【銭湯日記】15日目
-15日目-
20時。
日曜日なので早めに向かう。
しかし本日は痛恨のミス…あり…はぁ。
下駄箱は44番。
「いらっしゃい」と番台の淑女。
赤い暖簾を憂鬱にくぐる。
独占の空間。
[本日のぶろ]…ジェットバス。
薬草風呂はだいたい火曜と金曜というが、通って2週間ほどのうち火曜が薬草風呂だったことはない。ということはやはり金曜薬草風呂説が濃厚。
そして私はいよいよ決行する。
決行、したい。
決行…できない…せっかくの独占のサウナ…。
なぜか………火傷…したのだ…。
夕方、カレーをつくった。
ご飯をお皿によそい、まだグツグツする鍋からお玉でカレーを掬い取る。そしてご飯へ掛け流す。
お玉よりカレーが流れ出す瞬間、私はビビっと悟った。
「(あっ、これ流れた先…)」
左手の親指があった。
煮えたぎる地獄の熱さであるカレーは親指を一気に包み込んだ。瞬時に悶絶する私。
しかし幸か不幸か、左手はお皿を落とすまいと熱から逃れたい私の意思とは逆に力を込めた。
悶絶の私×意地の左手×灼熱のカレー
そして私は保冷剤を片手に無事だったカレーを食すこととなった。情けなくて泣きそう。
だから…(悔しい)……今日はできるだけ浴槽へ左手の親指を浸さないように…(悔しい)…した。
そして大事をとってサウナを諦める決断をした。
無念、極まる。
番台の淑女より「おやすみなさい」をいただいて帰宅(悔しい)。
愛らしい猫ちゃんはいない。
今週はついに逢えなかった。時間を早めても無理だったか。こればかりは運命なのだ。
まだ赤い左手の親指を恨めしく眺めながら歩く。
ちくしょー。
次はサウナ帰りに缶チューハイ買ってやる。
ばーろー。