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快適さを求め椅子キー”MooseChair”を作った話
本記事は自作キーボードアドベントカレンダー#1の25日目の記事です。
昨日、24日の記事はc7sさん (@foostan) / TwitterのHelixでENDGAMEする - log.fstn (hateblo.jp)でした。
レンダリングが綺麗すぎて、すでに完成したのかと見間違えますね。
焦点ボケの感じもリアルさを一層引き立てています。
★本記事のポイントだよ!
椅子キー”MooseChair”の主なポイントをおおよそ開発時系列で並べました。過去ツイートを引用して補足しながら書いています。長くなったので、それぞれ気になった項目だけでも眺めていただければ幸いです。
モチベーション「在宅でも快適に作業したい!」
コロナもあって在宅勤務がメインとなり、出社は月に数回あるか否かという生活を送っています。働き方の変化にともないハマった自作キーボードも、歴としては1年弱ぐらいでしょうか。ErgoDash、自設計キーボードのMooseDashと分割キーボードを愛用していました。とても快適です。
しかし、人間の欲は尽きることなく、、、
椅子にふんぞり返ってキーボードカタカタしてえなぁー!
リクライニングを倒すとキーボードまで遠いんですよね…。どうせ在宅用で持ち運びしないし「椅子キーを作ろう!」と思い立ちました。
コンセプトと要求要件定義
要求「~したい!」に対し、要件「~で実現」を書きだします。
・椅子に左右分割キーボードをのっけたい!
→アームレストにキーボードを取り付け実現。
・配線の取り回しを楽にしたい!
→無線化で実現。
・マウス操作もキーボード内で完結させたい!
→トラックボール付きで実現。
・最上段や最下段へのアクセスも改善したい
→3Dプリント筐体でエルゴノミクス形状で実現。
簡単なイラストを描いたことでイメージも膨らみました。
作りたいキーボードのコンセプト#自作キーボード pic.twitter.com/yHKhySVXr2
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 13, 2021
土台部分と上物を分けることで、有線接続の今あるキーボードも載せることができるよう考えました。それぞれの要素について、一つずつ独立して取り組むことができます。最終完成形をイメージして、いまあるキーボードを改良しながら進めていけば創作意欲も常に満たされつつ長いこと開発を楽しめますね!
椅子キー⇒アームレストに取り付け
椅子にマジックテープで取り付けるアームレストを利用します。
これに電動ドリルで穴をあけ、M5サイズネジで固定を考えます。
使用したアームレスト↓
まずは当時使っていた有線キーボードで試してみました。
椅子に分離キーボード置くの、思った以上に快適になりそう。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 26, 2021
完全無線化したいけどBLEmicro欠品中らしいので、せめて長ーいTRRSケーブル作って体の後側に回せるようにするか。#自作キーボード pic.twitter.com/KslUZDJYpF
良い感じです。この時点で「いける!いけるぞ!」と確信しています。
やはり左右を繋ぐTRRSケーブルが前をふさぎ、立ち上がるたびにキーボードをどけなくてはならいため無線化欲が高まりました。
ちなみに椅子のリクライニング度合いよってもちろん傾きが変わる。自分も合わせて傾くので全然問題ない。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 27, 2021
わかりにくいが、左がリクライニング大、右はリクライニングなし。#自作キーボード pic.twitter.com/4D0C119Gig
薄型&傾き小のキーボードだとこんな感じ。うーん、あらためて思うけどKailh Low Profile Switch Choc V2良いよね!#自作キーボード pic.twitter.com/aUbO5GEYLu
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 27, 2021
リクライニングを倒すと自然と机との距離が離れるのは先ほども述べた通り。マウスも同様にアクセスもしづらいので、トラックボールを一体化して使いたい欲も高まりました。
34mmトラックボール⇒ダイソーの300円マウスを魔改造!
