモコンにしてみる by eucaly | elchikaでした!
★記事のポイントだよ!
34mmトラックボールを使いたいがために、ダイソーの300円ワイヤレスマウスから光学センサを引き抜いて実現。同じダイソーのマウスでも有線では通信方式が違うため動かず、ワイヤレスマウスの光学センサが1Uサイズトラックボールモジュールと互換性がありました。結論、動作しました!
思い立った経緯
もともと1Uサイズトラックボールを組み込んで使用しています。持ち運びするキーボードや、場所を取らないサイズ感がとっても良いです。動作性も良くサクサクぬるぬる動きます。過去にも記事にしてますね。
1Uサイズのトラックボールもとっても良いのですが、やはり細かいところの操作性の面でもうすこし大きなトラックボールを使ってみたいな。。。と思い立ち調べてみることに。トラックボールマウスは購入したことがないため慣れるか不安でしたが好奇心と創作意欲が勝りました。
自分は7mmオプティカルトラックボールモジュール1uタイプ使っててけっこういい感じなのだけど、やっぱり34mmトラックボールの方が操作性は上がる気がするんだよなぁ。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 28, 2021
筐体についてはアドベントカレンダー#1の25日の記事で詳細を書こうと思います!本記事ではどうにか34mmトラックボールを使うために試行錯誤した点を書き残します。
トラックボールを動かすために必要なセンサは?
トラックボールマウスの光学センサは普通のマウスと違う?と一瞬思いましたが、結局のところ動いた量を感知して電気信号に変えるのは同じです。普通の光学式マウスは地面から見てマウスが動いた量を数値化していますが、トラックボールマウスは、マウスから見て地面(ボール表面)が動いた量を数値化します。昔のボール式マウスを裏っ返してボールを転がすのと似たようなものです。
オレ、ワカッタ。コウガクセンサ、ドレモニタヨウナモノ。
とは言うものの、トラックボールによく使用されているセンサが何か。さらに言えば、使用している1Uサイズトラックボールと互換性がある光学センサを見つけたいです。
ここから光学センサの探索が始まります。
センサはこれ?https://t.co/Q7AbGqEX2h
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 28, 2021
うーん光学センサよくわかんね。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 29, 2021
ドレモニタヨウナモノだろと思っていましたが、奥が深そう。。。光学センサに関する知識ゼロのためさらに調査します。ありがたいことにネットには情報がいろいろありますね。
少しわかってきたぞ。pixartの光学センサを使うのが主流で、センサ読み取りは.c、.hやらで書いてあげればいいんだな。7mmトラックボールだとセンサはpaw3204を使っていると。トラックボールに使われるのだと、あとはpaw3204とかpaw3805なのかな?
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 29, 2021
動作電圧は大体min2.1V~max3.3V程度なので、typ2.7Vかな?だから7mmトラックボールでも電圧変換基板かましていると。読み取り方式というか、通信方式と信号は違うのかな?
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 29, 2021
I2C通信、3-wireSPIあたりかな。。。I2Cは2線式の同期式シリアル通信で、SPIは3線でつなげると。。。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 29, 2021
なるほど、ELECOM トラックボールマウス M-MT2BRSBKはPAW3805EK-CJV1だと。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 30, 2021
参考にさせていただいたものとしては、以下です。
・トラックボール付き自作キーボードの開発ツイートや販売記事
・トラックボールマウスの分解解説記事
・光学センサの一覧&PDFデータシートのサイト
特に三つめは英語サイトです。どうしても日本語検索から始めてしまいますが、英語で検索しないと出てこない情報も多々ありますね。
ここで問題に気づきます。
”光学センサ”だけあってもダメなのです。光学センサの動作基板が必要です。おおっとこれは難題だ、、、。センサが見つかっても回路設計、さらに基板設計が必要になります。使うセンサについてはなんとなくわかってきましたが光学センサの一年生の私には動作回路設計、基板設計はハードルがとても高いです。
となると光学センサとそれを動かす回路基板がセットになっているマウスを分解するのが楽です。確実性を求めてトラックボールマウスを購入して分解することも考えましたが、ある程度の値段するんですよね。。。使っているマウスを分解するわけにもいかず。
一番安そうなマウスで試すか、、、100均だな!
さっそく一番安かった有線マウスを購入してすぐに分解。それとなくつなげてみましたが、動作しません。そりゃそうです。通信方式が違ってます。調べてデータシートを見ても1Uサイズトラックボールのデータシートに記載ある信号がありません。
(ほんとわかんなかったら、光学センサだけ別制御にしちゃって完成させるのもあり、ハードルは低くしてもおけ。)
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 30, 2021
はい、これは自分用です。この気持ちは開発を続ける上で大切だなと。
うーむ、、、と悩みながらもいろいろ調べていると、ダイソーの”300円無線マウス”を分解してレビューされている方がいました。(記事引用させていただきます。)
データシートに”MOTSWK”の文字が!!!これぞ求めていた信号!
さっそくダイソーに向かい念のため4つほど購入しました。帰宅後、すぐに分解します。うまくいく自信がなく保険をかけたツイートしてますね。
うまく行くかわからんがやってみよう。なぜこんなことに、、、。 pic.twitter.com/DKIhPdkXVG
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 30, 2021
配線してみると、、、
100円均一の300円マウスの光学式センサー改造して自作トラックボールつき自作キーボード(動作確認)できた!
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 30, 2021
ボール固定できてないから感度はガタガタだけど筐体作れば普通に使えそう。#自作キーボード #keyboard #トラックボール pic.twitter.com/0SbzPQ7Cw2
動きました!
ダイソーのワイヤレスマウスが答えだったんだ…。使ってるICはKA8ULで、深セン市富満電子有限公司(SHENZHEN FUMAN ELECTRONICS CO., LTD.)という会社のICらしい。2.7V駆動でSDIO,SCLK,MOTSWKの3信号なので、7mmオプティカルトラックボールモジュール1uタイプと互換あり!https://t.co/dgcnDKDZN7
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 30, 2021
なので、7mmオプティカルトラックボールモジュールの変換基板そのまま使えるし、ピン配列もソフトの変更もなしで使える。ほんと光学センサだけ置き換えといったところか。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 30, 2021
有休最高か! pic.twitter.com/bF2leF6SWK
良い感じです。あとは筐体を作れば完璧です。このときは同じく100均で買った小物ケースのふたを使って動かしています。ケース本体は大きすぎてうまくいきませんでした。
あれだけセンサを動作させる回路が~と言っていましたが、センサ部分だけなら見返すと光学センサ(と反射板)、LED、抵抗だけですね。もちろんトラックボールモジュール用の変換基板を購入して使っているからですが。
なにはともあれ動いたので”とりあえずの筐体”を用意して操作感を確かめます。
コンビニソフトクリームのパッケージを使った開発用なんちゃってトラックボール筐体。光学センサとの距離感が結構シビアだけど、一応上下左右反応してくれた。チープ感がすごい笑#自作キーボード #トラックボール pic.twitter.com/mXvmRXQoEr
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 10, 2021
チープでもいいのです、開発用ですから。
自作キーボード&自作トラックボールの無線化ひとまずできた。光学センサとトラックボールの位置や高さシビアすぎるのでやっぱり筐体作成必要。最後に椅子に固定しちゃえばめっちゃ楽になる、はず!#自作キーボード #トラックボール pic.twitter.com/vT2Tjd0aKV
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 12, 2021
おおおおっと、なにやら他にもいろいろしてますね。
全貌についてはアドベントカレンダー#1の25日の記事で!
次もぜってぇ見てくれよな!
この記事は自設計キーボードのMooseChairで書きました。