UltiMaker Cureでファジースキンが一部かからない問題の原因と解決策
3Dプリンター印刷物の表面をきれいにしたい!
3Dプリンターでの印刷物、表面をきれいにしたいですよね!
あえて側面をわざと凸凹に印刷することによって小さい印刷ミスや積層痕を目立たせなくするファジースキンが便利でよく使用しています。
3Dプリンター用のデータを作るスライサーソフト”UltiMaker Cure 5.5.0”でファジースキンを設定すると、なぜか数層だけ適用されない場合があり頭を悩ませていました(下図)。
この原因と対策が分かったので記事に残しておきます。
(設定がうまくできたときの画像は記事のトップ画にも載せてます!)
印刷しようとしているもの
今回、印刷しようとしているのは自作キーボードのケース。
斜めの面がある3Dモデルです。
インサートナット用の穴やら、ネジ穴やらもろもろあり。
ファジースキンの設定はこんな感じ。
いくつか設定を変えて印刷したけど、この設定がかっこよいと判断した。
印刷の設定。
後述するがレイヤー高さは0.2mm。
ファジースキンがかからない原因
ファジースキンがかからない層のあたりを見てみる。
ちょうどインサートナット用に穴をあけた部分(内壁)と、斜面(上面)を印刷している積層が合わさっている部分が原因っぽい!!!(画像中央)
もう少し詳しく見たいため、層ごとに見てみる。
どうやら内壁と斜面の積層が合わさるとファジースキンがかからないっぽい。
さらに言えば67層目のように少しかかるぐらいならば問題なさそう。
66層目は穴の一部が途切れている。この間隔が狭すぎてファジースキンの設定”ファジースキンの厚さ:0.3mm”を確保できず、設定されないと推測。
ファジースキンをかける改善策
改善策の方向性としては、「内壁と上面の積層がドッキングしないようにすればよさそう」となる。2個対策を考えた。
①レイヤーの高さを調整する。
レイヤーの高さが変われば、斜面の積層位置がずれる。
つまり、内壁と上面がドッキングしなくなる。
②穴部分と本体に隙間をつくり外壁を分ける
説明しづらいので後述。
①レイヤーの高さを調整する。
レイヤーの高さを微調整する。
いくつか試して0.198mmでうまくいった。
綺麗にすべての層にファジースキンがかかっている。
ただし!これはたまたまうまくいったパターンである。
例えば0.19mmにするとうまくいかない。
どこかで同様に内壁と上層がドッキングしているはず。
つまり解決はできるが、根本的な解決にはあまりならないとわかった。
②穴部分と本体に隙間をつくり外壁を分ける
3Dモデルを修正して根本的な解決策を施す。
ちょうど内壁と上面がドッキングする部分のあたりに、0.2mmぐらいの隙間を作る。
スライサー側を見てみると、外側の層が分離されていることがわかる。
厳密には一部ファジースキンがかかっていない問題は解決していないが、
外から印刷物を見たときには、すべての層にファジースキンがかかっているように見えるため問題ない。(やりたかったことが達成できている。)
ほら!綺麗やん!
まとめ
レイヤーの高さを調整するか、問題になる部分を一部浮島的に分離させて目立たなくさせる解決策がよい。
おしまい!
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