もともと1Uサイズトラックボールを使っていました。過去にも記事にしてましたね。
1Uサイズのトラックボールもとっても良いのですが、やはり細かいところの操作性の面でもうすこし大きなトラックボールを使ってみたい。持ち運ばない椅子キーならば筐体部分が大きくともよいので、トラックボールを大きくできます。試行錯誤の過程はアドベントカレンダー#3の6日に記事として公開しました!
過去記事のタイトルにもあるように、100均の300円マウスからセンサ部分を抜き取り流用することで比較的簡単に?実現しました。
うまく行くかわからんがやってみよう。なぜこんなことに、、、。 pic.twitter.com/DKIhPdkXVG
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 30, 2021
100円均一の300円マウスの光学式センサー改造して自作トラックボールつき自作キーボード(動作確認)できた!
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 30, 2021
ボール固定できてないから感度はガタガタだけど筐体作れば普通に使えそう。#自作キーボード #keyboard #トラックボール pic.twitter.com/0SbzPQ7Cw2
良い感じです。あとは3Dモデル設計時に筐体を作れば完璧です。
左右独立の無線化⇒椅子キーは無線がいいぞ!
有線をアームレストに置いてみてやはり無線化が必要だと再認識しました。
無線化についてはせきごんさんの無線化キットを購入し使用させてもらっています(BLE Mico Pro、単四電池セット、BMPのファームウェアなど)。
ニューパーツが届いた。 pic.twitter.com/49ts10tOyq
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 1, 2021
すごーい、電池基板ぴったりだ。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 5, 2021
高さとかアクリルプレート挟まること前提に作られてるのかな? pic.twitter.com/lRqZy47UJ0
今回、キーレイアウトはErgoDash、MooseDashと同様の左右35キーずつです。椅子キーも同じレイアウトにする予定のため、まずはMooseDashの基板で操作確認します。トラックボール部分に関しても1Uトラックボールが付いているのでこれも確認できますね。
トラックボールを動かすにはpaw3204.cを動かす必要がある=ファームウェアを修正が必要と過去の有線キーボード改良時にわかっていました。
しょっぱなからqmk_firmware_bmpの環境構築してる。うまくいってくれ。。。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 2, 2021
BMPのファームウェア構築で詰まり、はじめてDiscodeに参加しました。
いろいろと教えていただきファームウェアの更新も無事完了。
トラックボール用に電源用意してあげて、無線でも動くようになった。単4電池2本搭載でいくかなぁー。筐体は3Dプリンターで設計するつもりだし。#自作キーボード #keyboard pic.twitter.com/YKxji2rkoW
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 9, 2021
無線でトラックボールを動かすために、変換基板にもう一本単四電池を用意してつなげました。GNDもちゃんとつなげます。
これで無線化&トラックボールの動作確認ができました。
ここで、”とりあえずの筐体”を用意して操作感を確かめます。
コンビニソフトクリームのパッケージを使った開発用なんちゃってトラックボール筐体。光学センサとの距離感が結構シビアだけど、一応上下左右反応してくれた。チープ感がすごい笑#自作キーボード #トラックボール pic.twitter.com/mXvmRXQoEr
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 10, 2021
チープでもいいのです、開発用ですから。
自作キーボード&自作トラックボールの無線化ひとまずできた。光学センサとトラックボールの位置や高さシビアすぎるのでやっぱり筐体作成必要。最後に椅子に固定しちゃえばめっちゃ楽になる、はず!#自作キーボード #トラックボール pic.twitter.com/vT2Tjd0aKV
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 12, 2021
過去記事ではここもチラ見せしていましたね。
3Dプリンタ筐体⇒3Dモデル設計し印刷依頼
いよいよ筐体設計です!3Dモデルを作成、3Dプリンタで出力しキーボードを作られている方も多くいます。おかゆさんの記事を参考にさせていただきました。ソフトのインストールから初期設定、キースイッチの基本的なサイズ感などとてもわかりやすく、この記事を読めば誰でも3Dモデル設計自作キーボードができます。
人生初の3Dモデル作成ですが、ソフトの操作は1週間ほどでおおかた慣れます。初めはとても無骨なモデルですね。
アクリルプレートカット様に作った.svg読み込んで立体に。ここからって感じだなぁー。これは骨が折れそうだ。 pic.twitter.com/vYhUPiGYRe
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 16, 2021
自設計基板キーボードも上に乗せられるようにネジ穴や形状は合うようにしました。アクリルボトムプレートの印刷依頼時に作った.svgファイルをインポートすれば、寸法どおりになるよう一から作る工程を省けます。
三次元系初めてなので新たな超能力を得る修行だと思えば楽しい。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 16, 2021
いいぞ!そうだ!その心意気だ!
