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スマートシチズンを増やすコミュニティ型分譲事業を考える

2022年3月12日に行われた「#新しい不動産業 Meetup」2日目のセッション1。神奈川鎌倉市の企業のエンジョイワークスの松島氏と荘司氏がお伝えする。同社はまちの仲間を増やす仕掛けとして、2008年から不動産営業、2013年から建築設計を手がけ、土地分譲、建築設計を行なってきた。コミュニティを加速するENJOY VILLAGEについて聞く。 ※ 研究所会員は全てのセッションをノーカット映像でご覧いただけます。

コミュニティ型分譲事業「エンジョイヴィレッジ」

「ENJOY VILLAGE(エンジョイヴィレッジ)」は、大きな土地を、塀を設けずに土地のルール(マスタープラン)を設け、一緒に複数戸を建てることで、価値観の近い住民同士で、育むことができるコミュニティ型分譲事業だ。エンジョイヴィレッジでは、自分らしくいることができる暮らしの価値に気づくことができるだろう。

価値を継続するためのルールとマスタープラン

いくつかの事例を見ていく。例えば神奈川県葉山町の600平米くらいの土地では、接道する2区画と、旗竿敷地2区画の4区画に分けている。庭はみんなでつくり、みんなで育てるとし、塀をつくらない。窓と窓を対峙させずに計画を行うことで必要なプライバシーも担保している。塀がないので、全体として中庭を共有する豊かな配置となっている。ユニークな土地活用だ。

可変性の高い高性能な箱「スケルトンハウス」

エンジョイヴィレッジに建てるのは、7年ほどで82棟の上棟実績があるスケルトンハウス。暮らしを内包するのは、柱のない構造と、全館空調によるインフィルの入れ替えが容易な構造。住まい手自らが、設計士のサポートを受けながら、間取りを考える。ライフステージや暮らしに合わせて間取りを変えることもできるのが魅力だ。

施主が主体的に取り組む仕掛け「家づくりからはじまるノート」

暮らしを実現できるようにつくられたアプリケーションが用意されている。「家づくりからはじまるノート」は、家づくりのジブンゴト化を高める仕掛けが満載だ。打ち合わせの内容はSTEPに載って打ち合わせまでにやるべき宿題が与えられることもあり、模型も自分(施主ご自身)でつくる。DIYで実際に施工もできる。設計や施工の領域にまで、自身が主体的に取り組むことで愛着を持てるだろう。

新しい不動産業としての活かし方と活用の難しさ

事例から見えてくるのは、使い勝手の悪い土地も、使い方によって、極端な造成を加えなくても価値を生み出せていることだ。住まい手に主体的になってもらうためのコミュニケーションは従来の不動産業者としてはチャレンジとなるだろう。難しいと感じるかもしれないが、それだけに武器となり得る内容だ。

全国での展開も見据えている。エンジョイヴィレッジは、#新しい不動産業のツールとして広く展開できる可能性がある。住民同士のつながり、ソーシャルキャピタル、社会的貢献が、緩やかに広がっている。家族の幸せにつながる良好なストックを形成していくことは社会貢献そのものだろう。

●登壇者紹介

松島孝夫(まつしま・たかお)

株式会社エンジョイワークス 取締役
1974年栃木県生まれ。大手ゼネコン建築設計部、コーポラティブハウスプロデュース会社を経て、 2017年エンジョイワークス入社。“集まって住まう”エンジョイヴィレッジのプロデュースを始め、 設計部門から事業企画、コミュニティ形成まで全国各地で幅広いプロデュースを行う。
宅地建物取引士 / 既存住宅アドバイザー

荘司桃子(しょうじ・ももこ)

株式会社エンジョイワークス 建築設計部
某ハウスメーカーの設計職で100棟ほどの経験を積み、2016年にエンジョイワークスに入社。エンジョイワークスではスケルトンハウスやリノベーションの設計・監理、イベント企画、ヴィレッジのプロジェクト管理など幅広く活動。
鎌倉生まれ、千葉育ち、都内でOL、現在はまた鎌倉に住み、職遊一体で鎌倉暮らしを楽しむ。

#新しい不動産業研究所 は、不動産業界へのニーズの多様化に応じて、不動産の価値を高め、枠組みに縛られることなく、新しい事業領域へのチャレンジを推進しています。
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