難しすぎる。。。何とかそれっぽい準備はできてる? pic.twitter.com/02gcJBhQVZ
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 17, 2021
トラックボール部分は完全に勘ですね…。球が34mmなので確か内径36mm、
厚さを3mmに設定。だいたいこれくらい空いてればボールが入るかな。支持球は3つでこれぐらいかなぁという感覚で進めます。内径が34mm以上ならば理論上入りはするので、困ったら削ればいいかーぐらいに考えました。
うーん今更チルト角をつけたくなってきた。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 17, 2021
やっぱりいるよなぁ。。。 pic.twitter.com/ckyUHiPe3p
まだ操作もよくわからず、ちと面倒だった部分です。あらかじめ決めたチルト角、ロール角で回転させたときにアスペクト比が狂わないよう入力画像側のサイズを調整してインポートしてます。きっともっとうまいやり方があるはず…まぁどの手段でもとりあえずできればOKです。
緩いカーブつけるかめっちゃ悩むな。。。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 21, 2021
カーブつけたうえで、14mm正方形の穴を面に垂直にどうやって空けようか。カーブつけようとするとキーキャップの干渉も考えなきゃならんので大変だな。。。 pic.twitter.com/BrO72zk2Q5
キースイッチの穴が空くと一気にそれっぽくなりますね。
こうなるイメージ。 pic.twitter.com/oDwgXUB4Sn
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 21, 2021
おお、良い感じですね。それっぽいです。これです、私が欲しいのキーボードは。でも、やっぱりキースイッチの取り付け向きに傾きを付けたいなぁと欲が出て傾きありVerも設計しました。もともと上物は交換できるようなコンセプトなので、ストレートタイプとカーブタイプとして両方とも印刷依頼することにします。
傾きつけ中。もっとかしこい方法ありそうだけど、愚直に進める。 pic.twitter.com/l6TurWCMho
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 23, 2021
上から一行目10度
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 23, 2021
上から二行目5度
真ん中0度
で傾きつけたけど、打ちやすさが変わるかはわからない。とりあえずキーキャップの干渉は避けるように調整したけど、そのせいで少しはみ出てるみたくなってる。
修正せねば。
最下段は外側3キーは薬指、小指で打つ想定なので奥側に向いています。
一方で内側4キーは親指で打つ想定なので手前側を向いています。最下段の工夫はかなり生きていて、日々使っていてもたびたび気づくほどです。
全体はお椀タイプ…でも良かったのですが、ロール方向には傾きが付いていないです。チューブの一部を切り取ったイメージになっています。
なんかだんだんすごいことになってきたな。 pic.twitter.com/1pnFV7wpt7
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 24, 2021
ひとまず筐体設計が完成です。土台、ストレートタイプ、カーブタイプの3つが左右あり合計6パーツです。
どこに印刷を頼むかですが、Twitter上でWENEXTを教えていただきました。
国内はサポート日本語だが値段がお高め、海外の方がお安いとのことです。
英語読む力は(翻訳サイトが)ありますので海外発注に決めました。
本当に教えていただき感謝の念しかないです。
教えてもらったhttps://t.co/ttTuPr98w0、やっぱりお安い。ただこの会社に限らずだけど、自分に素材の知識がないので硬いのか柔らかいのか強度がどうなのかが全くわからない笑。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 22, 2021
素材や製造方式についてもそれなりに調べます。
わかりやすいな。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 22, 2021
SLS vs MJF - What's the difference? https://t.co/KZCVcjT7F5 @YouTubeより
SLS FS3400GF fiberglassにしてみるかー!
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 22, 2021
素材、製造方式を決め発注しましたが、作成した3Dモデルに印刷できないゴミ設計(薄すぎる面や溝)が多くリテイクを何回も繰り返してしまいました。。。Skypeで都度やりとりさせていただき何とかクリア、担当者さん迷惑かけてごめん、ありがとう。このとき有休とっておいて良かった。。。
リテイク繰り返したけどいけたっぽい。複数パーツを一つのstlにしたほうがいいかと思ってたけど、パーツごとのstlのほうが良かった。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) September 27, 2021
複数シェルを結合するとき、意図しない薄い面や薄い溝ができててめちゃくちゃ苦労してしまった。あたりまえだけど、初めは簡単な構造から作ったほうがいいね。
あたふたした部分もありましたが、これで無事印刷依頼完了です。
筐体を待っている間にパーツを取り揃えます。
キースイッチ:Gazzew Boba U4 サイレントタクタイル
悩んだけど良さそうなので決めた!
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) August 28, 2021
Gazzew Boba U4 サイレントタクタイルキースイッチを購入しました! / https://t.co/oCRV6DOtUT @TalpKeyboard #storesjp #自作キーボード #keyboard
タクタイルの打ち心地が好きです。リモート会議時に打鍵音が気になるため、在宅環境ですが静音スイッチを選びました。それまで使っていたKailhのBox Brownよりも打ち心地はかなりしっかりしています。”コシのある打鍵感”という表現が一番しっくりきます。讃岐うどんです。色的にも。
キーキャップ:Tai-Hao Avatar Out of Our Mind Cubic
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 10, 2021
最高か!ぎゃんかわ!#TaiHao Avatar Out of Our Mind Cubic ABS Double shot keycap pic.twitter.com/raGqiRoAt7
めっっっっっっっちゃ好き!最高!マーブル色良いですよね。汎用キーというかイラストが描かれたようなキーはないです。その代わり無刻印のキーが多いのでレイヤーキーなどに使っています。
トラックボール:ぺリックス PERIPRO-303 GN 34 mm
トラックボールはペリックスのグリーン。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 17, 2021
ぺリックス PERIPRO-303 GN 34 mm 【10色展開】... https://t.co/H6VK5PMi1P #Amazon
支持球:uxcell 2.5mmZrO2酸化ジルコニウムボール
支持球はこれを使った。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 17, 2021
uxcell 2.5mmセラミックベアリングボール ZrO2酸化ジル... https://t.co/xmTKFgOwEm #Amazon
ここは王道なのでしょうか。調べるとこれらがメインで出てきたので購入しました。キーキャップに合わせてトラックボールも緑!
筐体到着!いよいよ組み立てです!
表面処理とパーツ取り付け
昼休み中に届いた!とりあえずパーツがはまる寸法に設計できてたかだけ確認。トラックボールは入りづらかったので少しやすりで削ったら大丈夫だった。キーキャップも干渉しなさそう。 pic.twitter.com/Civ7LQykwR
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 14, 2021
感覚で設計した部分、微妙に入れづらくトラックボールが傷つきそうだったので金属のやすりでけずり広げました。
はじめは支持球を入れると入らなかったのでルーターで穴を調整してあげた。トラックボールも少し力をかけて入れれて、落ちてこないので良かった。ここ結構適当なサイズ設計だったのでにっこり。#トラックボール pic.twitter.com/UwlcmElXUz
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 17, 2021
支持球部分もせり出しすぎなので穴を拡張しました。支持球は木工用ボンドで軽くくっつけます。いざとなればピンセットでぐりっと外せますが、普段使いではぽろんと取れることもなく良いです。
3Dプリント用のヤスリ2種で表面のざらつき取って、艶出しペーパーざっとかけて、蜜蝋クリーム塗ったところ。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 14, 2021
処理前と触った感じがだいぶ違うー! pic.twitter.com/MvuTfXaJYD
つるっつるな表面までは求めていないです。表面の凹凸は指先で感じますが引っ掛かりは少ない程度に3Dプリント用でやすり掛け。手汗を吸いやすいと聞いたので蜜蝋でコーティングしました。
とりあえずGazzew Boba U4 サイレントタクタイルキースイッチはめていきますー!
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 15, 2021
スイッチがトッププレートのようにハマるように小さい溝も作られてるよ。
最下列の中央は親指で押すので手前に、右側3つは薬指小指なので奥側に傾けてみた。
にしても筐体とBoba U4の色味めっちゃ合ってるのでわ!? pic.twitter.com/sVpxY9kzSa
溝があるのでぱちぱちとはめていきます。最上段は少し横から力がかかると外れるのでもう少しキツメでも良かったかな。でも狭すぎて入らず、やすりでサイズ調整するほうが厳しいのでこれで良かったかなと考えてます。ここまでは真っ白って感じでかわいいです。
キーキャップつけたところで、静音リングあったのを思い出し全部つけ直した、、、指痛いな。3Dプリント筐体だとPCBないからキースイッチごと抜けてキーキャップだけ抜けないんだな。 pic.twitter.com/ScWMjSosFx
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 15, 2021
この組み合わせでは静音リングは意味なさそうです。手元に余りがあるのでつけておきました。
かっこよいのではないのでしょうか!!!
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 15, 2021
配線していくかー! pic.twitter.com/8sn8FRkPkS
本体とキーキャップの色味合わなかったら、本体の色を着色するかなぁと思いましたが、良い感じなのでこれでいきます。かっこいい!!!
めっちゃ空中配線
配線はPCB基板設計したときと同じなんだけど、空中配線エクストリーム過ぎんか!? pic.twitter.com/006cidCPjj
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 15, 2021
回路図を見ながらダイオードの足を使い配線していきます。スイッチ用PCBソケットに配線しているので、スイッチは一応交換可能です。ただ固定されているわけではないので取るときにはそっとです。
空中配線めっちゃ大変だ、、、。わかったことはより線よりもポリウレタン銅線の方がはんだ付けは1本通しでできるから楽。被覆溶かすの面倒だけど。 pic.twitter.com/SphsMUVPec
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 15, 2021
縦ラインはポリウレタン銅線の方が楽でした。短いバラ線を何本も使うより、長いポリウレタン銅線で導通させたい場所だけ被覆を向いた方が楽。
コンスルーのまま使って取り外しできるようにした方が楽なので、ハサミで切れる基板にピンヘッダをL字に曲げてはんだ付け。電池基板もあるので3階建てになった。もろもろを配線していく。 pic.twitter.com/cOX21HBpuc
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 17, 2021
ここはだいぶ強引ですね。導通すればええんやろの気持ち大切です。
その他パーツの本体取り付け
BMP使った無線キーボードなので、スイッチが必要。トラックボール用に別電源が必要なので右手はもう一つツイッチが。スイッチ用にあけておいた穴にホットボンドでくっつけて、操作できるようにした。配線の先もソケットとピンヘッダで抜き差しできるように。 pic.twitter.com/kBkJoSmYKB
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 17, 2021
100均で買ったホットボンドが大活躍です。3Dプリントの素材を温度に比較的強い素材を選んだかいがありました。溶けたり歪んだりはゼロです。
ダイソーの300円Bluetoothマウスをぶっ壊して光学センサ周りを取り出して使用。これも配線してホットボンドで固定。反応しなくてめちゃくちゃ悩んだけど、距離(z軸)に加えて位置(xy軸)が重要だったみたい。とってもシビア、なんとかなって本当に良かった😂 pic.twitter.com/tlTVNLmylR
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 17, 2021
見るも無残な姿になっていますが、センサ部分です。大丈夫、しっかりと活躍してくれています。
ベースの上側。M5の六角穴付止めネジとナットを使って、あえて固定せずに上に置く形にした。ホットボンド優秀。ホットボンドで溶けない今回の素材優秀。(他の素材よく知らないけど) pic.twitter.com/6pO89i5Ypx
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 17, 2021
アームレストに固定して完成!!!
下側も同じようにホットボンドでナットを固定。アームレストにドリルで穴を開けて下からさっきのナットで固定。これで椅子キーボードができあがり!#自作キーボード pic.twitter.com/W5o9OMe7jn
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 17, 2021
位置をうまく合わせてアームレストに電動ドリルで穴をあけます。めちゃデカボトムプレートといった感じです。これでようやく完成です!
ここはしっかり画像を載せておきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1640353665382-dJlZdIKnTD.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1640353701224-lTReykFbEU.jpg?width=1200)
Title:トラックボールを搭載した3Dプリント筐体の無線”椅子キー”
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) November 20, 2021
Keyboard: MooseChair(自設計キーボード)
Switch: Gazzew Boba U4 silent tactile Switchs
Keycap: TaiHao Avatar Out of Our Mind Cubic ABS Double shot keycap
Trackball:Perixx 34mm Green#俺キー #自作キーボード pic.twitter.com/NVet93Yohx
良い感じです。思い描いていた”椅子にふんぞり返ってキーボードカタカタしてえなぁー!”が実現できました!
椅子キー"MooseChair"の紹介ショートムービー作成しました。初めてショートムービー作ってみたけどイイ感じな気がする。めっちゃ自宅感あふれてるけど笑#自作キーボード #keyboard pic.twitter.com/OV3c3NKUfw
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) November 20, 2021
ショートムービも作っちゃいました。
蛇足:後日の改良など(こまかーいところ)
ひとまず完成しましたが、後に改善した箇所も多々あります。
※かなり細かいポイントが続きます。
フラットケーブルでスパゲッティ配線の解消
スパゲッティなのをフラットケーブル使って解消(1枚目がbefore)。スパゲッティなのは変わらないけど、取り外しできるようになったのも進展だ。 pic.twitter.com/Rc58YGtURg
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) November 1, 2021
バラ線を使っていたのでスパゲッティ状態です。フラットケーブルを使ってスパゲッティを解消し、脱着もできるようにしました。
フラットケーブル化、めちゃくちゃ大変やった、、、。眠い。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) November 4, 2021
とりあえずちゃんと動いてくれたのでホットボンドではがれないように固定して完了。 pic.twitter.com/t3qOZ1iVW6
1mmピッチのフラットケーブルコネクタのはんだ付けは地獄でした。。。絶対外れるなよ!と念を込めてホットボンドでごりごりに固めておきます。
トラックボールのカタツキ解消のため支持球を増設
すこーしカタツキがあったのと、親指で操作するときに奥側上部にこすれる感じがあったので、支持球を2つ増加。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 27, 2021
カタツキもなくなり、操作もスムーズになった!#トラックボール pic.twitter.com/7x7775Yzt9
トラックボール操作感が向上しました。この改良以降は不快感を感じたことないです。かなーり寸法がシビアです。
トラックボールの操作感をとぅるんとぅるんに
王道のボナンザでトラックボールをフッ素樹脂コーティングしてあげたら引っかかりなくなった!快適だ、、、。 pic.twitter.com/s9Ff25kzxy
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) November 1, 2021
トラックボール界隈ではボナンザが王道のようです。数滴たらして柔らかい布でまんべんなく塗布。30分放置して硬化させたのち、同じく柔らかい布でこすってあげます。この時点でとぅるとぅるで手から零れ落ちそうになります。支持球側もゴミやほこりがないよう掃除もしてあげればとぅるんとぅるんなトラックボールになります。
中身ぽろり防止のためのインナープレート
柔らかいプラ版をカッターで切ってボトムプレート?的なのを作成。今まではアームレストがボトムプレート代わりだったけど、改良のために持ち上げるたびに中身がこぼれてきてたので。これでスッキリ! pic.twitter.com/WEVtcfIQl3
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) November 5, 2021
同じ要領でインナープレートも作成。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) November 5, 2021
宙ぶらりんになってたコネクタもホットボンドでゴリゴリに固めたので、揺れが原因で導通しなくなることはないだろう。ちょいと汚く見えるので、もう一枚目隠し用にあってもいいかなぁー。 pic.twitter.com/ROujBmWZCM
もろもろ調整のためアートレストから外したときにも中身が零れ落ちません。100均のクリアファイルを切って使ってます。
あとは手前側も裸だったところに半透明のプラ版で目隠し。トラックボールセンサの光がこぼれて、これはこれで良い感じ! pic.twitter.com/mlAJChjOIg
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) November 5, 2021
同じ感じでセンサ部分の目隠しも。お化粧です。
トラックボール操作のソフトウェア設定
トラックボールの向き補正と感度設定をしたら、調整前に比べてかな~り使いやすくなった。これなら日常使いなら十分に使えるなといったところ。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 20, 2021
34mmトラックボールも自作完了といったところかな、やったぜ!!!#自作キーボード #トラックボール #keyboard #trackball pic.twitter.com/TSez4o34CI
こまかな数値やら気になったときに調整は入れていますが、おおよそこんな感じです。モニターは3画面横に並べているので、親指の可動域が大きい方向を左右にしています。トラックボールでのスクロール操作も心地よいです。
やっちまってる設計ミス
特にここ、アホなことに作ること考えてなくて配線めちゃくちゃ大変。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 15, 2021
ボトルシップみたいに部分的に配線したパーツを隙間から入れてから配線する感じ。取り付け空間のマージン全く考えてなかったわ笑 pic.twitter.com/9IT3kzcmhF
パーツ取り付けのスペースを考えられていない箇所です。はんだごての先はいるわけないです。ほかにもねじ止めしようにもドライバ入れる隙間がない箇所だったり、取り付けスペースではいろいろやらかしてます。
PCB基板キーボードを乗せるコンセプト
コンセプトとして考えてた上パーツを変えられる構造。自分で設計したPCBはきっちりはまったので良かった。ただ、M5ネジを取り回すスペースが全然確保できてなかったので他の上パーツは取り付けどうにかせねば、、、。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) October 14, 2021
わくわくが止まらん。 pic.twitter.com/0exxbWVK6d
こちらもしっかり実現できます。ボトムプレートが土台筐体といった感じです。PCB基板キーボードでも34mmトラックボールを使えるように、コネクタ使って脱着を~配線を~とも考えましたが、基本的にこの使い方はしなさそうなのでそれはやめました。
トラックボール操作とキーボード操作の手の位置の違い
トラックボールマウス操作ポジション(カーソル操作と左右クリック)と通常のキーボード操作の手の位置の違い。
— あたるの⌨キーボード&技術アカ (@ataruno_key) December 20, 2021
ほとんど手の移動ないので快適です。
録音だとカサカサ音なってるけど実際はそんな気にならないよ。 pic.twitter.com/fUzfFy1kgR
ほとんど手は動きません。メインで使うキーがそれぞれ違う領域にあるので中心がずれるイメージでしょうか。トラックボール一体型キーボードにおいて、トラックボールをどこに配置するかは難しい問題です。左奥派、左手前派、中央手前派に大きく分かれるでしょうか。これは左手前派,under the キーボード流です。
最後に
コンセプトを思いついたところから完成までをまとめました。制作期間は21年8月~11月。約3か月間ありましたが、どの時期をとってもワクワクしながら作ってこれました。アドベントカレンダーの各記事を見ると皆さんそれぞれが持つ熱量や想いが伝わってきます。本記事でも自分のワクワク感が伝われば嬉しい限りです。
メリークリスマス!
そして皆様、良いお年を!来年も良き自作キーボードライフを!!!
ーーー
この記事は自設計キーボードのMooseChairで書きました。